今回のテーマは「高級」です。日本では、上等なものから値段の高いものまで、さまざまなものを「高級」と表現しますが、英語ではどうなのでしょうか。全て同じ1つの単語で表せるのか、ニュアンスによって使い分けが必要なのか、気になりますね。

この記事では、「高級」を表す英語表現の全体像と、「高級そう」や「高級感がある」などの関連表現の言い方まで、詳しく確認していきます。

これを読めば、英語でも色々な「高級」のニュアンスが表現できるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「高級」は英語で何て言う?

「高級」は英語で何て言う?

日本語の「高級」という言葉は便利なもので、値段が高い「高価」や程度が高い「高度」、品質の高い「高品質」など、あらゆる「高い」ものを表す際に使えます。

そのため、残念ながら「高級=これ」という決まった英語表現はありません。その値段なのか程度なのかなど、その時々の表すニュアンスに合わせて、いくつかの表現を使い分ける必要があります。

ここでは、日本語の高級に近い英語表現として、10種類を厳選しました。

  1. high-class
  2. high-end
  3. high-quality
  4. luxury
  5. luxurious
  6. premium
  7. classy
  8. posh
  9. exclusive
  10. expensive

それぞれの特徴や違いについて、詳しく確認していきましょう。

高級①:high-class

“high-class(ハイクラス)” は、日本語の「高級」という言葉の成り立ちに最も近い表現です。

classは日本でも学校の級を表す際に使う通り、「等級」を表す言葉。そのため、high-class で文字通り「等級が高い⇒高級」という意味になります。また、同じく級や学年を表す grade を使って “high-grade” が使われることもあります。表すニュアンスはほぼ同じです。

たとえば「高級なホテル(high-class hotel)」や「高級レストラン(high-class restaurant)」のように使います。上流階級の人々が使うものやサービスに付けるイメージでしょう。

ただし、high-class は少々フォーマル、というか硬い印象のある表現なので、日常会話での使用機会は少なめです。

Aさん
Ordinary people like me can’t stay at a high-class hotel.
訳)私のような庶民は高級ホテルになんて泊まれません。

高級②:high-end

“high-end(ハイエンド)” は、高級な電化製品などを指す際によく使われる表現です。たとえば、”high-end refrigerator(高級冷蔵庫)” や “high-end microwave oven(高級電子レンジ)” などと使われます。

end は「終わり」の意味で有名な言葉ですが、そこから派生して「端」という意味もあります。カタログなどでは、庶民的な製品から始まり、高級品は最後の方(端)に掲載されることが多いため、high-end が使われるようになったのでしょう。

Aさん
My brother bought a high-end refrigerator.
訳)弟が高級冷蔵庫を買いました。

高級③:high-quality

“high-quality(ハイクオリティ)” は、品質の高さを表す際に使われる表現です。「高級食材(high-quality ingredients)」などと実際の物を表すだけでなく、「高品質な技術(high- quality technique)」などと技術やサービスの程度の高さを表すこともあります。

「高級」というと値段に引っ張られがちですが、金額に関係なく高級感を感じる品質であれば high-quality を使って表すとよいでしょう。

Aさん
That restaurant uses high-quality ingredients in their dishes.
訳)あのレストランでは、料理に高級食材を使っています。

高級④:luxury

“luxury(ラグジャリー)” は、高級で贅沢なものごとを表す際に使われます。

「贅沢、贅沢品」を表す名詞として単体でも使えますし、「贅沢な○○」と形容詞的に使うこともできます。

luxury の根底には「非日常感」があります。そのため、たまの贅沢で行く「高級ホテル(luxury hotel)」などと使うのにピッタリ。最初に挙げた high-class hotel が上流階級向けだったのに対し、こちらは贅を尽くしたきらびやかなホテルというイメージです。

Aさん
I splurged and stayed at a luxury hotel!
訳)奮発して高級ホテルに泊まっちゃった!

高級⑤:luxurious

“luxurious” は、前述の luxury の形容詞版で、同じく高級で贅沢な様子を表します。

luxury が形容詞的にも使えたため、違いがわかりにくいですが、以下のように「贅沢に見える」などと形容詞単体で使う場合は、luxurious が使われます。

Aさん
His suit looks luxurious.
訳)彼のスーツは贅沢に見えます。

また、luxury が本当に贅沢なものごとだけを表すのに対して、luxurious は「贅沢っぽい」ものごとを含めて広く表せます。そのため、少し穿った見方をすれば、見かけ倒しの贅沢さも表現可能ということです。

Aさん
His suit looked luxurious at first, but it was actually cheap.
訳)彼のスーツは一見高級そうでしたが、実際は安物でした。

高級⑥:premium

“premious(プレミアム)” は、通常よりも高級で値段などが高いものを指して使われます。日常会話で使うというより、お店やメーカーなどが、商品やサービスに特別感を与えるために付けるのが一般的です。

日本でも「プレミアム○○」という名前で売り出されていると、通常よりも特別なもののように感じられますよね。英語でもほとんど同じニュアンスで使われています。

Aさん
Our farm has started to sell premium apples.
訳)私たちの農園では、高級りんごの販売を開始しました。

高級⑦:classy

“classy(クラシー)” は、高級を表す口語表現です。人や物の上品で洗練された様子を指して使われます。

スペルからもわかる通り、classy は class(級)から派生した言葉です。最初に挙げた high-class がフォーマルなニュアンスだったのに対して、classy は少々カジュアルなニュアンスで、日常会話でもよく使われます。

Aさん
You look classy in the black jacket.
訳)その黒のジャケットを着てると上品に見えるね。

高級⑧:posh

“posh(パッシュ)” は、主にイギリスで使われる高級を表すスラング表現です。日本語の語彙で言うと「ハイカラ」に近いニュアンスでしょう。

posh が表すのは、上流階級の人々の様子や、彼らが使いそうな物のこと。それらは庶民から見ると鼻に付くことも多いので、侮蔑的な意図で使われることも多いです。そのため、日常会話で積極的に使うのは避けた方がよいでしょう。

Aさん
The man always talks posh.
訳)その男性はいつも気取った喋り方をします。

高級⑨:exclusive

“exclusive(エクスクルーシヴ)” は、一部の人だけが利用できる高級さを表します。

exclusive は exclude(除外する)と同じ語源で、選ばれし者(物)以外を排除するニュアンスがあります。そのため、会員限定のクラブや店舗限定商品など、「限定」感のあるものごとを表すことが多いです。

Aさん
I wish someone would invite me to an exclusive club in New York.
訳)誰かニューヨークの高級クラブに招待してくれないかなー。

高級⑩:expensive

“expensive(エクスペンシヴ)” は、値段の高い高級さを表す表現です。

ここまで見てきた他の表現の多くが、その根底に程度や品質の高さを含んでいたのに対し、expensive は単に値段が高い事実だけを表します。そのため、極端な言い方をすれば、高級でなくても値段さえ高ければ expensive が使えるということです。

Aさん
My car is very expensive!
訳)私の車はとっても高級なの!
Bさん
Really? It doesn’t look so.
訳)本当? そうは見えないけど。

 

Aさん
That’s harsh!
訳)ひどっ!

「高級そう」「高級感がある」は英語で何て言う?

「高級そう」「高級感がある」は英語で何て言う?

日本語だと、高級と言い切るのではなく、「高級そう」や「高級感がある」などと、少しぼかした言い方をすることもありますよね。

英語ではこれらをどう言えばいいのでしょうか。それぞれ詳しく確認していきましょう。

「高級そう」in English

「高級そう」と英語で表現する際は、”look ○○” や “sound ○○” を使えばOKです。○○の部分にはニュアンスに応じて、前述の10種類の表現を入れましょう。

look と sound の使い分けですが、見た目から高級そうと感じた場合は look が、聞いた印象で高級そうと思ったのなら sound が適切です。「視覚情報=look」「聴覚情報=sound」と覚えておきましょう。

Aさん
Your dress looks expensive!
訳)あなたのドレス、見るからに高そうだね!
Aさん
Plan A sounds more luxurious than Plan B.
訳)Aプランの方がBプランより豪華そうに思える。

「高級感がある」in English

「高級感がある」と少しぼかして言いたい場合は、”a sense of luxury” や “an air of luxury” を使うとよいでしょう。前述の10種類のうち、luxury だけが名詞なので、前置詞 of の後に付けることができます。

sense は「感覚」、air は「空気」を表すので、日本語の高級感に近いニュアンスが表現できるでしょう。

Aさん
This bed has a sense of luxury.
訳)このベッドは高級感があります。

まとめ

今回は「高級」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。

ひとくちに高級といっても、程度が高いのか、品質が高いのか、値段が高いのかなど、状況に応じて表すニュアンスが異なります。今回ご紹介した10種類の違いを踏まえたうえで、場面ごとに適する表現を使い分けられるようにしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!