今回のテーマは「リクルート」です。

リクルートは就職や採用に関する文脈でよく使われるカタカナ英語ですが、漠然としか意味を知らずに使っている人も多いでしょう。この記事では、リクルートの正しい意味について、日本語と英語両方の観点で、詳しく解説していきます。

また、記事の後半では「就職活動」や「面接」、「内定」など、リクルートの関連表現を英語で何と言うかについても取り上げているので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「リクルート」の日本語での意味とは?

「就職活動」や「面接」など、リクルートに関連する英語表現をマスターしよう!

日本語でカタカナ英語として使われる「リクルート」は、主に「採用活動」と「就職活動」の2つの意味で使われます。

まず採用活動とは、企業が雇用する社員を募集する活動のことです。たとえば「優秀な人材をリクルートする」「A社は近年リクルートに力を入れている」のように使用します。

一方の就職活動とは、雇用される側が勤める企業を探すための活動です。新卒の大学生や大学院生のイメージが強いですが、もちろん既卒の方や、中途採用を目指す方のものも含みます。たとえば「リクルートスーツを買う」や「リクルートカットにする」といえば、就職活動用のスーツを新調したり、髪型を整えたりすることを意味します。

採用活動と就職活動は、一見同じように見えますが、前者が企業の活動、後者が雇用者の活動という点に違いがあります。日本語のリクルートは、これら2つの意味で使われる点が特徴的です。

「リクルート」の英語での意味とは?

リクルートは英語だと “recruit” と綴ります。発音記号は【rɪˈkruːt】で、カタカナ発音そのままで充分通じます。

英語の recruit は、もともとは軍隊において新兵を採用することを意味する言葉でした。そこから発展し、現在では企業が社員を採用すること、募集することなどを意味して使われます

ちなみに、recruit の語源はラテン語で「再び成長する」を意味する recrute から来ています。構成員が減って力を失わないよう、軍や企業などが人員を増やして再成長するイメージと考えればよいでしょう。

英語のリクルートに就職活動の意味はない?

以上見てきたように、日本語のリクルートと英語の recruit は意味の範囲が違います。その中でも特に、英語の recruit には「就職活動」の意味がない点が重要です。

就職する企業を探す活動をリクルートと呼ぶのは、日本独自の和製英語だといえます。そのため、リクルートスーツ(recruit suit)やリクルートカット(recruit cut)なども、日本以外では通じないので注意しましょう。

Aさん
I need to buy a recruit suit soon because I’m about to start working.
訳)もうすぐ社会人になるから、リクルートスーツを買わなきゃな。
Bさん
What’s that?
訳)何それ?

 

「就職活動」や「面接」など、リクルートに関連する英語表現をマスターしよう!

「就職活動」や「面接」など、リクルートに関連する英語表現をマスターしよう!

ここからは、「就職活動」や「面接」など、リクルートに関連してよく使われる表現について、英語で何と言うか確認していきます。

これからリクルート活動をする人は、ぜひ参考にしてください。

「就職活動」in English

英語で就職活動を表す際に最も一般的なのは “job hunting(ジョブハンティング)” という表現です。hunting はもともと「狩り」を表す言葉ですが、就職活動を獲物を捕らえる狩りになぞらえ、このように表現するようになりました。

先述の通り、就職活動をリクルートと言うのは、日本独自の文化です。そのため、就職活動を指して recruit を使うと、自分が人を雇おうとしていると勘違いされかねないので注意しましょう。

Aさん
Alright, let’s gear up and start recruiting!
訳)よーし、気合入れて就職活動するぞー!(と言っているつもり)
Bさん
Recruiting? What do you mean? Are you starting a business?
訳)リクルート? どういうこと? 起業でもするの?

 

「面接」in English

就職活動時に必ず受ける「面接」は英語だと “job interview(ジョブインタビュー)” と言います。また、前後の文脈で就職活動であることが明らかな場合は、単に “interview” とだけ言うことも多いです。

なお、面接を行う「面接官」は “interviewer(インタビュアー)”、面接を受ける「面接対象者」は “interviewee(インタビュイー)” と言います。このように、動詞に -er を付けると「~する人」、-ee を付けると「~される人」を表すので、ぜひ覚えておきましょう。

Aさん
I’m getting nervous because I have a job interview tomorrow.
訳)明日面接だから緊張するなー。
Bさん
I’ll play the role of the interviewer, so let’s practice.
訳)僕が面接官の役をやるから、練習しておこうよ。

 

「内定」in English

就職活動が成功してもらえる「内定」は、英語だと “job offer(ジョブオファー)” と言います。job offer を直訳すると「仕事の申し出」で、企業からぜひ働いてほしいとお願いされることを表します。

なお、書面などで正式にもらった内定の場合は “official job offer(オフィシャルジョブオファー)”、口約束だけの暫定的なものの場合は “informal job offer(インフォーマルジョブオファー)” と言い分けることもあります。

Aさん
I’ve received job offers from 100 companies.
訳)100社から内定もらったわ。
Bさん
Whoa, that’s too much job hunting!
訳)いや、就職活動し過ぎでしょ!

 

「インターンシップ」in English

企業で実際に働く前に、一定期間お試しで働くことを「インターンシップ」と言いますが、これは英語でも同様に “internship” と表現します。

internship は、企業を見極めたい学生側にとっても、よりマッチした学生を雇用したい企業にとってもメリットの大きい制度なので、多くの企業で採用されています。

なお、インターンシップの制度を表す際は internship、そこで働く学生を表す際は intern(インターン)が使われます。日本ではインターンシップの略語がインターンであるかのように使われていますが、英語ではそれぞれ意味が違うので注意しましょう。

Aさん
I’ve been working as an intern for about 10 years now.
訳)インターンで働いて、早10年か。
Bさん
You’re already a regular employee!
訳)いや、それもう普通に社員でしょ!

 

まとめ

今回は「リクルート」の意味について、日本語と英語の両面から詳しく確認してきました。

日本でリクルートと言うと、企業が行う採用活動と、学生などが行う就職活動の両方を意味します。しかし、英語の recruit の場合、採用活動は意味する一方、就職活動の意味では使えないので注意しましょう。

今回ご紹介したことを参考に、理想に近い企業で働けるよう、日本語でも英語でも努力を重ねていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!