「閾値」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。あまり聞き馴染みがない言葉なので、具体的にどういった意味かわからない方も多いでしょう。
そこで、今回は「閾値」はどういった意味なのかを解説します。さらに、「閾値」を表す英語表現や、英語例文を紹介します。

「閾値」はどういう意味?

「閾値」とは、ある現象や過程の起点や境界を意味する言葉です。一般的には「しきい値」と訳されることが多いですが、「閾値」と呼ぶこともあります。
「閾値」という言葉は、さまざまな分野で用いられており、たとえば物理学や化学、統計学、流体力学、信号処理、情報理論、心理学や生物学などで使われています。

ただし、それぞれの領域によって、「閾値」が持つ意味合いは少し異なります。
たとえば、物理学における「閾値」は、ある現象が発生するために必要な最小限のエネルギー、もしくは最小限の入力値のことを意味するのが一般的です。
また、生物学においては、ある温度や濃度、または信号の強度が特定の値を超えることによって反応することを意味します。

「閾値」を明確に定義することは難しく、文脈や会話の流れに応じて、解釈しなければなりません。

「閾値」は英語でなんて言うの?

「閾値」は英語でなんて言うの?

「閾値」はあまり聞き馴染みがなく、具体的にどういった意味なのかわからない方も多いでしょう。さらに、英語ではどのように表現するのか知らない方もいるでしょう。

「閾値」は英語で、”threshold”といいます。聞いたことがない方が多いかもしれませんが、科学系の研究をしている方や、金融業界で仕事をしている方は見たり、聞いたりしたことがあるでしょう。
“threshold”は数学、物理学、工学、環境学、金融業界など、さまざまな分野で使用されており、業界によって使う場面や意味合いが異なります。

金融業界においては、特定の財務指標がある値に達したとき、株価が上がる傾向があるなど、「閾値」が重要な意味を持ちます。
一方、環境学においては、特定の物質の濃度が一定量を超えると、その地域の生態系に影響を与えることがあるので、「閾値」の監視が必要とされています。

「閾値」の概念は、データサイエンスにおいて重要であり、たとえばある閾値を超えるまで待たないと分析の意味がないような場合であっても、その「閾値」を引き締めることができます。
なお、データサイエンスで「閾値」を使用すれば、最適な条件を見つけるための必要な情報を得ることが可能です。

ビジネス用語としての「閾値」の正しい英語表現と解釈

「閾値」は、ビジネスや経済の分野でも使用されることがあります。そもそも「閾値」は、ある特定の値に到達することで、何かが起こったり、解決策が現れたりすることを意味しています。
たとえば、売上が一定の数字に達すると、その企業は新しい市場に進出することができるといったニュアンスで使うことが多いでしょう。

「閾値」は英語で”threshold”であり、ビジネスシーンでも使用することは少なくありません。とくに外資系企業や、海外取引が多い企業では、しばしばコミュニケーションの中で使用することがあるでしょう。

ビジネスシーンでは、普段聞き馴染みのない言葉がたくさん出ることがあります。そのため、仕事で英語を活かしたい方は、ビジネスシーンに特化した英語学習をおこなうことがポイントです。また、最近はビジネス英語を向上させるためのレッスンを開講しているオンライン英会話サービスもあるので、そういったサービスを活用するのもいいでしょう。

医療・科学分野で使われる「閾値」の英語表現と解釈

「閾値」といった難しい英語は覚えるべき?

医療や科学分野では、特定の数値が、さまざまな判断基準となっています。基準を超えると、病気や障害が存在していると判断でき、その基準値を「閾値」と呼ぶことがあります。

英語では”threshold”と訳されますが、実際の英文を見てみましょう。

  • “When the amount of protein in urine exceeds a certain threshold, kidney disease is suspected.”
    「尿中タンパク質の量が一定量を超えた場合、腎臓の病気が疑われる」

この文章の場合、「一定量」という値が「閾値」です。

そのほか、よく使われる閾値の例としては、糖尿病の診断に用いられるグルコース値、発熱や炎症による白血球値の上限、化学物質や放射線などに曝露された場合の健康への影響判断基準などがあります。これらはすべて、英語で”threshold”と表現されます。

【「閾値」を使ったほかの例文】

  • The non-vibration temporal threshold is smaller than the vibration temporal threshold.
    「無振動時の閾値は振動しているときの閾値よりも小さいです。」
  • In this method, an upper threshold and a lower threshold are provided.
    「この方法においては、上側の閾値と下側の閾値が設定されます。」
  • This is the one of ways how we get the current error thresholds.
    「これが、現在のエラー閾値を知る方法の一つです。」

少し専門的な内容で使うことが多いので、ピンと来ない方もいるかもしれませんが、だいたいのニュアンスやイメージを掴めれば問題ありません。

「閾値」といった難しい英語は覚えるべき?

医療・科学分野で使われる「閾値」の英語表現と解釈

「閾値」とは、ある現象や過程の起点や境界を意味する言葉であり、主にビジネスシーンや医療・科学分野で使われています。

そのため、日常生活で聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか。また、日本でもどういった意味なのか、あまりイメージがつきにくいので、英語を覚える必要があるのか疑問に思われる方もいるでしょう。

たしかに、「閾値」は日常生活において頻出する言葉ではないので、覚えていなくても、そこまで支障はありません。しかし、英語のスキルが上がっていくと、求められる英語力や単語力が上がるので、「閾値」などの難しい言葉を知っておいたほうが得することもあります。

また、TOEICやTOEFL、英語検定などでも、レベルが上がっていくと、「閾値」”threshold”という言葉が出てくる可能性があります。

したがって、より高いレベルを目指したい方は、「閾値」などの難しい英語も覚えておくことをおすすめします。

まとめ

今回は「閾値は英語でなんて言うの?」をテーマに、「閾値」とはどういった意味なのか、英語ではどうやって表現するのかを解説しました。「閾値」はさまざまな領域で使われる言葉ですが、それぞれの領域によって意味合いが異なります。
ただ、英語では“threshold”と表現でき、その一単語さえ覚えておけば、いろいろなところで使えるでしょう。

また、今回は「閾値」などの難しい英語を覚えるべきかについても紹介しました。難しい英語は日常生活において使う頻度は少ないかもしれませんが、英語力が上がるにつれ、難しい英語を使うシーンが増えていきます。

そのため、今よりも英語力をアップさせたい方は、参考書や単語帳に加え、英会話や英作を通して「閾値」などの難しい英語もしっかりと学習するようにしましょう。