句と節の同じ点と違う点

語学の学習をするときには色々な文法用語が出てきて、どの言葉がどのような意味を持つのかがわからなくて困ってしまいがちです。英文法の参考書を開いてみると語というのがまず出てきて、その後に句と節の説明が続いていくのが一般的になっています。この流れに沿って句と節の共通点と相違点を対照していくことにより理解を図ってみましょう。

語とは何か

句と節について理解するためにまずは語とは何かを確認しておきましょう。語とは文を構成する最小単位のことで単語ともよく呼ばれています。

Aさん
I was impressed by the way he did.
私は彼のやり方に感銘を受けた。

この場合には、I、was、impressed、byといった単位が全て語になります。語を考えているときには周りにどんな語があるかは関係がないということは念頭に置いておきましょう。句や節を考える上では重要なポイントになるからです。

句と節の共通点

句と節の共通点はどちらも2つ以上の語によって構成されていて、その語の集まりによって意味を成していることです。2つ以上であれば3語であっても10語であっても構いません。この点が共通してしまっているために句と節の区別が難しいと感じているケースが多くなっています。ただ、句と節には明確な違いがあるので、区別方法をはっきりと理解しておきましょう。

句と節の相違点

句と節の違いは主語+述語(SV)の構造が含まれているかどうかです。SVの構造が含まれていない場合には句、含まれている場合には節と呼びます。以下の具体例を通して句と節を区別してみましょう。

Aさん
I found the cake made by my mother.
母の作ったケーキを見つけた。

Aさん
I saw the man who I talked with during the meeting.
会議で話をした男を見かけた。

Aさん
I gave him the interesting book I bought last year.
去年買った面白い本を彼にあげた。

Aさん
I sold the book written by a famous writer.
有名な作家の本を売った。

この4つの例文のでこの部分について見ていきましょう。1番目の例文ではSVの構造が含まれていないので句になります。なお、この例文は書き換えが可能で、受動態から能動態に書き換えることによって次のようになり、同じ意味を持つ節にできます。

Aさん
I found the cake made by my mother.
母の作ったケーキを見つけた。

2番目の例文ではI talkedというSVの構造が含まれているので節です。3番目の例文ではI boughtが含まれているので節になり、4番目の例文ではSVの構造がないので句ということになります。このように句と節を区別するだけならSVの構造があるかどうかを見るだけで良いのです。

句の種類と用法例

もう少し詳しく句について見ていきましょう。句は厳密に言えば名詞句、副詞句、形容詞句の三つに分類されます。複数の語のかたまりが全体として名詞、副詞、形容詞のどれに相当する形で使われているかによってどの分類になるかが決まります。冒頭で挙げたように句はその語の集まりによって意味を成していることが求められます。その意味が名詞、副詞、形容詞の三種類あると考えると良いでしょう。英会話でもどのパターンも登場するのでそれぞれについて例文を通して理解を深めておきましょう。

名詞句

名詞句はSVの構造が含まれない語の集まりで、全体として名詞として機能するものを全般的に指します。主語としても目的語としても用いることができます。

Aさん
To study English is very hard.
英語を学ぶのはとても難しい。

Aさん
It is interesting to have a talk about it.
この話題について話をするのは楽しい。

To study English、to have a talkという二つの句が名詞として機能しています。To study Englishは主語になっていて、to have a talkがitを受ける形で主語としての役割を果たしています。

副詞句

副詞句の場合には動詞や形容詞、文全体などを修飾する副詞として機能するのが特徴で、そのうちでSVの構造を持たないものになります。副詞句の利用パターンは多いですが、代表的な使い方を例文を通して確認してみましょう。

Aさん
He jumped up to avoid the rope.
彼はロープを避けるためにジャンプした。

Aさん
To tell the truth, I’m not sure. about it.
本当のことを言うと私はよくわからないんだ。

to avoid the ropeはjump upの目的を示す副詞となっています。To tell the truthは慣用句としてもよく用いられていますが、文全体を修飾する副詞としての役割を果たしています。このようなSVの構造を含まない複数の語からなるフレーズは一般的に副詞句になります。

形容詞句

形容詞句は形容詞のように名詞や代名詞などを修飾する目的で使用する、SVの構造を含まない語の集まりです。以下の例でどのような形になっているのかを見てみましょう。

Aさん
The pen on the table is my father’s.
テーブルの上にあるペンは父のものだ。

Aさん
Do you want something to eat or drink? about it.
何か食べたり飲んだりしたいものはありますか。

on the tableがThe penにかかり、to eat or drinkはsomethingにかかるという形で形容詞となっています。どちらの場合にも名詞や動詞は含んでいますが、SVの構造は含んでいないので句になります。

節の種類と用法例

節についても詳しく理解をして見ましょう。節も句と同じように名詞節、副詞節、形容詞節の三つに分類されています。全体として名詞、副詞、形容詞のどの機能を示しているかによって分類するという点も同じなので、具体的に例文を通して理解を図ってみましょう。

名詞節

名詞節はSVの構造を含んでいる語の集まりで、主語や目的語として用いることができることになります。名詞節の典型例を以下で確認してみましょう。

Aさん
The truth is that she is innocent. about it.
彼女が無実だというのは真実だ。

Aさん
I could not understand what he intended.
彼が何を意図していたのかを私は理解できなかった。

どちらのケースでもshe is、he intendedというSVの構造が含まれています。一つ目の例文では彼女が真実であること、二つ目では彼が意図していたことというのがそれぞれ目的語として用いられています。関係代名詞を使って一つの文を主語または目的語として用いるのが名詞節の用法として典型例です。

副詞節

副詞節はSVの構造を含み、動詞や形容詞、文を修飾する語の集まりです。以下の具体例でどのような形になるのかを見てみましょう。

Aさん
I got this award when I was a university student.
私は大学生の頃にこの賞を取った。

Aさん
He denied it because he did nothing on this matter. about it.
彼はこの案件に関係ないからそれを否定した。

よく用いられる文例として文全体を修飾する副詞としての副詞節です。一つ目の例文ではwhen I was a university studentがI got this awardを修飾して、どのようなときに手に入れたのかを説明しています。二つ目についてはHe denied itという彼が否定をした理由について、because he did nothing on this matterという形で説明する形の修飾をしています。

形容詞節

形容詞節もSVの構造を含むという条件を満たし、かつ名詞や代名詞などを修飾する形容詞として働く語の集まりです。よく用いられるパターンを紹介するので使い方を確認してみましょう。

Aさん
I have never seen the picture which she took.
私は彼女の撮影した写真を見たことがない。

Aさん
I lost the ring which I got from my father. about it.
父からもらった指輪を失くしてしまった。

一つ目の例文では、the pictureをwhich she tookで形容詞として修飾する構造になっています。一般的な写真全般ではなく、彼女が撮影した写真のみに限定する意味の修飾です。二つ目の例文では、the ringをwhich I got from my fatherという節で説明しています。この表現によってたくさん指輪を持っていたとしても父からもらった指輪だけに限定されることになります。

句と節について詳しくなって英文法に慣れよう

英文法を学ぶ上で句や節について理解するのは基礎の部分です。句と節をきちんと区別できるようになって上手に使いこなしていくことで美しい英語を使えるようになっていきます。名刺、副詞、形容詞という三つの用法が句にも節にもあるということを念頭に置いて、普段からどんな構造の英語表現をしているのかを意識していきましょう。