「彼って本当に謙虚な人だよね」
「どうしてそう傲慢なの?謙虚さを学んだほうがいいんじゃない?」
会話のなかで「謙虚」という言葉を使うことがあります。
日本人は謙虚だと言われることがありますが、それを英会話で話せそうですか?
この記事では、英語「謙虚」についていくつかの表現を紹介します。ぜひ、使える英語を増やしていきましょう。
humbleの意味とは?
謙虚(けんきょ)とは、自分を偉いと思わず、素直に他に学ぶという気持ちがあることを言います。
例えば、スポーツ選手が負けたとき、インタビューで「謙虚な気持ちで受け止めたいと思います。」なんていう姿を想像できます。
自分の能力・立場におごることなく、控えめな態度をとっているんですね。
謙虚の反対語は「傲慢(ごうまん)」や「高慢(こうまん)」だと考えると、謙虚の意味の理解が進むのではないでしょうか?傲慢の英語表現についても後半で紹介します。
humbleの意味とは?
謙虚を表す単語として、まずhumble(ハムブル)を挙げましょう。意味と使い方を理解するため、Cambridge Dictionaryからそれぞれを例文とともに確認してみます。humbleには形容詞と動詞の働きがあります。
形容詞(1)
→ 謙虚な・腰が低い
not proud or not believing that you are important.
あなたが重要であることを誇りに思っていないか、信じていない。
He’s very humble about his success.
訳)彼は自分の成功について、とても謙虚だ。
この例文で分かるのは、humbleは成功したことを自分で信じなくて傲慢にならないニュアンスで使われているところです。
形容詞(2)
→(地位や身分が)低い・卑しい・(住居や生活が)粗末な・質素な
poor to of a low social rank.
貧しく、社会的地位が低い。
Even when she becomes rich and famous, she never forgot her humble background.
訳)裕福になり有名になっても、彼女は自分の地位が低い生い立ちを決して忘れなかった。
成功すると高慢になってしまう人がいる一方、謙虚さを忘れずにいる堅実な人もいますね。
動詞
→ 謙虚にさせる・控えめにさせる・恥をかかせる・~をおとしめる
to make someone understand that they are not as important or special as they thought.
思っているほど重要でも特別でもないことを誰かに理解させること。
He was humbled by the child’s generosity.
訳)彼は、子どもの寛大さに謙虚になったんです。
generosityには行為や性格の寛大さ・寛容さ・高潔という意味があります。子どもならではの行為にハッとさせられることってありますね。
参考:Cambridge Dictionary “humble”
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/humble
modestの意味とは?
2番目の謙虚はmodestを紹介します。
modest(モデスト)は形容詞であり、以下の意味を持っています。
- 自分の所有物・能力・業績などについて多くを語ろうとしない。
- 態度や言葉遣いなどが控えめな・しとやかで上品な・腰の低い。
- 要求などが控えめな・適度の。
- 服装などが地味な・質素な。
- 住居などが質素な。
modestに関しても、Cambridge Dictionaryからそれぞれを例文とともに確認していきましょう。上の1~5のどれに当たるのかも考えてみてくださいね。
not large in size or amount, or not expensive.
サイズや量が大きくない、または高価ではない。
Just a modest portion for me, please.
訳)適度な量でお願いします。
この例文はレストランのシーンでしょうか?「3. 要求などが控えめな・適度の」に当てはまりますね。
not usually taking about or making obvious your own abilities and achievements.
通常、自分の能力や成果を取り上げたり明らかにしない。
He’s very modest about his achievements.
訳)彼は自分の成果についてとても謙虚だ。
ここで使われているmodestでは、一つの成果・業績についてでなく、彼は普段からこのような態度をとる謙虚な人と表しています。
ですので、「1. 自分の所有物・能力・業績などについて多くを語ろうとしない」の使い方になるでしょう。
used to describe something, such as a woman’s clothes or behaviour, that is intended to avoid attracting sexual interest.
女性の服装や行動など、性的関心を引き付けるないよう意図したものを表す。
こちらは「4. 服装などが地味な・質素な」ですね。謙虚という言葉は、態度や行動だけでなく、派手でなく地味、豪華でなく質素をも表す言葉ということが分かります。
参考:Cambridge Dictionary “modest”
modestとhumilityの違い
modestと似た意味を持つ名詞「humility(ヒューミリティ)」という言葉があります。謙虚・謙遜・卑下(ひげ)の意味を持ちますが、modestとの違いは何なのでしょう。
modestを名詞の形modestyとして、humilityの比較をしてみます。
modestyで表す謙虚さは他人により関心を持っており、謙虚さを振る舞うのは他人から賞賛を受けるために自分の才能や業績などを軽視したものです。false modestyで”猫かぶり”(本性を隠しておとなしそうなふりをすること・知っていて知らないふりをすること)という言葉もあります。
一方humilityの謙虚さの場合、自分自身にこそ関心を持っています。自分の弱点を認識しそれを認めることを恐れません。従って、自分の強み、才能や能力を認めることを拒否する意味にはなりません。
「謙虚に」の英語表現
ここでは、謙虚に受け止めるなど「謙虚に」と言いたいときの表現をみていきましょう。この場合は、名詞以外の品詞を修飾する副詞を使います。
humbly
上で一番に紹介したhumbleを副詞にしたhumbly(ハムブリィ)で「謙虚に・謙遜して」を言い表すことができます。また、腰を低くして平身低頭で・控えめな態度で・みすぼらしくという意味も含んでいます。
以下、例文でhumblyの使い方を確認しましょう。
I humbly begged her forgiveness.
訳)私は謙虚に、彼女に許しを請ったんです。
He apologised humbly because he misunderstood and judged wrongly.
訳)彼は誤解し間違った判断をしたことを謙虚に謝罪しました。
「謙虚であれ」の英語表現
実業家・稲盛和夫氏の「常に謙虚であらねばならない」という言葉のように、謙虚さを忘れないことで自分自身の成長と周囲の人たちからの協力を得ることができるというのは真実でしょう。こんなとき「謙虚であれ」と表現します。
「謙虚であれ」の英語ですが、be+形容詞のパターンで表現できます。
ここまで学んできた単語を使い、Be humble/Be modestにすると、Be ambitious!(大志を抱け)と同じ形になり、語りかけるような言い方になります。稲盛和夫氏も謙虚であれ、と哲学を後人に伝えています。
I always want to be humble.(いつでも謙虚でいたい)という英文フレーズでも表現できます。
「慎ましい」の英語表現
慎ましい(つつましい)とは態度が控えめで遠慮深いことを言います。慎ましい性格という表現に加えて、慎ましい生活なら贅沢をせずに暮らすことになります。
「慎ましい」もhumble/modestが使えます。また、慎ましいには物静かな・消極的という意味も含まれることからquiet/reservedなどで表現されることもあります。
She is a modest person.
訳)彼女は慎ましい人だ。
My grandparents’ life was very humble.
訳)祖父母の生活はとても質素でした。
反対語「傲慢」の英語表現
最後に、謙虚の反対語である「傲慢」に当たる英語表現も簡単に紹介しましょう。
皆さん、形容詞arrogant(アロガント)という単語を知っていますか?傲慢・尊大・横柄・思い上がった態度といった意味を持ち、勘違いしてる人を表すのにぴったりの言葉です。自信を持つことはまったく問題ありませんが、その自信が人を見下したりと間違った方向だと人が離れていきます。arrogantはこのような人に使え、かなり強いニュアンスですので、使うときには少し注意が必要です。
I don’t like my boss because she is arrogant.
訳)傲慢なので、私は上司が好きではありません。
He became arrogant after he won the big competition.
訳)彼は大きな大会で勝った後、傲慢になった。
It’s important not to be arrogant but to be humble, even if you do well in your business.
訳)ビジネスをうまくやっているとしても、傲慢になるのではなく謙虚であることが重要です。
まとめ
謙虚はhumble・modest・humilityなどで表すことができます。反対語は傲慢のarrogantです。
何事にも自信をつけていきながらも謙虚さを持てる人になりたいですね!