日本には「大統領」という存在が居ないため、いざ英語で表現しようとすると、何て言えば良いかわからず戸惑ってしまいますよね。

ということで、今回のテーマは「大統領」。ひとくちに大統領といっても、三人称的に表現するのか、直接呼びかけるのかによって、呼び方に違いがあるんです。

また、大統領以外にも「首相」や「閣下」、「元首」などを表す表現についても詳しく確認していきます。これを読めば、各国要人を英語で表現できるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「大統領」は英語で何て言う?

「大統領」は英語で何て言う?

「大統領」は英語で “President” と言います。発音記号は「prézədənt」、カタカナだと「プレジデント」です。

president の語源は「前(pre-)に座る(sit)する人(-ent)」で、組織の決定権を持つ人(長)を表します。そのため、大統領以外にも社長や会長、議長などの意味がありますが、大統領という意味のときは必ず語頭が大文字の President となります。

基本的に、語頭が大文字になるのは「世界に1つしか無いもの」を表すときです。大統領というのは、国単位で見たら1人しか居ないため大文字で表現するようです。ちなみに、自国の大統領はそのまま President、他国の大統領の場合は the President of 〇〇とするのが通例です。

Aさん
Do you know the name of the President of the US?
訳)アメリカ大統領の名前を知っていますか?
Bさん
Yes. He is John Fitzgerald Kennedy.
訳)うん、ジョン・エフ・ケネディでしょ。

 

Aさん
Did you come from the past?
訳)過去からやって来たの?

大統領に呼びかけるときは何て呼ぶ?

大統領に直接呼びかける際は、”Mr. President” と言います。

日本でも「総理」や「〇〇長官」などに呼びかける際、いちいち名前を添えることは稀ですよね。それと同じ感覚で、大統領に呼びかける際は “President Biden(バイデン大統領)” などと名前を添えずに Mr. President と呼びます。

Aさん
Thank you, Mr. President.
訳)ありがとうございます、大統領。

ちなみに、大統領が女性の場合は “Madam President” と呼びかけます。現在のところアメリカに女性大統領は存在しませんが、今後は生まれる可能性がありますよね。Ms. President ではないので注意しましょう。

「首相」や「元首」など、要人を表す英語表現を確認

「首相」や「元首」など、要人を表す英語表現を確認

アメリカには大統領がいる一方、日本には内閣総理大臣(首相)がいるなど、国を代表する役職は、各国で異なります。

ここでは、大統領以外の各国要人を表す英語表現について、詳しく確認していきましょう。

「首相」in English

「首相」は正式名称を「主席宰相(しゅせきさいしょう)」と言い、国を動かす行政機関のトップのことです。日本の場合は「内閣総理大臣」の通称としても使われています。

そんな首相を英語で表すと “Prime Minister” となります。読み方は「プライムミニスター」です。

prime は「主要な」、minister は「大臣」という意味なので、Prime Minister で「主要大臣」というのが直訳。President と同様、一国に1人しか居ないのが通例なので、語頭は大文字になります。

Aさん
Prime Minister of Japan is Mr. Kishida.
訳)日本の首相(総理大臣)は岸田さんです。

ちなみに、日本の「内閣」は英語で “Cabinet” と言い、代表的な役職名は以下表のようになっています。

官房長官 Chief Cabinet Secretary
外務大臣 Minister of Foreign Affairs
防衛大臣 Minister of Defense
財務大臣 Minister of Finance
法務大臣 Minister of Justice
文部科学大臣 Minister of Education, Culture, Sports, Science and Technology

「閣下」in English

貴族など、位の高い人に対する敬称である「閣下」は、英語では “Excellency” と言います。発音記号は「éks(ə)lənsi」、カタカナだと「エクセレンシー」です。President や Prime Minister の場合と同様、基本的に語頭は大文字になります。

Excellency は、他国の大臣(Minister)や大使(Ambassador)などに使われる敬称です。具体的には、男性の場合は “His Excellency 〇〇”、女性の場合は “Her Excellency 〇〇” と、相手のフルネームの前に付けて使います。“H.E” という略称を使うことも可能です。

Aさん
His Excellency John Smith, Ambassador of the US.
訳)アメリカ大使のジョンスミス閣下(※架空の人名です)。

また、直接呼びかける場合には “Your Excellency” が使われます。この場合、”Sir(男性への呼びかけ)” や “Ma’am(女性への呼びかけ)” とほぼ同じ意味と捉えて問題ありません。

「元首」in English

「元首」は、外国に対してその国を代表する人物を表す言葉です。そのため、アメリカなどの大統領を置く国では大統領が、国王(king、queen)を置く国では王が元首となります。ただし、日本の場合は元首を「総理大臣(Prime Minister)」とするか、「天皇(Emperor)」とするかで意見が分かれているようです。

そんな「元首」、英語では “head of state(ヘッドオブステイト)”、または “sovereign(ソブリン)” と言います。

head は頭、state は「国家」という意味なので、head of state はそのまま「国の頭」という意味。また、sovereign の sover は “super(上位)” と同語源で、sovereign で「人々の上に立って統治する存在」を表す言葉です。

とはいえ、大統領や首相に比べて一般的な言葉ではないので、使用機会はあまり多くありません。

Aさん
Many Japanese think the sovereign of Japan is Prime Minister.
訳)日本の元首が総理大臣だと思っている日本人は多いです。
Bさん
But overseas, Japanese emperor is often considered as the head of state.
訳)でも海外では、天皇が国家元首だと思われることが多いです。

 

まとめ

今回は、「大統領」をメインテーマにお話ししてきました。

「大統領」は英語で “President” です。どんなときも文頭は大文字になる点に注意しましょう。また、大統領以外にも首相(Prime Minister)や元首(head of state)など、国のトップを表す表現はさまざまあります。今回ご紹介したことを参考に、それぞれの国ごと、場面ごとに適切な表現を使い分けていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!