自分の生まれた家、お父さんお母さんのいる家が「実家」です。
日常会話で「この週末は子どもを連れて実家に行くのよ」なんて話すことがあります。
”house”や”home”という単語がありますが、実家の英語表現は知っていますか?
この記事では「実家」の英語を紹介します。自分にとっての実家に帰る、親御さんにとっての子どもが帰ってくる、加えて夏の帰省のようなフレーズを使えるようにしていきましょう。
「実家」の英語表現
さっそく、実家を英語ではどう表現するかから始めましょう。
英語で実家は”parents’ home”, ”parents’ house”や”parents’ place”で言い表わせます。言い表せるというのも、実家に当たる単語は英語にはないからです。しかし、「実家を表すのにこれら3つの表現は間違いではない」という感じで捉えてください。
日本では大学を卒業した後も、両親が住んでいる実家に住み続ける人が割と多いですが、欧米人と話していると、大学を卒業したら、経済的にも独立して「両親の家」から離れて住むのが当然という考え方を持っている人が多いことに気付きます。
日本でも実家から通えない大学に行った場合は、大学在学中から一人暮らしを始め、大学卒業後も独り立ちをして生計を立てていく人が多く、実家から通える大学に行っても、大学卒業後は独立して生計を立てていく人もいるので、人によりますね。
homeとhouseの違い
この機会に、”home”と”house”の違いについて軽く触れておきましょう。
”home”とはどこに住んでいるかという意味での家であり、He came home.(彼は帰宅した)などとして使われます。
一方、houseのほうは「住んでいる建物」としての家を指します。Her house is beautiful.(彼女の家は美しい)のように使います。先ほど紹介した「帰宅した」に関しては、”came home”を使うのが自然な英文ですが、あえて”house”を使って英文を作るとしたら、”He came back to his house.”と言うことができます。”his house”の前には、前置詞の”to”が必要ですが、”home”の前には前置詞は入りません。
ぜひ、使い分けができるよう理解しておきましょう。
「実家に帰る」の英語
さて、結婚した人が実家に帰る、子どもたちが実家で夕方まで過ごしたなどというとき、物理的に離れている実家に帰るということになります。「実家のご飯が恋しいなぁ」と週末に実家に帰る人もいるでしょう。
ちなみに、まだ実家で暮らしている人であれば、I live with my parents./I live at my parents’ house.というように実家暮らしを表現することができます。
注意!「実家に帰る」は元にいたところに戻るのではない
先に、「実家」に当たる英語表現は特にないことを述べました。「実家に帰る」「実家に帰った」と言うとき、このポイントを抑え、無理やり日本語を英語に当てはめることがないようにしてください。
もし、parents’ homeこそ実家だ、そこに帰るんだからgo back to one’s parents’ homeでは?と考える人がいたら、ここで一旦ニュートラルに戻しましょう。
”go back”はもちろん「帰る・戻る」の意味を持ちます。ある場所から離れていた後、そこに戻るのニュアンスを持っています。”return”も”go back” に似たようなコアイメージを持っていますが、「元いたところに戻る」と理解してください。
「実家に帰る」とは、一般的に自立、または結婚をして家を出た人が一時的に親や兄弟を訪ねる行動です。そこで、「元いたところに戻る」の意味の”return”ではないという点が見えてきたでしょうか?
「実家に帰る」の英語表現
では、実家に帰るよと言うときは、どのような英語になるのでしょう。
実家に行くことでできることは何かを考えると、シンプルな表現になることが分かります。
その表現とはいくつかあり、代表的なものとして以下をご覧ください。
- go to one’s parents’ house
- see one’s parents
- visit one’s parents
goは行く、seeで会う、visitで訪れる・訪問するです。実家にいる親に会いに行く、親を訪れることが実家に帰るということを表すのです。visit one’s parents’ placeにする必要もないくらいに”parents”がポイントになります。
以下、例文で確認しましょう。
I want to go and see my parents this weekend.
訳)今週末、両親に会いに行きたいな(実家に帰りたいな)。
He is missing his mum’s home cooking, so he will visit his parents tomorrow.
訳)彼はお母さんの手料理が恋しいので、明日両親を訪ねるつもりです(実家に帰るつもりです)。
How did you spend time on your holiday?
訳)休暇はどのように過ごしたの?
I went to my parents’ house and it was lovely.
訳)実家に帰ったんだけど、とっても良かったよ。
“see my parents”や”visit his parents”を使えば、1日、数日といった一時的な訪問であることを伝えられます。
そして、実家に数日滞在したと言いたい場合は、I stayed at my parents’ house for a few days.のように”stay”(滞在する)を使ってみましょう。
「~ぶりに実家に帰る」の表現
子供の立場から、「実家に帰る」という英語表現について詳しく見てきました。どういう表現を使うと、英語圏の人にも伝わる自然な表現になるか、お分かりいただけたのではないでしょうか。
次に、「~ぶりに実家に帰る」という表現について見ていきましょう。コロナ禍で、両親が住んでいる実家になかなか帰省できなかった人も多いのではないでしょうか。
新型コロナの感染拡大が世界的に始まったのが2020年で、約3年間その感染拡大が続き、ようやく落ち着いて、日本国内や海外との行き来も自由にできるようになってきました。
”… for the first time in ~ years”「~年ぶりに・・・」
「~年ぶりに実家に帰る」という英語表現には、”for the first time in ~ years”を使って文章を作ります。
「”for the first time”って「初めて」を意味する表現なのに、そこで使うのはおかしいのでは?」と思われるかもしれませんが、”in ~ years”は「~後に」という意味なので、一緒に使うと、「~年経って初めて…する」という意味になって、「~年ぶりに実家に帰る」という表現で使えます。
例文を見ていきましょう。
I went back to my parents’ house for the first time in four years the other day.
訳)先日、4年ぶりに実家に帰ったよ。
That’s great. Your parents must have welcomed you back home.
訳)すばらしい。ご両親はあなたの帰省を歓迎したに違いない。
Yes, they looked so happy to see me and my children.
訳)うん。両親は、私と私の子供たちに会って、とても嬉しそうに見えたよ。
”… for the first time in a long time”「久しぶりに・・・」
「久しぶりに実家に帰る」という英語表現には、”for the first time in a long time”が使えます。あまりにも長い年月が経ってしまって、「何年ぶり」というのをはっきり覚えていないシチュエーションもあり得ますね。そういった場合には、ぜひ”for the first time in a long time”を使ってみましょう。
例文を見てみましょう。
I hear from a friend of mine that you went back to your parents’ house for the first time in a long time.
訳)あなたが久しぶりに実家に帰ったと友達から聞いてるよ。
Yes, I did. I really enjoyed seeing my parents and old friends.
訳)そうなんだ。両親や旧友に会うのを本当に楽しんだよ。
「実家に帰ってくる」の英語
これまで子供の立場から実家に帰るについて見てきましたが、次に親の立場から「娘/息子が実家に帰ってくる」という場合もみていきましょう。皆さんはどのような表現になると考えますか?
日本なら夏休みや年末年始に、海外であればイースターやクリスマス休暇に実家で過ごすことが多いでしょう。迎える側の親御さんたちはお料理を作ったり、ベッドを整えて子どもや孫が帰ってくる日を楽しみにします。
「実家に帰ってくる」の英語表現
帰ってくると言いたいときのフレーズは「come back」にします。
さっそくですが、いくつか例文をみてみましょう。
We are looking forward to seeing our grand children. They will come back this weekend.
訳)孫たちに会えるの楽しみにしているの。彼らが今週末に帰ってくるのよ。
実家に帰る、実家に帰ってくるという会話をするときにぜひ使えるようになりたいフレーズがlook forward to XXingです。~を楽しみにしているの意味を持ち、実家で家族に会うことはもちろん、さまざまな楽しみを表すのに必須フレーズです。toの後は必ずXXingの形にすることをお忘れなく!
When my daughter and her 3 children came home, we went to a hot spring together.
訳)娘と子ども3人が帰ってきたとき、一緒に温泉に行ったのよ。
「ただいま!」と「おかえり」の英語
実家に帰ってきた子どもや孫がただいま!と言い、それにおかえり!と答えます。
この場合は、以下のフレーズになります。
We’re back!
訳)ただいま~!
Welcome back!
訳)おかえり!
「帰省」の英語
一時的に実家に帰ることを帰省と言います。実家に帰るという項で、元のところに戻るというニュアンスを持つ”go back”や”return”ではなく”see”や”visit”を使うことで短期の訪問を表せることも述べました。逆に”return”を使ったとしたら、ネイティブの友人はこの人は住居を引き払って実家に逆戻りしたんだと勘違いしかねません。
さて、帰省という名詞の英語表現は “homecoming”です。長い間留守をしていた後の帰宅、海外からの帰国というシーンで使えます。名詞として「帰省」を使えるシチュエーションであれば、ぜひ”homecoming”を使ってみましょう。
We should plan something nice for our son’s homecoming from England.
訳)イングランドからの息子の帰省に向けて、何か良いことをプランしないとね。
さらに、帰省と言えば多くの人が同時期に一斉にすることから帰省ラッシュなるものがあります。帰省ラッシュには “holiday traffic”、休暇の交通量(渋滞)のニュアンスで、学校の送り迎え時の渋滞なら”school traffic”と表します。
「戻ってきた」英語のスラング
続けてスラング表現についてもみていきます。「戻ってきた」と言えば”return”、なんだかブーメランみたいです(笑)
戻ってきたよ~とお母さんやお父さんに言うとき、外国人は単純にただいまではなくちょっとシャレを効かせた言い方をすることがあります。
そんなときのスラングフレーズに”Guess, who’s back?”があります。誰が戻ってきたか分かる?なんて分かりきった質問ですが、聞かれたほうもそれに合わせて驚いて分からないフリをします。そこには水戸黄門と同じで答えがわかっている安心感というか、家族ならではの微笑ましいやりとりが行なわれるのです。
人生はちょっとした会話でも楽しんだもの勝ちですね!
「生家」の英語
最後に英語、「生家(せいか)」について紹介します。生家とはその人が生まれた家を指します。ですので、実家を出た人にとっても実家=生家であるため、parents’ home, parents’ house, parents’ placeを使って言い表すことができます。そして、born(生まれた・誕生した)を追加してみましょう。
My Italian partner’s parents’ house, where she was born, is in Naples, Italy.
訳)イタリア人パートナーの生家はイタリアのナポリにあります。
My parents’ house, where I was born, has been demolished.
訳)私の生家は取り壊されました。
まとめ
- 実家に帰る:go to one’s parents’ house / see one’s parents / visit one’s parents
- 実家に帰ってくる:come back
- 帰省:homecoming
「実家に帰る」というとき、「実家」という日本語に捉われる必要がありません。そして、外国人は「両親に会いに行く」「一時的に訪問する」という表現をキーに使うことが分かりました。
また、「~ぶりに(実家に帰る)」という表現についても解説したので、機会があればその表現をぜひ使ってみてください。
英語では普段使う単語を使ってシンプルに表現することがある例になります。これら一つ一つ覚える作業をし、それを使ってみて、自然な英会話ができるよう近づいていきましょう。