今回のテーマは「話し合う」です。一括りに「話し合う」といっても、単なる雑談から、テーマが決まったもの、ビジネスの交渉や、専門家への相談に至るまで、色々な種類があります。この記事では、それらの話し合いをそれぞれ英語で何と言うかについて、詳しく解説していきます。

これを読めば、色々な話し合いを英語で適切に言い分けられるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「話し合う」は英語で何て言う?

「話し合う」は英語で何て言う?

「話し合う」の意味で最も幅広く使えるのは “talk(トーク)” です。日本でも「トーク番組」などと日常的に使われるので、聞き馴染みのある方が多いでしょう。

talk のコアイメージは、人と人とが顔を向き合わせ、近距離で話し合う様子です。そのため、ひとまず「話し合う」という意味を表したい場合は、talk を使っておけば間違いないでしょう。

talk は自動詞なので、”talk the problem” などのように、後ろに直接名詞を付けることができません。そのため、主に with、about、over という前置詞とセットで使われます。

これらの前置詞のどれを使うかによって、意味が少しずつ異なってくるので、順番に詳細を確認していきましょう。

「~と話し合う」:talk with

「~と話し合う」と、話し合う相手を示す場合は “talk with ~” の形になります。

with のコアイメージは「一緒に」なので、2人がある議題について一緒に話を進めていく様子がイメージされます。

なお、一方的に話を振る、話しかける場合は “talk to” が使われます。まずどちらかが talk to して、その後 talk with に発展すると考えればよいでしょう。

Aさん
My father often talks with my mother about something.
訳)父はよく、母と話し合っています。
Bさん
They are a close couple.
訳)仲のいい夫婦なんだね。

 

「~について話し合う」:talk about

「~について話し合う」と、話し合いのテーマを示す場合は “talk about ~” の形になります。

about のコアイメージは「周囲をぐるぐる回る」感じです。そのため、ある話題について「あーじゃないこーじゃない」と、色々な角度から話し合いをするイメージになります。

なお、話し合う相手とテーマの両方を示したい場合は “talk with ~ about …” と、両方をセットで使うことも可能です。

Aさん
My father often talks with my mother about world peace.
訳)父はよく、母と世界平和について話し合っています。
Bさん
They are enlightened individuals.
訳)意識の高い人たちだね。

 

「~を解決させるために話し合う」:talk over

“talk over” は、解決すべきテーマについて話し合う際によく使われます。over には「~を超えて」というコアイメージがあり、話し合いによって壁を乗り越えるニュアンスになります。

たとえば、地球温暖化について話し合う場合、”talk about global warming” と言えば、単に地球温暖化のあれこれについて雑談するイメージです。その一方、”talk over global warming” の場合は、地球温暖化を解決させるために何ができるかを話し合うイメージになります。

Aさん
My father often talks with my mother over how to conquer the world.
訳)父はよく、世界を征服する方法について母と話し合っています。
Bさん
They’ve gone to the dark side!
訳)ダークサイドに落ちてる!

 

ビジネスでも使える「話し合う」を表す英語表現

ビジネスでも使える「話し合う」を表す英語表現

英語で「話し合う」を表現する際は、talk 以外にも色々な言い方があります。

ここでは、その中でも日常生活からビジネスまで幅広く使える3種類の表現について、詳しく確認していきましょう。

「議題について話し合う」:discuss

“discuss(ディスカス)” は、話し合うテーマが決まっているときに使える表現です。

discuss の語源は「離れて(dis)振る(cuss)」で、物事を粉々になるまで徹底的に話し合うことが原義になっています。

talk はテーマが決まっていないフリートーク(free talk)でもOKでしたが、discuss は必ず話すためのテーマが決まっています。そのため、わざわざ about を付ける必要がなく “discuss+名詞(テーマ)” の形で使われます。discuss about ~ としても通じますが、文法的には誤りなので注意しましょう。

Aさん
Let’s discuss next year’s budget today.
訳)今日は来年度の予算について話し合いましょう。

「交渉のために話し合う」:negotiate

ビジネスなどで、交渉のために話し合う場合は “negotiate(ネゴシエート)” が適しています。

negotiate の語源は、ラテン語で「暇ではない」という意味を表す “negotium” から来ています。ちなみに、business(ビジネス)ももともとは「忙しいこと(暇ではないこと)」を意味しています。

negotiate は、お互いの損得勘定、利害関係がある際に行われる話し合いのことであり、双方の合意を掴むことが目的となります。日常生活で使うことはあまり多くありませんが、ビジネスシーンではよく出てくる表現です。

Aさん
We need to negotiate a bit more to do business with that company.
訳)あの会社と取引するためには、もう少し話し合う必要があります。

「専門家と話し合う」:consult

自分より何かに詳しい人と話し合う場合は “consult(コンサルト)” が使われます。

consult の語源は「一緒に(con-)座る(-sult)」であり、膝をつき合わせて話し合う様子が原義になっています。そのため、一般的な話し合いより真剣さの度合いが強く、たいていの場合、医者や弁護士などの専門家に教えを求める際に使用されます。

なお、相手が専門的な職業人でなくても、自分と相手の間に「教師と生徒」のような関係が成り立てば consult が使えます。

Aさん
Let’s consult with Kate, the most popular girl in the class, about how to become more attractive.
訳)どうすればモテるかについて、クラスで一番モテるケイトと話し合おう。

「話し合い」は英語で何て言う?

ビジネスでも使える「話し合う」を表す英語表現

「話し合い」と名詞で表現する場合は、”talk”、”discussion”、”negotiation”、”consultation” が使われます。talk は動詞のときと同じ形ですが、それ以外の単語は形が変わる点に注意しましょう。

知識を整理するために、ここまでに出てきた「話し合う」を表す動詞を含めて、一度表にまとめてみましょう。

動詞 名詞 意味
talk talk 一般的な話し合い
discuss discussion テーマが決まっている話し合い
negotiate negotiation 交渉のための話し合い
consult consultation 専門家に相談する話し合い

また、これら以外にも、「正式な話し合いの場」を表す “conference(カンファレンス)” という表現もあります。「会議」に近いニュアンスで、ビジネスや政治、医療現場、法廷などのフォーマルな場面での話し合いを表す際に使われます。

【補足】「協議を重ねる」は英語で何?

英語で「協議を重ねる」と表現したい場合は、” engage in repeated discussions” とすれば伝わるでしょう。repeated が「何度も繰り返される」、engage in が「~従事する」を表すので、直訳すると「繰り返される議論に従事する」という意味になります。

また、協議が交渉のためなら “repeated negotiation”、専門家への相談なら “repeated consultation” としてもよいでしょう。

まとめ

今回は「話し合う」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

「話し合う」の意味で最も一般的に使われるのは “talk” です。その際、意味に応じて with、about、over という前置詞が使い分けられるので注意しましょう。

また、テーマが決まっていれば “discuss”、交渉のためなら “negotiate”、専門家への相談なら “consult” と、ニュアンスに応じた言い換え表現もあります。表現に幅を持たせたい場合は、これらを使い分けるとよいでしょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!