中世の面影をそのままに残す美しい街、ブリュージュ歴史地区(Historic Centre of Brugge)。絵本から飛び出してきたかのようなこの街は、世界中の観光客を魅了しています。
この記事では、ベルギーの世界遺産「ブリュージュ歴史地区」の歴史や見どころを英語フレーズを交えてご紹介します。
ブリュージュ歴史地区の基本情報

ベルギーの首都ブリュッセルから鉄道で約1時間、ブリュージュ歴史地区へはブリュージュ駅から徒歩約20分。
ブリュージュ歴史地区の魅力をみていきましょう。
中世そのままの街並み
ブリュージュは、中世ヨーロッパの街並みがそのまま残されています。14〜15世紀にかけて栄えた都市の姿が、現代にそのまま残っているのです。石畳の道、三角屋根のギルドハウス(商人の建物)、レンガ造りのゴシック様式の建物が街のいたるところに残っています。
天井のない美術館
ブリュージュは「天井のない美術館(an open-air museum)」とも称されます。その理由は、街そのものが芸術作品のように美しいからです。
夕暮れ時のブリュージュは特に幻想的で、黄金色の光が街を包み込みます。
運河に囲まれた街
ブリュージュは「北のヴェネツィア」と呼ばれることもあります。市内を網の目のように張り巡らされた運河が流れているからです。
運河クルーズでは、陸からでは見られない角度から街を楽しむことができます。水の上から見るブリュージュの風景は、陸からとはまた違った魅力を味わえます。
ブリュージュ歴史地区の英語フレーズ
ベルギーは隣国に支配された歴史から、オランダ語・フランス語・ドイツ語の3つの公用語があります。しかし、英語を話せる人も多く国際的な国です。
ブリュージュ歴史地区の英語を紹介
英語では「ブルージュ」と読みますが、ベルギーではオランダ語の「ブルッヘ」か、フランス語の「ブリュージュ」で呼ばれます。
旅行先での会話にも使える、ブリュージュに関する英語表現をご紹介します。
訳)ブリュージュ歴史地区は、中世ヨーロッパの街並みが残っていて、まるで絵本の世界のようです。
訳)ブリュージュ歴史地区では運河クルーズがおすすめです。運河から眺める風景もすてきです。
これらのフレーズを使えば、英語で旅の魅力をしっかり伝えることができます。
ブリュージュ歴史地区が世界遺産になった理由は?

ブリュージュ歴史地区が世界遺産になった年
ブリュージュの歴史地区には3つの世界遺産があります。
歴史地区エリアとして、2000年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。登録の正式名称はHistoric Centre of Bruggeです。
また、「ベギン会修道院」は1998年に「フランドル地方のベギン会修道院群」として、そしてマルクト広場にある「ブリュージュの鐘楼」は1999年に「ベルギーとフランスの鐘楼群」として、それぞれ世界遺産に登録されました。
訳)ブリュージュ歴史地区は、2000年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
ブリュージュ歴史地区が世界遺産になった理由
主な理由は以下の3点です。
訳)理由の1つは、中世の都市構造が保存されていることです。
訳)ヨーロッパの文化・芸術・経済の中心だった歴史的意義も理由に挙げられています。
訳)3つ目の理由は、ゴシック建築が多数残され、都市と自然との調和が取れていることです。
ブリュージュ歴史地区の歴史
ブリュージュの歴史は9世紀にさかのぼります。運河を通じて交易都市として繁栄しました。13~15世紀にかけては、ハンザ同盟の中心都市として、毛織物貿易で急成長しました。
しかし16世紀以降、運河の土砂堆積によって港湾都市としての機能が衰え、次第に時代に取り残されていきます。その結果、中世の姿を現代まで保存することに成功し、今なお観光都市として世界中の人々を魅了しています。
ブリュージュ歴史地区のおすすめスポット

世界遺産:ブリュージュの鐘楼(Belfry of Bruges)
13世紀に建設されたゴシック様式の鐘楼です。高さ約83メートルの塔で、街のシンボル的存在。階段は366段ありますが、上からはブリュージュ歴史地区を一望できます。
世界遺産:ベギン会修道院(Beguinage)
1245年、フランドル侯爵夫人によって設立された静かな修道院。中世の独身女性たちの自立支援のための共同生活施設。白壁の建物が静かに佇む様子は、心を落ち着かせてくれます。
聖母大聖堂(Church of Our Lady)
13世紀にトゥルネー風ゴシック様式を用いて建てられました。ミケランジェロ作「聖母子像」の彫刻があることで有名。教会内部も美しく荘厳な雰囲気です。
聖血礼拝堂(Basilica of the Holy Blood)
ブルグ広場の市庁舎の右隣にあり、イエス・キリストの聖血が保管されているとされる礼拝堂。ロマネスク様式とゴシック様式が融合した美しい教会です。
聖サルバトーレ大聖堂(St. Salvator’s Cathedral)
ブリュージュ最古の教会のひとつ。荘厳なゴシック様式の内部と美しいステンドグラスが魅力です。
マルクト広場(Market Square)
カフェやレストランが並ぶ、街の中心広場。市民や観光客でにぎわい、鐘楼もここにあります。「マルクト」はオランダ語で「市場」を意味します。
12月にはクリスマス・マーケットが催され、私が訪れた時にもクリスマス一色で、現地の家族連れや観光客でにぎわっていました。
市庁舎(City Hall)
1376年に建てられたゴシック建築の市庁舎。内部には豪華な「ゴシックの間」があり、壁画と木彫りの天井が見どころです。
メムリンク美術館
ブリュージュ歴史地区には、小さな美術館がたくさんありますが、特に有名なのはメムリンク美術館とグルーニング美術館です。
メムリンク美術館は、かつての病院を改装した美術館で、15世紀の画家、ハンス・メムリンクの宗教画が展示されています。
まとめ
ブリュージュ歴史地区は、中世の物語に入り込んだような気分にさせてくれる街です。世界遺産としての価値だけでなく、美しい街並み、歴史的価値が魅力的です。
ベルギーはチョコレートやレースでも有名で、ムール貝もおいしいので、観光や食べ歩き、買い物も楽しめる街です。
英語を学びながら世界を旅する楽しさを、ブリュージュで味わってみてください。
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