普段会話をしていると、「微妙」という言葉をよく使うのではないでしょうか。

「微妙」というのは便利な言葉であり、可もなく不可もなく、悪くもなければ良くもないといった物事の間、ややズレているのを表現できますね。

そんな便利な言葉「微妙」ですが、英語では何と表現するのでしょうか。
意外と表現が出てこない方も多いでしょう。

そこで今回は「微妙」の英語表現について解説します。
さまざまな表現があるので、表現ごとの“微妙な”ニュアンスの違いを掴んで会話で活用していきましょう。

「微妙」は英語で?押さえておきたい英語表現5選

「微妙」は英語で?押さえておきたい英語表現5選

「微妙」とは断言を避けたり、やや違うというのを表現したりするときに用いられる便利な言葉ですが、英語では複数の表現があります。

というのも、「微妙」といってもさまざまな意味合いがあり、英語では“どのような意味の微妙なのか”によって表現を使い分ける必要があるからです。

ここでは、「微妙」を表現できる英語を5つ解説します。

iffy

「あやふやな」「疑わしい」という意味の微妙にはiffyを使います。

iffyは「もし」という意味の「if」に接尾辞の「y」がついてでき言葉です。接尾辞の「y」は単語を形容詞化する働きがあるため、接続詞の「if」も形容詞となって「iffy=あやふやな、疑わしい」という意味になるのです。

iffyは便利な表現なので、「味が微妙」「行けるかどうか微妙」という意味にも使えます。

また、iffyだけで使うとネガティブな印象のある微妙になってしまうため、「kind of iffy」「bit iffy」として「少し微妙」とやわらかく表現することが多いですよ。

Aさん
This steak tastes kind of iffy.
このステーキは味が微妙です。
Aさん
It’s a bit iffy as to whether he will come to the meeting.
彼が会議に来るか少し微妙です。

I’m not sure

質問されたことに対し、はっきりと答えられないときは「I’m not sure」というフレーズを使います。海外ドラマや映画でもよく使われる表現なので、聞き覚えのある方も多いでしょう。

もともと「sure」には「~を確信して」「~に自信をもって」という意味があります。そのため、否定形の「I’m not sure」とすることで「私は確認していない、自信を持てない」という意味になり、はっきり答えられないというニュアンスを含む「微妙」になるのです。

Aさん
Was that cake delicious?
そのクッキーはおいしかったですか?
Bさん
I’m not sure about it. This cake tastes too sweet for me.
微妙でした。わたしには甘すぎました。

このように、本当はおいしくなかったと感じていても、はっきりと否定するのは避けたいシーンで「I’m not sure」を使います。ただし、「I’m not sure」を使う場合はその後に、なぜ微妙だったのか理由を答えるようにしましょう。

mixed feelings

ポジティブな感情やネガティブな感情など、さまざまな感情が入り交じり、気持ちを言い表すのがむずかしいときに「微妙」という言葉を使うことがあるでしょう。そのようなシーンでは「mixed feelings」という言葉を覚えておくと便利です。

とくに「I have mixed feelings about~」という形が定番なので、フレーズごと覚えておくといろいろな言い回しに使えますよ。

Aさん
I have mixed feeling about the news.
わたしはこのニュースについて複雑な気持ちです。
Aさん
I have mixed feelings about that restaurant’s service.
このレストランのサービスは微妙です。

subtle

少し違う、ほんの少しニュアンスが違うという意味の「微妙」にはsubtleを使います。“少し違う”という意味合いを表現できるのがポイントです。

・a subtle distinction:微細な区別
・a subtle meaning:細かい意味
・a subtle perfume:ほのかな香り
・a subtle difference:微妙な違い

Aさん
There is a subtle difference between your opinion and mine.
あなたとわたしの意見の間には微妙な違いがあります。

toss-up

「合格するかどうか微妙だ」「勝てるか微妙だ」といったように、「五分五分の見込み」という意味の「微妙」には「toss-up」を使いましょう。

「toss-up」は「五分五分の見込み」という意味もありますが、「硬貨投げ」という意味もあります。

「硬貨投げ」とは、コインを投げて表と裏のどちらが出るかを当てるものですが、表と裏の出る確率はちょうど50%(五分五分)ですよね。そのため、「toss-up」=「硬貨投げ」→「五分五分の見込み」という意味になるのです。

Aさん
It’s a toss-up whether he will win or lose.
彼が勝つか負けるかは五分五分の見込みです。

「微妙」に関連する英語表現

「微妙」に関連する英語表現

ニュアンスの異なる5つの「微妙」の英語表現について解説しました。

ここでは、「微妙」に関連する表現を紹介します。

どちらとも言えない

肯定することもしなければ、否定することもしないというような「どちらとも言えない」という場合、「Well, yes and no.」というのが便利です。

主語や動詞のない表現ですが、日常会話でもよく使われます。

「Well, yes and no.」は「肯定と否定」が混在している表現なので、「どちらとも言えない」という微妙なニュアンスを表現できるのです。

Aさん
Did you enjoy your trip?
旅行は楽しかった?
Bさん
Well, yes and no.
うーん、どちらとも言えないね。

「yes and no」の前にwellを付けることで、悩んでいる様子を表現できます。

可もなく、不可もなく

「He’s okay.」「It’s okay.」などのフレーズを見ると、okey(OK)という言葉が入っているのでポジティブな印象があるかもしれません。

しかし、okey(OK)は必ずしも「大丈夫」「好調に」といった良い意味合いで使われるのではなく、「可もなく不可もなく」という表現にも使われます。

Aさん
I heard you went for dinner with him. Was it fun?
彼と夕食に行ったって聞いたよ。楽しかった?
Bさん
It’s okay.
まあまあかな。

このように「可もなく不可もない」様子を表現できるのです。そのため、楽しかったという感想を伝えたいときに「It’s okay.」と言ってしまうと、微妙だったのかなと思われてしまうので注意しましょう。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「微妙」の英語表現について紹介しました。

日本語の「微妙」は便利な言葉なので、たった一言で幅広い意味を表現できます。しかし英語で「微妙」を表現する場合は、“どのようなニュアンスの微妙なのか”によって表現の使い分けが必要です。

言葉を濁して表現したいときに使える便利な言葉なので、細かなニュアンスの違いを掴んで会話に生かしていきましょう。