近年のビジネスシーンにおいて、「データ分析」はますます重要になってきていますが、「分析」って英語でどうやって表現するかご存じでしょうか。
日本語でもあまりなじみのない「分析」という言葉ですが、中学校や高校、大学などの授業はもちろん、職種や業種によっては企業でも使用する機会はあるでしょう。
そこで、本記事では「分析って英語でなんて言うの?」をテーマに、「分析」にまつわる英語表現や実際に使える例文を紹介していきます。
「分析」という言葉はどのようなシーンで使用する?
「分析」という言葉は、科学や専門分野で頻繁に使用される言葉であり、「分析」と合わせる言葉によって意味合いが変わり、さまざまな表現があります。
たとえば、ビジネスの世界では、市場分析や競合分析といった言葉があります。ビジネス界では、それまでデータ分析を重要視していなかった業界でさえ、データ分析の手法を取り入れるようになり、ますます「データ分析」が重要視されてきています。また、医療分野においては、血液検査結果の分析や放射線の分析などがあり、さまざまなシーンで使われる言葉ということがわかるでしょう。
なお、学問的な研究においても、分析は必須のスキルといえます。たとえば、データ分析や統計分析などは、経済学や心理学といった分野において、よく使用されます。日本でも、近年、小中学校の数学で、「データの活用」という単元を勉強しています。高校、大学になると、その単元は、「データの分析」に発展していきます。
ビジネスや科学、学問など、さまざまな分野で、「分析」は非常に重要なスキルであり、仕事や勉学を進めるうえで、必要不可欠な要素といえるでしょう。
「分析」って英語で何て言うの?簡単な英語表現を紹介
ここでは、「分析」を英語で何て言うのか詳しく見ていきましょう。
なお、実際に使える例文も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
analysisを使う
「分析」は英語で “analysis” といいます。さらに、「分析する」(動詞)は “analyze” です。
一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
ビジネスや学術両利きにおいて、よく使われる言葉であり、日常英会話でも頻繁に聞く英語です。
たとえば、”To analyze the cause of the failure”(失敗の原因を分析する)、”The expert analyzed the statistics in detail”(専門家は統計を詳細に分析した)、”I analyzed the results”(結果を分析した)などの表現は、しばしば使われます。
ビジネスシーンや大学の授業などで、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
そのほか、「分析」に関する言葉として、 “data analysis”(データ分析)や “statistical analysis”(統計分析)などもあります。これらの表現やフレーズを使うことで、高校や大学におけるプロジェクトや成果を発表したり、ビジネスシーンにおいては会議やプレゼンテーションなどで役立てたりできるでしょう。
そのほか、簡単な例文をいくつか紹介します。
【例文紹介】
- I agree with your analysis.
(あなたの分析に賛成です) - The report includes thorough data analysis.
(報告書には徹底的なデータ分析が含まれています) - We need to conduct a statistical analysis of the results.
(結果の統計分析を実施する必要があります)」
スワット分析って英語で何て言うの?
スワット分析という言葉をご存じでしょうか。あまり聞き馴染みのない方も多いかもしれませんが、企業がビジネス展開をおこなうときに、実施する分析方法の一つです。
英語では”SWOT Analysis”(SWOT分析)と呼ばれており、戦略的なプランニングに使用されるのが一般的です。S=strengths(長所), W=weaknesses(短所), O=opportunities(機会), T=threats(脅威)を意味しています。「長所、短所、機会、脅威」を分析するのは、まさに戦略的な分析だと言えます。
スワット分析のほかにも、さまざまな分析方法があるので、いくつか代表的なものをご紹介します。
- Cost-Benefit Analysis:コスト・ベネフィット分析
(投資や事業計画などの決定に使用) - Risk Analysis:リスク分析
(リスクを評価するために使用) - Gap Analysis:ギャップ分析(ある目標と現状との間にある「ギャップ」を分析するために使用)
これらの分析手法は、ビジネスの領域に限定されるものではありません。科学的な研究や社会・政治的な課題においても、使用されることがあります。
詳細なデータ分析をおこなうことで、より正確な情報を得ることができるので、複数の分析手法を知っておくといいでしょう。
なお、これらの分析手法は、英語で表現すると専門的な単語やフレーズが多いので、使うのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、正しい使い方を覚えれば、専門的な分野でのやりとりやビジネスでのプレゼンテーションなどで活用できるので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
訳)会社経営において、どんな分析が重要だと思いますか?
訳)会社経営を続けていくためには、SWOT分析が必要だと思います。
訳)同感です。もしその会社が新規で投資や事業拡大を行うか検討する場合、コスト・ベネフィット分析も必要とされます。
訳)近年、物価の高騰や気候変動がますます深刻になっているので、リスク分析も必要になっています。
回帰分析って英語で何て言うの?
スワット分析やギャップ分析のほかに、回帰分析というものがあります。回帰分析は英語で”regression analysis”と言いますが、あまり聞いたことがない方も多いでしょう。
回帰分析は、統計学において非常に重要な概念となっており、複数の変数に関する関係性を調べる方法の一つです。
多くの場合、この技術はビジネスや経済学、医療などの分野で用いられ、すでに集められた膨大なデータをもとに、将来のトレンドやパターンを予測するのに役立ちます。
回帰分析とは、ある変数を異なる変数の関数として表現する分析手法として知られ、プログラミングの勉強にもよく出てきます。
典型的な分かりやすい例を挙げて説明すると、「気温」と「アイスクリームが売れた個数」の関係性をグラフを用いて調べます。横軸に「気温」、縦軸に「アイスクリームが売れた個数」を入れて調査すると、「気温」が高ければ高いほど、「アイスクリームが売れた個数」も増えて、比例の関係にあることが分かります。
また、回帰分析には、一元回帰分析、多元回帰分析、重回帰分析、ロジスティック回帰分析などがあり、それぞれ異なる種類のデータや目的に合わせて使用されています。
なお、それぞれの回帰分析に必要なスキルや知識には違いがあるので、正しい回帰分析の手法を使用することが大切です。
データ分析の目的
昨今ではデータ分析がますます重要視されていますが、データ分析をする目的は何なのでしょうか?
データ分析をする目的は、分かりやすく言うと、 データ分析結果をもとに行動を起こして問題を解決することです。データを分析すること自体が目的ではなく、問題を解決することが目的なので、何が問題なのかを把握した上で、その問題を解決するための最適な手法を使って、データ分析をします。
データ分析が解決に役立ちやすい問題もあれば、そうではない問題もあります。ビジネスにおいては、売上アップや離職率を下げるなどの問題を解決したい場合に、その原因をつきとめるためにデータ分析をすると、数値化しやすいので、データ分析が活用しやすいと考えられます。
一方、社員のモチベーション(やる気)アップという問題の解決の場合は、漠然としていて、データの数値化もしづらいため、データ分析にあまり向いていない問題だと考えられます。
データ分析の手順
先ほどデータ分析の手法についていくつか紹介しましたが、どういった問題を解決するかによって、データ分析の手法は変わってきて、さまざまなデータ分析の手法があります。データ分析の手法はさまざまで複雑なので、データ分析の手順を紹介し、その英語表現を紹介します。
データ分析の具体的な手順は、次のようになります。
- 問題を定義する Define the problem
- 課題を定義する Define the issue
- 仮説を立て、原因を考察する Formulate hypotheses and consider causes
- データ分析の方法を検討する Consider a data analysis method
- データ分析の方法を実行する Perform the data analysis method
- 結果を見て、振り返る Check the results and review
データ分析には、さまざまな手法がありますが、具体的な手順は上記のようになります。
日本企業も経営にデータ分析を採り入れ始めており、将来的には、グローバルな大企業だけでなく、中小企業でもデータ分析を採り入れる時代が来るのかもしれません。
ビジネスシーンで使える分析にまつわる英語例文集
ビジネスシーンにおける分析には、高い英語力と適切な言葉選びが大切です。
ここでは、ビジネスシーンで使える「分析」にまつわる例文集を見ていきましょう。
【ビジネスシーンで使える例文集】
- analyze customer behavior to increase sales
「売り上げを増やすために、顧客の行動を分析する」 - analyze information on competing companies for predictive analysis of market changes
「市場の変化を予測するために、競合他社の情報を分析する」
また、分析結果を説明するために、ほかにも使えるフレーズがあります。
たとえば、”the data indicates that”、”according to the analysis”、”based on the results”などが挙げられます。
なお、不確実な状況において、分析をおこなうときは「予測解析(分析)」を実施することが多いです。「予測解析」は、英語で”predictive analysis”と訳され、さまざまなシーンで使用できます。
まとめ
今回は「分析って英語でなんて言うの?」をテーマに、分析を表す英語や実際に使える英語例文集を紹介しました。
さらに、「分析」にまつわる英語表現に加え、スワット分析や回帰分析といったさまざまな種類の分析や分析手法も紹介しました。
「分析」と聞くと、難しいイメージがあるかもしれませんが、昨今はカタカナで「アナリスト」や「アナライズ」といった表現を使うことも少なくありません。
ビジネスシーンに加え、高校や大学の授業などでも活用できるので、ぜひこの機会に覚えてみませんか。実際に分析を行うとなると、専門的な勉強が必要になってきますが、この記事がデータ分析に興味を持つきっかけになれば幸いです。