“achievement”は高校で習う英単語です。スペルが難しいので、覚えるのに苦労したという人も多いのではないでしょうか?最近では、ゲームやビジネスシーンで「アチーブメント」とカタカナ表記で目にすることもあります。それでは、この”achievement”はどのような意味があるのでしょうか?

本記事では、”achievement”の意味に加え、同じような意味をもつ英単語をいくつか紹介します。最後まで読んで”achievement”を使いこなるようになりましょう。

“achievement”の意味・使い方

“achievement”のスペルは覚えにくく、慣れないうちは、”acheivement”と”i”と”e”を逆に書いてしまっていたという人も多いのではないでしょうか?”ie”も”ei”も「イー」の音であるため、混乱してしまいがちです。この”ie”、”ei”問題を解決する方法を教えましょう。

それは、直前に”c”があるかどうかを確認すること。直前に”c”を持つ”receive”や”receipt”は”ei”と表記し、それ以外の英単語、例えば”relieve”や”believe”は”ie”と表記します。これでスペルミスはなくなりましたね。それでは本題に入ります。

“achieve”の名詞

そもそも”achievement”は”achieve”という動詞が元になっており、動詞の後ろに”-ment”の接尾語を付属することで、名詞としての性質をもちます。”achieve”は「達成する、成し遂げる」という意味です。そのため、名詞の”achievement”は以下のような意味をもちます。

功績・実績・何かを成し遂げること

日本語で”achievement”の意味を検索すると「功績、実績、成し遂げること」と確認できます。それでは、英英辞典ではどのように解説されているのでしょうか?ケンブリッジ辞典では次のような説明が出てきます。

something that you did or got after planning and working to make it happen, and that therefore gives you a feeling of satisfaction.

苦労の末に得られたモノで、それに対して満足感を得られること

一言に「功績、実績」と言っても、その裏に多くの苦労や犠牲を伴っていたことを意味しています。また、ここで言う「実績」から得られる利益は、あくまで個人レベルであることに留意してください。

Aさん
I will be promoted to a Section Chief for my achievement of my sales goal.
訳)営業目標を達成したことで、課長に昇進することになりました。

“Achieving your goals”「目標の達成」

“achievement”と”success”の違いは?

“achieve”という動詞は、目標 “goal”という名詞と一緒に使われることが多いですが、「目標を達成する秘訣」”Secrets to achieving your goals“について見ていきましょう。

次に挙げる秘訣は、偉業を成し遂げた人が行っていた習慣や行為と重なる部分があるのではないでしょうか。

1. Write down your goals「目標を書き出す」

自分の想像の中から、目標を拾い集めて、紙に書き出してみましょう。

目標やゴールを書き出すことで、あなたの潜在意識は目標に向かって努力するという決意を受け入れざるを得なくなります。

目標を一度だけでなく、毎日か毎週1回書き出すことで、毎日または毎週集中し続けることができると言われています。

2. Set a deadline「期限を設定する」

目標を達成する目標期日を設定しましょう。

大きな目標であれば、それを小さなステップに分割し、それぞれのステップの期限を決めるといいです。

これらの重要な日程を手帳やコンピュータのプランナーに記入しましょう。実現可能な目標を立てて、着実にその目標を達成していくのが一番いいですね。

期限までにその目標が達成できなかった場合は、期限を少しずらしてもいいので、目標を達成する習慣を身に付けましょう。

3. Develop your skills「スキルを磨く」

目標を小さなステップに分割して、細分化していくといいという話をしましたが、目標達成のためには、スキルを磨く必要性が生じてくるかもしれません。

どんな新しい知識が必要か、どんな新しいスキルを身につけなければならないかを考えましょう。

その知識やスキルを得るための最良の情報源を見つけ、賢く投資して、成功への道に必要な資産を築き上げましょう。

ビジネスシーンで使われる「実績」

ビジネスシーンで使われる「実績」

「実績」というとビジネスシーンでよく使われるイメージがありますよね。販売実績、導入実績、営業実績などなど、数えればきりがありません。実は一口に「実績」と言っても英語ではしっかり使い分ける必要があります。ここではどのような使い分けをするのか、一緒に確認していきましょう。

performance

”performance”と聞くと「パフォーマンス」が頭に浮かぶと思います。実際にお披露目する演奏会や劇はパフォーマンスの1つですよね。そこから”performance”は、個人に焦点を当てた実績を意味します。日本語で言うところに「腕前」「出来栄え」と言った意味を含んだ実績です。

Aさん
I got a bonus for my sales performance.
訳)営業実績がよかったので、ボーナスをもらいました。
“sales performance”は個人の「営業実績」と意味になりますが、会社のビジネス実績は「業績」となります。例を見てみましょう。
Aさん
Our performance has been growing steadily since our foundation.
訳)当社の業績は創業以来、堅調に伸びています。

result

”result”の元々の意味は「結果」ですが、ビジネスシーンでの”result”は、「結果」を積み重ねた「実績・業績」を意味します。結果の積み重ねなので、通常は”results”と複数形で使う点に注意しましょう。

Aさん
Our sales results could be the best in this decade.
訳)我が社の販売実績は過去10年で最高となるでしょう。
”financial results”「業績」は、決算資料の英語版でよく使われる表現です。
「会計年度」は 英語で “fiscal year”になり、「2023年度12月期の業績」を英訳すると、”Financial Results for the Fiscal Year ended December 31, 2023”となります。
「会計年度」は「四半期」quarter ごとに区切られていて、アメリカや日本の上場企業は、四半期ごとに「業績」の結果報告をします。

record

”record”は元々「記録」を意味する単語です。ビジネスシーンではある期間での成果や、これまでの販売実績の総計など「記録」を元に算出する実績を意味します。

Aさん
We have to check our sales record from the first year.
訳)初年度からの販売実績を確認しなければなりません。

”record”も「実績」という意味で使われることがありますが、「記録」の意味合いが強いです。次にその例を挙げます。

Aさん
Our company achieved record profits in the current fiscal year.
訳)当社は今期に過去最高益を達成した。

「記録的な利益」は英語で”record profits”となり、よく「過去最高益」と訳されます。

accomplishment

”accomplishment”は”acihevement”と同様に「(何かを成し遂げた)実績」ですが、”accomplishment”は個人を超えて他者にも影響を及ぼすという点で異なります。大げさに言ってしまうと、「社会貢献」ほどの大きな成果は ”accomplishment”がより適切な英単語です。

Aさん
He left a great accomplishment for his company.
訳)彼は会社に大きな実績を残しました。

“achievement”と”success”の違いは?

“achievement”のもう1つの意味である「成し遂げること」に近い英単語に”success(成功、成功すること)”があります。この2つの単語はどちらも成功を表す英単語ですが、どのような違いがあるのでしょうか?

違いは達成した対象

一番の違いは、何を達成したか、です。”achievement”は「実績」という意味をもつように、主に数字の目標達成を意味します。ここでもやはり英英辞典の説明のように、「苦労の末に」目標を達成した状態を指し、また個人に対して満足感を与えます。「成功の裏に数々の努力がある。」と言いますが、”achievement”はこの努力から得られる結果のことです。

一方、”success”は数字にこだわらず、なにかを達成することを指します。それは出世でもいいですし、新規事業の大繁盛でも構いません。とにかくポジティブな結果をもたらすものであれば”success”を使います。小さな”success”から大きな”success”までありますが、その人にとってプラスであれば”success”を使っても問題はないでしょう。

意味は違うが関連性は大いにある

これらの単語の意味の違いを説明しましたが、これらは全く無関係というわけではありません。

”achievement”の積み重ねが”success”に繋がり、逆に”success”によってさらなる”achievement”がもたらされる、というように密接に関連しています。だからこそ、違いをしっかり理解しておきましょう。

“achievement”と”accomplishment”の違いは?

“achievement”と”success”の違いは?

“achievement”には、「実績」と「成し遂げること」の2つの意味があると解説しましたが、2番目の意味「成し遂げること」が”accomplishment” と少し似ていて、混同しそうになった方もおられるのではないでしょうか。

“achievement” と “accomplishment”の違いについて、解説していきます。

違いは「目標達成」と「プロジェクト/タスク完了」

“achievement”の動詞形は”achieve”「達成する」で、”accomplishment”の動詞形は”accomlish”「完了する」です。

それぞれ動詞が名詞になったものと考えて、どんな目的語をよく取るかを考えてみましょう。

  • ”achieve a (the) goal” 「目標を達成する」
  • ”accomplish a (the) project/task” 「プロジェクト/タスクを完了する」

という形でよく使われます。

それらの動詞をまた名詞に戻すと、「(目標)達成」「(プロジェクト/タスク)完了」という表現になります。

似ているが少し違っていて、目的語や規模を確認して使い分けよう

”achievement”と”accomplishment”は似ていますが、少し使い方が違います。

”achievement”は、小規模の「目標」や「ターゲット」の「達成」に使われることが多いのに対して、”accomplishment” はもっと大きなプロジェクトの完了をもって組織などに貢献するレベルの「実績」に用いられます。

まとめ

“achievement”は日常的にもよく使われる言葉です。ネガティブな結果について言いたい時には”achievement”は使いませんので、この言葉を耳にしたら努力の末に何かいい結果が得られたんだな、と思っておきましょう。

目標を立てることは誰にでもできます。例えば今英語を学習しているのであれば、TOEICや英検など資格合格も立派な目標です。英語学習においても”achievement”を積み重ねて、自分なりの”success”を目指しましょう。継続的な”achievement”が、組織などへの”accomplishment”につながるでしょう。