今回のテーマは「紐」です。英語で紐を表す言葉は大きく3種類あり、それぞれにニュアンスが異なります。この記事では、それらの違いや、「紐を結ぶ、ほどく」の言い方、「靴紐」や「抱っこ紐」などの関連表現の言い方について、詳しく確認していきます。
これを読めば、英語で紐を的確に表現し分けることができますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「紐」は英語で何て言う?
「紐」を英語で表す際は、”string”、”cord”、”rope” の3種類の単語が使われます。一括りに紐といっても、それぞれに表す意味やニュアンスが異なるので、1つずつ詳しく確認していきましょう。
紐①:string
日本語の紐に最も近いイメージなのが “string” です。発音記号は「strɪŋ」で、カタカナ表記だと「ストリング」となります。
string は一般的な感覚で「細い」と感じる紐のことで、たとえば麻紐やギターの弦などを想像してもらえるとよいでしょう。これより細くなると、紐というより糸に近くなります。ちなみに、糸は英語で “thread(スレッド)” と言います。
I need to change the strings on the guitar.
訳)ギターの弦を張り替えなきゃ。
紐②:cord
“cord” は、string より太めのしっかりした紐を表します。ちなみに発音記号は「kɔːrd」で、カタカナだと「コード」です。
cord は、ちょっと引っ張ったくらいでは切れないと感じる紐で、たとえば電線やケーブル、荷造り用の紐などをイメージしてもらうとよいでしょう。
ちなみに、似たスペルの単語に code がありますが、こちらは「暗号」の意味なので、誤って使わないように注意しましょう。
When disposing of cardboard, it’s convenient to have some cord for bundling.
訳)段ボールを捨てるとき、まとめる用の紐があると便利です。
紐③:rope
“rope” は、cord よりもさらに太くしっかりした紐を指します。発音記号は「roʊp」で、カタカナだと「ロープ」もしくは「ロウプ」と聞こえます。
rope は強く引っ張っても切れないのはもちろん、刃物で切り裂くのも難しく感じる太さの紐です。そのため、紐というより「綱」や「縄」の方がイメージとしては近いでしょう。
ここまでに挙げた3つの表現を比較すると、太さを基準にして「string < cord < rope」の関係が成り立ちます。
とはいえ、どれくらい太ければ rope などと、明確な基準があるわけではありません。そのため、迷った場合は自分のイメージに合う単語を使えばOKです。
Someone, pull me up with a rope!
訳)誰か―、縄で引っ張り上げて―!
Grab onto this!
訳)これを掴めー!
It’s too thin! This is more like a string than a rope!
訳)ほそっ!これ、縄っていうより紐じゃん!
「紐を結ぶ」「紐をほどく」は英語で何て言う?
「紐を結ぶ」ことは英語で “tie(タイ)” を使って表します。tie はネクタイの語源にもなっている通り、何かを結ぶ意味の動詞です。前述した string、cord、rope それぞれに共通して使うことが可能です。
また、「紐をほどく」場合は “untie(アンタイ)” を使います。untie は tie の対義語で、「結び目(tie)をなくす(un)」と考えると、イメージが掴みやすいでしょう。
You can only untie a string that you’ve tied once.
訳)一度結んだ紐しかほどくことはできないんだ。
You’re saying it in a deep way, but that’s just common sense, right?
訳)なんか深そうな雰囲気で言ってるけど、当たり前のことだよね。
「靴紐」や「ヒモ男」など、色々な紐を英語で言ってみよう!
ここからは、「紐(ヒモ)」に関する表現を英語で何と言うか、さらに深掘りして確認していきましょう。
中には string、cord、rope のどれも使わない表現もあるので、英語で何と言うか、ぜひ考えながら読み進めてみてください。
「靴紐」in English
「靴紐」は英語で “shoelace(シューレース)” と言います。
ここで使われている lace は、糸を組んで作られた布地のことです。この機会にスニーカーなどに付いている紐を見てみてください。よく見ると、複数の糸が組み合った組み紐状になっていることがわかります。
なお、靴紐は細い紐なので shoe string と呼ぶこともありますが、shoelace の方が一般的です。
「抱っこ紐」in English
赤ちゃんを抱っこする際に使う「抱っこ紐」は、英語では “baby carrier(ベイビーキャリア)” か “baby sling(ベイビースリング)” と呼びます。
baby carrier は、しっかり両肩にストラップがあり、リュックを前にしたように赤ちゃんを抱っこできるグッズです。baby carrier という名前通り、赤ちゃん(baby)を運ぶ(carry)ことに特化しています。
その一方、baby sling は布1枚で赤ちゃんを包むタイプの、少し簡易的な抱っこ紐です。sling がもともと「ぶら下げる」という意味なので、運ぶためというより立ち止まった状態で抱っこするのに適したグッズだといえるでしょう。
以上のことからわかるのは、英語では日本語と違い、抱っこ用の「紐」とは捉えていない点です。日本語を直訳して holding string(抱っこするときの紐) や baby cord(赤ちゃん紐) などと言っても通じないので注意しましょう。
「ビニール紐」in English
荷造りや梱包でよく使う「ビニール紐」を英語で表現するなら、”plastic rope” と呼ぶのが適切でしょう。
まず、日本語ではビニール紐やビニール袋などと、柔らかいプラスチック製品には「ビニール」を付けますが、英語圏では硬くても柔らかくても plastic を付けるのが一般的です。ビニールに相当する “vinyl” という表現もありますが、少し専門的な響きになります。
また、ビニール紐は荷造りや梱包で使うものなので、太くて丈夫な rope がイメージにぴったりです。cord でも通じますが、string だと手芸用の細い紐のようなニュアンスになるので注意しましょう。
「ヒモ男」in English
自分では働かず、パートナーの女性に養ってもらう男性のことを日本語で「ヒモ男」と言いますね。なぜこのような状態をヒモと呼ぶかには諸説ありますが、有力な説として、海女さんが海に潜る間、腰に付けた紐を船上の男性が持つというのがあります。自分は紐を持つだけで、実際に働くのは海女さんだということから、現在のヒモ男のイメージに繋がったのでしょうか。
そんなヒモ男を英語で表すなら “kept man(ケプトマン)” が近いでしょう。ここで使われている kept は「飼う」を意味する keep の過去分詞です。つまり kept man とは、犬や猫などのペットのように、女性に飼われているも同然の男性という意味です。
賛否両論に分かれそうなところも、日本のヒモ男のイメージに似ていますね。
まとめ
今回は「紐」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
紐を表す英語表現は “string”、”cord”、”rope” の3種類で、左から右の順に太さや丈夫さが増すイメージで使われます。
とはいえ、「靴紐」や「抱っこ紐」などのように、日本語では紐の範疇なのに、英語では紐を表す単語を使わない表現もあるので、注意が必要です。
今回ご紹介したことを参考に、英語でも色々な紐を適切に呼び分けていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!