英検は、英語スキルを身につけるために7つの級が設定されている英語検定試験です。小学生から社会人まで幅広い年齢を対象とし、入試や就職などでも優遇されます。英検は各級ごとに筆記・リスニング・スピーキング・面接などの試験形式で行われるのが特徴で、自分の英語力に合わせてステップアップして受験することができます。この記事では、英検の特徴とメリットについて解説します。

英検とは?

英検は国内で最大規模となる英語検定試験です。正式名称は実用英語技能検定といいます。主催は日本英語検定協会であり、文部科学省の後援を受けている試験です。毎年小学生から社会人まで250万人もの受験者が集まります。英検は全部で7つの級に区分され、上級から初級まで自分の英語スキルに合わせてチャレンジすることができるのがポイントです。英検は筆記テストによる「読み」「書き」のみではなく、「話す」「聞く」を合わせた4技能を測定します。より総合的な英語力を検定する試験として有名です。その他の特徴として、英検の検定試験はオリジナルの試験問題が作成されています。

英検は、知名度の高い英語検定試験であり、信頼度も高いです。また検定料が比較的安いため、誰でも気軽に受験できる試験としても知られています。

学習のモチベーションを高めるための目標として受験したり、自分の英語力を把握するために受験したりと様々な目的で活用できます。英検以外にも英語検定試験は多数ありますが、それぞれ判定する能力が違ったり試験の特徴が異なったりしますので、自分の目的に合った検定試験を受けるようにしましょう。

英検は、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4技能テストです。出題傾向も日常英会話からビジネスまで幅広い場面や話題であるのが特徴です。

ちなみにこれに対して、TOEICテストという試験があります。これはビジネスシーンでの話題に特化しており、就職や転職時などに向いている検定試験です。TOEICテストはリスニングとリーディングを判定するテストと、スピーキングとライティングを判定するテストの2つに分かれています。4技能を判定する場合には、2種類のテストを受けなくてはいけないため注意が必要です。

その他、TEAPという試験もあります。TEAPはやや難易度が高く上級者向けであり、大学入試に必要な英語力を判定する試験です。TEAP利用型入試を導入している大学も多く、TEAPで大学の目標スコアをクリアすれば英語の入試試験が免除されます。このように英語検定試験にはいくつかの種類があり、それぞれ出題傾向や難易度も異なります。

各級の出題形式と受験目安について

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英検を受験する際には、自分の英語レベルを考慮することが重要です。英検は全部で7つの級に分かれています。

上から

です。

1級は大学上級程度の英語レベルが必要であり、様々なシーンで英語を理解し使用できるかどうかを判断されます。

試験は筆記・リスニング・面接です。二次試験では2分間のスピーチとスピーチ内容に関しての質疑応答があり、英語を用いたコミュニケーション能力も求められます。1級の二次試験では、面接委員が、英語ネイティブ1名と日本人の面接員1名の2名になります。

準1級は大学中級程度のレベルで、2級と1級の中間ぐらいのレベルとされています。

試験は筆記・リスニング・面接です。一次試験ではエッセイ形式の英作文問題などが出題され、知識としての英語に加えて実践的な英語力を試されます。二次試験の試験時間は約8分で、4コマのイラストの展開を説明するナレーション、イラストに関連した質問への回答、カードのトピックに関連した内容についての質問への回答で構成されます。

2級は高校卒業程度の英語レベルが必要です。

筆記・リスニング・面接を通じて、社会性のある英文読解能力やコミュニケーション能力を判定します。面接は面接委員との個人面接で、発音や文法、面接を受ける意欲や態度などがポイントです。

準2級のレベルは高校中級程度で、筆記・リスニング・面接をうけます。長文の穴埋め問題などが出題され、入試対策として受験する人も多いです。

3級の受験目安は、中学卒業程度のレベルです。

試験形式は筆記・リスニング・面接です。二次試験の面接ではスピーキングテストとして、自分の考えを英語で表現して伝えることができるかを判定されます。

4級は中学中級程度レベルです。

身近なトピックが題材として扱われる読解問題があります。試験形式は筆記・リスニングとなり、4級と5級は面接は実施されません。

5級のレベルは中学初級程度ですので、英語初心者や基礎の確認に最適です。

試験形式は筆記・リスニングで、家族や趣味などより身近な話題について出題されます。

4級と5級の合否は筆記とリスニングによって判定されますが、希望者は録音形式のスピーキングテストの受験が可能です。スピーキングテストは独立した別のテストであり、4級と5級の合否に関係なくスピーキングテストを受験することができます。合格スコア以上ならスピーキングテスト合格の資格が認定されるのが特徴です。

また、英検の試験は一次試験免除という仕組みがあります。1級~3級までは、一次試験と二次試験に分かれています。一次試験に合格した受験者だけが二次試験を受けることができるので注意してください。一次試験を合格して二次試験で不合格になった場合には、1年間一次試験が免除になります。次回受験する場合には、一次試験を受ける必要がありません。免除の対象になる際には一次試験免除申請を忘れずに行いましょう。また英検はダブル受験も可能です。条件としては同一試験会場で実施される級であること、隣り合う級であることです。級を飛ばしてダブル受験することはできません。

ダブル受験をすることで、一つ上の級にも挑戦できるため腕試しとして活用する人も多いです。

英検のメリット

英検には様々なメリットがありますが、その中の一つが細かいグレード分けです。7つの級に分かれているため、英語レベルに合わせた学習目標として設定しやすくなっています。英語初心者なら5級から、一つ一つ上の級を目指してステップアップしていくのがおすすめです。中級者~上級者は2級から挑戦し始めるなど、色々な受験の仕方を選ぶことができます。また英検はリスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4つの技能を総合的にテストするバランスの良い試験であり、英語スキルの向上に最適です。

英検の一次試験の問題は公開されているので、受験後に自分で答え合わせや問題の復習などができます。どの問題を間違えたのかが明記された詳細な成績表が届くため、自分の弱点などを確認することも可能です。成績表には学習のアドバイスも記載されているので、次回に向けての学習プランの参考にもなります。試験問題に取り組み、受験後も復習することで英語学習を伸ばすことができるのもメリットです。英検を受けることで自分の英語レベルを把握し、効率よく学習を進めていくことができます。さらに英検は年に3回開催されるため、自分の好きなタイミングで受験することができるのも利点です。

試験会場も学校や公民館など地域ごとに設定されているので、遠方の試験会場まで足を運ぶ必要がなく受験しやすくなっています。受験料も高額ではないため、小学生や学生でも気軽にチャレンジしやすいのもメリットです。3級からはスピーキングスキルも測定でき、上級になればなるほど大学受験や就職・転職時に活かすことができます。

英検資格を大学入試で利用

英検資格を大学入試で利用

大学受験で英検の資格を利用できる大学の数は、かなり多いです。

私立大学の大学入試の場合、2級以上の資格を持っていると、出願資格や得点換算・加点で活用できる大学が多数あります。

英検2級以上の利用の種類

英検利用の受験にはいくつか種類がありますが、まず、その方式について紹介します。

下記の4つの種類があります。

  1. 出願資格(出願が可能になる)
  2. 得点換算(取得スコアが入試の英語のテストに換算される)
  3. 加点(指定の点数が加算される)
  4. 試験免除(英語の入学試験が免除される)

たとえば、青山学院大学では、一般選抜における英検利用はありませんが、推薦入試では、総合文化政策学部総合文化政策学科・地球社会共生学部地球社会共生学科で出願でき、自己推薦入試(海外留学、ボランティア、スポーツ)では、地球社会共生学部地球社会共生学科のみが英検2級以上で出願可能になります。

上智大学では、推薦入試と一般選抜で英検が活用できます。推薦入試(公募推薦のみ)の場合、英語関係の学部以外は「2級」もしくは「2級A」を持っていたら、出願資格が与えられます。出願条件としては難しいものではなく、出願基準をクリアできる学生が多いので、とても競争率が高くなっています。

早稲田大学では、一般選抜だと国際教養学部国際教養学科で、英検2級以上を持っていると出願できて、英検2級なら7点の加算、英検準1級なら14点の加算、英検1級なら20点の加算が行われます。商学部、文化構想学部、文学部の一般選抜で、英検2級以上を持っていると、英語4技能テスト利用方式を利用することも可能です。推薦入試では、社会科学部社会科学科・国際教養学部国際教養学科・基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部・人間科学部の全ての学科で級指定なしで出願できます。

慶應大学では、一般受験では英検利用型入試はありませんが、推薦だと、法学部法律学科・法学部政治学科・総合政策学部総合政策学科・環境情報学部環境情報学科で級指定なしで出願できます。

大学によって、英検利用の種類が違っていて、複雑なため、自分の受験したい大学が英検資格を利用しているかどうか、利用していたら、どの種類を採用しているかを確認しましょう。上記の例を見る限り、英検2級以上の資格を出願資格としていたり、加点にしていたりする大学がたくさん見受けられます。

2024年度 英検問題形式リニューアル

2024年度から、英検問題形式がリニューアルされます。3級以上の級(1級、準1級、2級、準2級、3級)について、ライティング(英作文)問題が、1問から 2問に変更されるのが大きな変更点です。

英検で3級以上を受験される予定の方は、英検の公式サイトで、どんな変更があるのか、英検公式サンプル問題なども含めてしっかりチェックしておきましょう。

ライティング問題の変更点について、概要をまとめると、以下の表のようになります。

一次試験 二次試験
筆記試験 Listening Speaking
Reading Writing 試験時間
1級 41問→35問

・大問1:短文の語句空所補充
→3問削除(単語問題)

・大問3:長文の内容一致選択
→3問削除(設問No. 32-34)

英作文問題の出題を
1題から2題に増加既存の「意見論述」の出題に加え、
「要約」問題を出題
変更なし
(100分)
変更なし 変更なし
準1級 41問→31問

・大問1:短文の語句空所補充
→7問削除(単語問題)

・大問3:長文の内容一致選択
→3問削除(設問No. 32-34)

変更なし
(90分)
変更なし 受験者自身の意見を問う質問(No. 4)に話題導入文を追加
2級 38問→31問

・大問1:短文の語句空所補充
→3問削除(文法問題など)

・大問3B:長文の内容一致選択
→4問削除(設問No. 30-33)

変更なし
(85分)
変更なし 変更なし
準2級 37問→29問

・大問1:短文の語句空所補充
→5問削除(熟語・文法問題など)

・大問3B:長文の語句空所補充
→3問削除(設問No. 28-30)

英作文問題の出題を
1題から2題に増加既存の「意見論述」の出題に加え、「Eメール」 問題を出題
時間延長
(75→80分)
変更なし 変更なし
3級 変更なし 時間延長
(50→65分)
変更なし 変更なし

参考:問題形式リニューアル 特設サイト

Kiminiオンライン英会話の英検コース

英検合格

Kiminiオンライン英会話にも英検コースがあり、高い合格者実績を誇り、好評をいただいております。

どのような英検コースがあるか、紹介させていただきます。

英検®合格コース

英検®コースは英検合格のための特訓コースで、英検®5級合格コース英検®4級合格コース英検®3級合格コース英検®準2級合格コース英検®2級合格コースの5コースが用意されています。

いずれも、学研の人気書籍「英検をひとつひとつわかりやすく。」シリーズをもとにしたコースです。

英検合格に必要な語彙や文法の学習に加えて、学んだ内容を実際の会話で使うことで「話す・聴く・書く・読む」の4技能が身に付きます。

英検の公式サイトで過去3回分の問題が掲載されており、その過去問を解いて訓練することは必要なのですが、いきなり過去問に取り組んでも、単語・熟語や文法を勉強していないと、なかなか点数が取れません。

たくさん過去問を解いていたら、そのうち点数が伸びて合格できるだろうと考える方もおられるかもしれませんが、各級に必要な単語・熟語を先に覚えて、文法をしっかり勉強してから、過去問を解いた方が効率よく合格できます。

英検合格のための単語・熟語、文法を教えている塾は増えていますが、たくさんプリントを配布したり、ネット上の教材をパラパラ利用したり、まとまったいい教材を提供できている塾は少ないです。その点、学研Kiminiオンライン英会話では、英検合格のための要点を押さえた予習・復習教材がしっかりと準備されています。

英検®二次試験対策コース

英検®コースの3級以上のコースには、二次試験対策も含まれていますが、二次試験対策コースのみを受講したい生徒さん向けに、本コースが用意されています。

英検®3級合格コース英検®準2級合格コース英検®2級合格コース英検®準1級合格コースの4コースが用意されています。

レッスンでは、各級の模擬試験を行い、講師からフィードバックがあります。1回目の模擬試験は何の準備もなく行い、どれぐらいできるかテストする感じですが、模擬試験後のフィードバックで、どこができていないか、何を改善したらいいかを講師が分かりやすく説明してくれます。そして再び同じ問題に取り組んで練習していただきます。

各級につき全8レッスンで、いつ二次試験があるかによって、試験前にどれぐらいの頻度で二次試験対策コースを受けるかを自分で設定することができます。

英検に挑戦しよう!

英検は、年齢問わず英語スキルを伸ばしたい人に最適な検定試験です。

英検にチャレンジすることで、英語力を伸ばすために必要なリスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4技能をバランスよく学習することができます。

特に3級からは面接試験が実施され、自分の考えを英語で伝える練習にもなるのでおすすめです。