皆さんは日頃、何かに「工夫」をしていますか?
私は、この出だしの文章を書くのが仕事における工夫の1つです。その時々のテーマに関連した話を書くようにしていますが、時にはどうしてもアイデアが浮かばず、小一時間頭を抱えることも…。
本文の内容には関係のない工夫ですが、ぜひ軽くでも読んでいただければ筆者冥利に尽きます。
さて、そんなわけで今回のテーマは「工夫」です。英語で工夫をどう表現すればよいかについて、類語を複数挙げて詳しく解説していきます。これを読めば、さまざまな工夫について、ニュアンスごとに英語で言い分けられるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「工夫」は英語で何て言う?
英語で「工夫」に相当する表現は、“ingenuity”、“creativity”、”effort” の3つが一般的です。
一括りに「工夫」といっても、それぞれに表すニュアンスが異なるので、1つずつ詳しく確認していきましょう。
工夫①:ingenuity
“ingenuity” は、アイデアに溢れた工夫を表します。発音記号は【ɪnˈdʒɛnjuɪti】、カタカナだと「インジェニュイティ」です。
ingenuity はラテン語の “ingenuous” という単語に由来していて、これはもともと「自由な、率直な」などの意味を表していました。その後、自由で独創的なアイデアを意味するようになり、現在では主に作品などにこらされる工夫の意味で使われます。
そのため、他の人には真似できないような、独創性に溢れる工夫の場合は ingenuity で表現するとよいでしょう。
His ingenuity in the design made the cellphone an instant hit product.
訳)彼のデザインにおける工夫が、その携帯電話を一躍ヒット商品にしました。
工夫②:creativity
“creativity” は、創造性に溢れる工夫を表します。発音記号は【kriːˌeɪˈtɪvəti】、カタカナだと「クリエイティビティ」となります。
creativity は「作り出す」という意味の動詞 “create” を名詞にしたものです。そのため、何かを0から作り出してしまうような発想力や、制作スキルなどを含めた工夫を表す際に使われます。
先ほどの ingenuity と非常によく似ていますが、ingenuity がアイデアの斬新さや奇抜さに焦点を当てているのに対し、creativity は能力の高さに比重を置いているイメージです。
たとえば、実務経験0の新人でも、才能があれば ingenuity の工夫ができるかもしれません。しかし、しっかり実戦経験を積んでいなければ、creativity による工夫は難しいでしょう。
Whenever she’s in charge, high-quality creativity is consistently applied to the work.
訳)彼女に仕事を任せると、毎度クオリティの高い工夫がされています。
工夫③:effort
“effort” は、努力によって裏打ちされた工夫を表します。発音記号は【ˈɛfərt】で、カタカナだと「エフォート」と聞こえます。
effort の原義は「外に(ex-)力を出す(-fort)」であり、努力したり尽力したりする様子を表す言葉です。前述の ingenuous と creativity が才能やスキルによる工夫のイメージだったのに対し、effort は地に足のついた、地道な努力の積み重ねによる工夫のイメージです。たとえば、ingenuous や creativity の工夫は一夜にして成る可能性もありますが、effort は日々の積み重ねの上にしか実現しません。
そのため、人一倍の努力が垣間見えるような工夫の場合は effort を使って表してみましょう。
The effort to include visuals on each page has made the document very easy to read.
訳)各ページにビジュアルを添える工夫によって、その資料は非常に読みやすくなっています。
【補足】「創意工夫」は英語で何?
英語でも「創意工夫」と四字熟語風に表現したい場合は “originality and ingenuity” と言うのがよいでしょう。originality は「独自性」を、ingenuity は先述の通り「独創性」を表します。
ただ、標語のように使うのでなければ、単に ingenuity と言うだけでも十分に「創意工夫」のニュアンスは伝わります。
「工夫する」は英語で何て言う?
続いては、「工夫する」と動詞で表現したい場合を見てみましょう。英語で「工夫する」に相当するのは、以下の4種類の表現です。
- get creative
- device
- come up with
- think out
こちらも名詞の「工夫」の場合と同様、それぞれにニュアンスが異なるので、違いを理解しておくことが重要です。1つずつ詳細を確認していきましょう。
工夫する①:get creative
“get creative” は、直訳すると「創造的になる」という意味で、日常の中で工夫することを表せるカジュアルな表現です。
creative と聞くとハードルが高いように感じられますが、節約のための工夫をしたり、手間を省くために収納の仕方を工夫したりなど、些細な工夫でも表せます。
By getting a little creative, household chores can become much easier.
訳)ちょっと工夫をすれば、家事はだいぶ楽になります。
工夫する②:device
“device” は、動詞として使うと、解決策などを「考案する」「工夫する」という意味になります。
ただし、だいぶフォーマルな印象の表現なので、ビジネスシーンで使うことはありますが、日常会話では滅多に使われません。
Thanks to the method he devised, the system construction work progressed significantly faster.
訳)彼が工夫した方法のおかげで、システム構築作業が飛躍的に速く進みました。
工夫する③:come up with
“come up with” は、もともと「(考えなどを)思いつく」という意味の動詞ですが、文脈によっては「工夫する」の意味で使える場合があります。
ただし、以下の例文のように「工夫する=思いつく」と言い換えられる場合しか使えないので注意しましょう。
To launch this snack, we need to come up with some more ideas.
訳)このお菓子を発売するには、もう少し何か工夫が必要です。
工夫する④:think out
“think out” は、徹底的に考えて工夫することを表します。
先ほどの come up with が「思いつく」という瞬間に焦点を当てていたのに対し、think out は最後(out)まで「考え抜く」姿勢に焦点を当てている点に違いがあります。
ただし、think out の場合も工夫という行為は表せないので、使う文脈には注意が必要です。
As long as time allows, let’s continue to think out the solutions until the end.
訳)時間が許す限り、最後まで工夫を続けましょう。
まとめ
今回は「工夫」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
アイデア溢れる工夫は “ingenuity”、豊富なスキルを活用した工夫は “creativity”、そして努力の賜物である工夫は ”effort” で表現するのが適切です。
一括りに工夫といっても、その正体は状況によって変わってきます。今回ご紹介したことを参考に、場面に合った工夫を適切に表現していきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!