皆さんは英語で「倍率」をどのように表現するか分かりますか?
「倍率」とは、対象の大きさを拡大した際に、どれだけ大きく見えるかを表す値のことです。顕微鏡や望遠鏡、カメラなど、様々な機器において用いられます。
また、「有効求人倍率」や「入試の競争倍率」、「係数」に関してはどうでしょう。
本記事では、「倍率」を英語で表現する方法とその使い方について解説していきます。関連表現や実戦練習として、例文も用意しているので、ぜひ参考にしてください。
英語で「倍率」を表す表現
「倍率」に関する英語表現としては、以下の3つの表現が適切です。
- “magnification ratio”
- “zoom ratio”
- “power”
- “reduction ratio”
それぞれの意味や使い方、例文を紹介した後に、3つの表現のニュアンスの違いに関して解説していきます。
“magnification ratio”
“magnification ratio”は、光学的な倍率を表す場合に使われる表現で「拡大率」という意味です。主に、レンズや顕微鏡などで使用されます。
”magnification”の品詞は「名詞」であり、不可算名詞の場合は「拡大」や「誇張」を意味し、不可算名詞の場合は「拡大図」を意味する単語です。
発音は「マグニフィケーション」となります。”magnification”の動詞形は”magnify”「拡大する」です。
訳)この顕微鏡は400倍の拡大率がある。
“zoom ratio”
“zoom ratio”は、カメラや映像機器のズーム機能を表す場合に使われる表現で、光学ズームやデジタルズームなど、さまざまな場面で使用されます。
“zoom ratio” は複合名詞です。”zoom”は動詞または名詞で「ズームする、ズームレンズ」という意味があり、”ratio”は名詞で「比率、割合」という意味があります。
つまり、”zoom ratio”は「ズーム倍率」を意味指すのです。
訳)このカメラのズーム比率は20倍だ。
“power”
“power”は、顕微鏡や双眼鏡などの倍率を表す場合に使われる表現で、放射能や音量などの指標でも使用されます。
品詞は品詞となりますが、動詞でも意味を成す英単語です。日本語の「パワー」の英語版として覚えておきましょう。
訳)この双眼鏡の倍率は10倍だ。
“reduction ratio”
先ほど “magnification ratio”「拡大率」について解説しましたが、「拡大」の逆で「縮小」に関して「縮小率」と言いたい場合に、”reduction ratio”「縮小率」が使えます。コピーや半導体などの「縮小率」について、この表現が使えます。
訳)A3用紙をA4用紙に縮小コピーする場合、縮小率は71%です。
訳)A4用紙をA3用紙に拡大コピーする場合、拡大率はどれぐらいかな?
訳)拡大率は141%だよ。
4つの表現の違いは?
- “magnification ratio”:拡大率や倍率を表す言葉。
- “zoom ratio”:ズーム機能のあるカメラやビデオカメラで使われる言葉。
- “power”:望遠鏡や双眼鏡などの光学機器において、倍率を表す言葉。
- ”reduction ratio”:縮小率を表す言葉。
それぞれの表現によって、使われる文脈やニュアンスが異なります。例えば、”magnification ratio”は科学的な分野で使われることが多く、正確な数値で表現される傾向があります。
一方”zoom ratio”は、カメラやビデオ関連の話題でよく使われ、比率という形で表現されることが多いです。
「倍率」の関連表現
次は、「倍率」の関連表現を確認していきます。本記事で取り上げる関連語は下記の通りです。
- ratio of job openings to job applicants:「有効求人倍率」
- admission rate:「入試倍率」
- coefficient:「係数」
それぞれの意味や使い方、例文を紹介した後に、その他「倍率」に関連する表現や用語を紹介していきます。
“ratio of job openings to job applicants“:「有効求人倍率」
“ratio of job openings to job applicants”は、ある期間における求人数と応募者数の比率を表す指標で、「有効求人倍率」の意味になります。具体的には、ある企業が募集した求人に対して応募した人数や、ある業界全体の求人数と応募者数を比較した際の比率を指します。
the ratio of B to A で、「Aに対するBの割合」という意味になります。
“employment rate”「雇用率」という表現もあり、どちらも覚えておくと役立つ表現です。
訳)IT業界の有効求人倍率は現在とても低い。
“competition ratio”:「入試の競争倍率」
「入試の競争倍率」は、”competition ratio”と表現されます。これは、大学や専門学校などの入学試験において、合格者数に対する受験者数の比率を示す指標です。
“competition ratio”は、”competition”(競争)と”ratio”(割合、率)の2つの単語から構成された複合名詞となります。
訳)この大学の入試の競争倍率は昨年3.5倍だったので、競争率が非常に高い。
“coefficient”:「係数」
“coefficient”には、「係数」という意味があります。これは、ある数値に対して他の数値を掛け合わせたり、割り算したりするときに使われる数値のことを示します。
品詞は「名詞」であり、中でも可算名詞として使われることしかありません。
訳)二つの表面の摩擦係数は0.7です。
その他「倍率」に関連する表現や用語
- twice the amount:「2の倍数」
- three times magnification:「拡大率3倍」
- quadrupled:「4倍増」
「倍率」に関連する表現では、上記のような「倍数」を表す表現から「拡大率」「倍増」などが存在します。
どれも共通して数字が組み込まれており、1~10までの基本的な数字を表す英語を覚えておくことが非常に重要です。
「倍率」を使った例文紹介
最後に「倍率」を使った例文を見ていきましょう。これまでに紹介した4つの単語(magnification ratio, zoom ratio, power, reduction ratio)を使って、文章を確認していきます。
“magnification ratio”
訳)ねえ、これって何倍の拡大率で見れるの?
訳)それは100倍だよ。
訳)すごい!もっと見たいな。
“zoom ratio”
訳)これ、どれくらいズームしてるの?
訳)これは3倍ズームだよ。
訳)うーん、もっと近くに寄って撮りたいなあ。
“power”
訳)ねえ、その両眼用拡大レンズの倍率ってどれぐらいかな
訳)あれは1.7倍の両眼用拡大レンズだよ
訳)すごい! 拡大率が高いね。
”reduction ratio”
訳)ギアの減速比ってどうやって計算するか知ってる?
訳)全く分からないよ。
訳)ギア減速比は、各ギアの歯数から直接計算されるのよ。
「…を~倍する」”multiply … by ~”
「…を~倍する」を英語で表現するとき、一番便利に使える表現は、”multiply … by ~”です。
例文を見てみましょう。
訳)まず自分の年齢を2倍して、それから3で割ってください。
「2倍する」には “double” を使うこともできます。
2つのものを比べて倍数で表す表現
「倍率」について解説してきましたが、次に2つのものを比べて倍数で表す表現について、見ていきましょう。
「~の2倍…だ」”twice as … as ~”
これは、中学高校で学ぶ英文法によく出てくる表現ですが、意外と使いこなせていない人が多いので、例文を挙げるので、確認してしっかりマスターしましょう。
訳)私の夫の給料は、私の2倍高い。
「~の3倍…だ」”three times as … as ~”
訳)コロンビアは日本より3倍広い。
「~の半分の大きさだ」”half the size of ~”
「~の半分の大きさだ」は、”half as large as ~” という表現もできますが、”half the size of ~”という表現もできるので、覚えて使ってみましょう。
訳)シリアは日本の半分の大きさだ。
「~の○○はxxの○○の約2倍である」”twice that of xx”
○○には同じ単語が入りますが、英語では最初は○○と言って、2回目の○○は that で受けて表現します。
具体的な例を見てみましょう。
訳)アメリカの人口は、日本の人口の約2倍です。
1回目は populationと言っていますが、2回目はその単語を that で受けていますね。
まとめ
「倍率」を英語で表現する方法とその使い方をまとめると、以下のようになります。
・“magnification ratio”:顕微鏡や望遠鏡などの倍率。
・“zoom ratio”:カメラやビデオカメラなどでズームの比率。
・“power”:眼鏡やレンズなどの度数。。
・“reduction ratio”:コピーやサイズの縮小を表す比率。
ratio 「比率」を付ける言い方が多いですね。
これらの表現は、科学や技術分野だけでなく、ビジネスや教育などの日常生活でもよく使われます。今後の英語学習に役立てるためには、これらの表現を積極的に使い、定着させることが重要です。
「…を~倍する」や「2つのものを比べて倍数で表す表現」についても解説しました。英語のプレゼンテーションや論文においても、2つのものを比べて倍数で表す表現もよく使われます。
「倍率」や「倍数」に関する表現は、この記事でかなり詳しく解説していますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
また、英語を使う状況に合わせて表現を使い分けることで、より自然なコミュニケーションができるようになります。