英検2級は高校卒業レベルと言われていますが、高卒の人がほぼみんな英検2級の資格を持っているかというと、2級の資格保持者はそんなに多くないでしょう。2024年度からライティングに要約問題が追加され、2級合格はさらに難しくなったと言われていますが、2級に合格するためには、どんな対策をしていけばいいのでしょうか。

この記事では、「英検2級の熟語攻略!」というテーマで、熟語の覚え方や学習方法にも触れながら解説していきます。英検2級合格を目指している方や身近に英検2級合格を目指している人がいる方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。

英検2級熟語まとめ記事

英検2級の難易度とは?合格するために必要な英語スキル

2024年度からライティングに要約問題が導入され、大問1の問題数が3問減って、20問から17問になりました。その内訳は、単語問題が10問、熟語問題が7問で、2級の大問1では、17問中7問も熟語が出題されます。3問減らしたのは、単語問題だけで、熟語問題を減らさなかったので、このような内訳になっていると考えられます。

熟語問題は、過去10回のうち2、3回出題された問題もあれば、1回しか出題されていない問題もあります。英検2級対策の単語熟語テキストを使い、単語熟語をたくさん覚えるのもいいですが、過去6回問題集などで過去問をたくさん解くのも効果的だと考えられます。

繰り返し出題される2級熟語問題の特徴

2級熟語問題では、どんな問題が繰り返し出題されるのでしょうか。2級で出題される熟語のタイプは、大きく分けて2つに分類されます。

まず1つめは動詞+〇〇の問題。このタイプでよく使われる動詞は、make, take, go, fall などです。
もう1つのタイプは前置詞から始まる熟語です。例えば、in exchange for …「…と引き換えに」などです。このタイプでよく出る前置詞は、at, in, on, by, for の5つです。

2024年度の3回の2級過去問を確認しても、熟語問題はその2つのタイプに大別されることに気付くと思います。なので、動詞から始まる熟語と、前置詞から始まる熟語と、どちらもバランス良く覚えるようにしましょう。動詞から始まる熟語しか勉強していないと、前置詞から始まる熟語の問題で点が取れなくなってしまいますし、その逆も然りです。

動詞から始まる熟語で、よく使われる動詞があるとお伝えしましたが、その頻出動詞以外の問題も出ます。次の文や前の文と論理的に意味がつながる熟語を選ぶのがポイントです

熟語の意味だけをたくさん覚えてもそれを文の中でどう使うか、短文の意味がとれていないと得点できないというケースもあります。2024年度の過去問を例に挙げて解説します。

(12) (        ), Sam finishes his homework before eating dinner. Sometimes, however, he has too much to do and must continue it after dinner.

1  As a general rule                  2  In the long run
3  Over and over                    4  On the contrary

 

(13) A: Sorry I’m late for school again, Ms. Simmons. My alarm clock didn’t go off.
B: I’ve been patient with you (        ), Jamie, but this is the last time. Next time, I’m going to call your parents.
1  up until now                  2  up in the air
3  at the bottom                 4  at the same time

 

(14) When Jason and his friends go to play baseball in the park, his little sister goes with them and (        ) the score in her notebook.
1  makes sense of                2  keeps pace with
3  keeps track of                 4  makes do with

2024年度 2級第1回問題より抜粋

(12) では、次の文「しかし、時々…」とつながるように、1  As a general rule「原則として」を選びます。

(13)はAが「また遅刻してごめんなさい。目覚まし時計が鳴らなかった」と言っており、Bは「(   )あなたに我慢してきたけど、これが最後だ」という文で、空所に入るのは1 up until now「今まで」です。up in the air は「まだ決まっていない」という意味です。

(14)は「ジェイソンと彼の友達が公園へ野球をしに行くとき、彼の妹は彼らと一緒に行き、彼女のノートに点数の(    )」という文で、空所に入るのは3  keeps track of 「~の記録をつける」です。この熟語は「跡をたどる」という意味もありますが、この文では「記録をつける」という意味です。

ただ単に英熟語の意味を日本語で覚えれば、問題が解けるというものではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

英検2級熟語の覚え方

英検2級熟語の覚え方

熟語は、前置詞と一緒になってできているものが大半なので、in/out(中に/外に), into(内部に), for(ために、向かって、行きの), on/off(上に/離れて)など、前置詞の持つ意味やニュアンスを意識しながら覚えると、覚えやすくなり、忘れづらくなります。
動詞から始まる熟語で、in と結びついたものの例を挙げてみます。

英熟語 日本語訳
turn in 提出する
hand in 提出する
check in チェックインする

in(中に)というニュアンスが入っている熟語になっています。他の前置詞を使っている熟語についても、元の前置詞の意味が熟語に入っているので、意識しながら熟語を覚えていくようにしましょう。

英検2級熟語の学習方法

英検2級熟語の学習方法

英検2級熟語の学習方法は、やはり専用の2級単語熟語のテキストを使って、熟語を覚えるのがおすすめです。熟語を覚えるのにおすすめの4冊を紹介します。

英検2級出る順パス単 5訂版
英検単語集の超定番「でる順パス単」を利用する場合は、最新版を使うようにしましょう。英検の出題傾向が変わるので、数年ごとに改訂されています。古いバージョンを兄弟姉妹などから譲り受けても、最新の出る順になっていない可能性が高いので、最新版を買い直した方がいいかもしれません。

「でる順パス単」のアプリ「英語の友」をスマートフォンに入れて、音声を聞きながら、単語熟語を覚えていくのもいいでしょう。

英検2級 でる順パス単 クイックチェック
『英検2級 でる順パス単[5訂版]』に収録された単熟語を「解いて覚える」ためのチェック問題集です。「でる順パス単」のテキストを見たり音声を聞いたりするためでは、なかなか単語や熟語が覚えられない方には、「解いて覚える」というやり方が効果的かもしれません。「英検形式にチャレンジ!」というコーナーもあるので、実戦的に問題を解いて、単熟語を覚えていきましょう。

出る順で最短合格! 英検2級単熟語EX 第2版
2023/10/05にジャパンタイムズ出版から発売された 出る順で最短合格! 英検2級単熟語EX 第2版 は、15年分の過去問題が徹底分析されています。最新の出題傾向に沿った必要かつ十分な約2,000語が掲載されています。語彙力をさらに伸ばす類義語、反意語、派生語情報が満載です。

2025年度版 英検2級 過去6回全問題集
2024年度第1回・第2回の問題も収録されており、2024年度の出題リニューアルに対応しています。

2025年度から準2級と2級の間に導入される「準2級プラス」の英検公式サンプル問題とその解答、訳、解説をWeb特典で見られます。

まとめ

英検2級の熟語攻略というテーマで解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

英検2級の熟語問題の出題傾向は、年々多彩になってきています。100語未満の熟語だけを覚えて試験に臨んでも、覚えたものが出なければ、得点には結びつきません。

英検上位級は、年々出題傾向が多彩になっているという事情を知っているので、覚えるべき単熟語を数百語や100語未満に絞って、「これだけ覚えておけば合格できる」とおすすめするのは気が進みません。

この記事で紹介した単熟語のテキストを使って、何度も繰り返して単熟語を覚えていくのをおすすめします。高校卒業レベルと言われる英検2級に合格するためには、地道な努力を積み重ねなければなりません。戦略を持って、努力を積み重ねていけば、合格できると思います。合格目指してがんばりましょう。