「英語を話す患者さんが来たら、どう対応したらいいの?」
「医療現場で使える英語表現を実践的に学びたい」

このような悩みを抱える看護師の方は多いのではないでしょうか。グローバル化が進む日本の医療現場では、外国人患者の対応がもはや特別なケースではなくなってきています。

この記事では、看護師の方が実際の医療現場で活用できる英会話練習を、ロールプレイング形式で場面別で紹介します。

患者受付で使える英語フレーズとロールプレイング

患者受付で使える英語フレーズとロールプレイング

患者受付は外国人患者との最初の接点です。ここでスムーズにコミュニケーションできるかによって、その後の病院に対する信頼感につながります。

基本的な受付フレーズ:

Good morning. Welcome to our hospital. How may I help you today?
(おはようございます。当院へようこそ。本日はどのようなご用件ですか?)

I understand. Is this your first visit to our hospital?
(わかりました。当院は初めてですか?)

In that case, could you please fill out this registration form?
(では、こちらの問診票にご記入ください。)

予約確認と案内:

Thank you, Mr. Smith. Let me check your appointment…
The doctor is running about 15 minutes behind schedule today.
(スミス様、予約を確認します…本日、診察は約15分遅れております。)

Aさん
受付では患者さんの状態を素早く判断するため、「How urgent is your condition?」(どのくらい緊急性がありますか?)といった質問も状況に応じて使いましょう。

問診時に役立つ英語表現と実践練習法

問診は患者の症状を正確に把握するために欠かせない大切な看護業務の一つです。

主訴を聞き取るための表現:

What seems to be the problem today?
(本日はどのような症状でお越しになりましたか?)

Can you describe the pain? Is it sharp, dull, or throbbing?
(痛みの種類を教えていただけますか?鋭い痛み、鈍い痛み、ズキズキする痛みですか?)

On a scale of 1 to 10, how would you rate your pain?
(痛みの強さを1から10の段階で表すと、どのくらいですか?)

病歴を聴取する表現:

Have you had this type of headache before?
(このような頭痛は以前にもありましたか?)

Are you currently taking any medications?
(現在、何か薬を服用していますか?)

Do you have any allergies to medications?
(薬に対するアレルギーはありますか?)

Aさん
問診時は患者さんの回答を復唱して確認することで、誤解を防ぎましょう。「So you’ve had this headache for three days, correct?」(つまり、この頭痛は3日間続いているということですね?)

処置対応のための英語コミュニケーション練習

処置対応のための英語コミュニケーション練習

処置中は患者さんに安心感を与えながら、スムーズに作業を進める必要があります。

採血前の説明:

I need to draw some blood for testing. Have you had your blood drawn before?
(検査のために採血をする必要があります。以前に採血をしたことはありますか?)

I’ll try to make it as quick and painless as possible.
(できるだけ素早く痛みなく行います。)

Could you please roll up your sleeve and make a fist?
(袖をまくり、軽く拳を握っていただけますか?)

点滴の管理:

I’m going to check your IV now. Does it feel comfortable?
(点滴の確認をします。違和感なく快適ですか?)

Let me adjust the position slightly. Try not to move this arm too much.
(少し位置を調整しますね。この腕はあまり動かさないようにしてください。)

Aさん
処置中は「You’re doing great」(とても上手にできていますよ)や「Almost done」(もうすぐ終わります)などの声かけを行うと、患者さんの不安軽減につながります。

緊急時に必要な英語表現と急変対応訓練

緊急時には明確かつ迅速なコミュニケーションが求められます。

急変時の初期対応:

Sir, are you all right? Can you hear me?
(大丈夫ですか?聞こえますか?)

The patient is unresponsive. Call the emergency response team immediately.
(患者さんの反応がありません。すぐに救急対応チームを呼んでください。)

呼吸困難患者への対応:

Try to breathe slowly. I’m going to give you oxygen to help your breathing.
(ゆっくり呼吸してください。呼吸を楽にするために酸素を投与します。)

Stay calm. The doctor is on the way.
(落ち着いてください。今、医師が向かっています。)

Aさん
緊急時には「Please tell me immediately if you feel worse」(症状が悪化したらすぐに教えてください)のような具体的な指示を与えることが重要です。

退院案内をスムーズに行うための英語ロールプレイ

退院案内をスムーズに行うための英語ロールプレイ

退院案内は、病院が提供する医療の区切りになると共に、在宅療養への橋渡しとなる大切な業務です。

退院前の説明:

You’re scheduled to be discharged tomorrow morning. Let’s go over the discharge process.
(明日の午前中に退院の予定です。退院の流れについて説明しましょう。)

The doctor will visit you one last time tomorrow morning to give you final instructions.
(明日の朝、医師が最後の診察に来て、最終的な指示を出します。)

服薬指導:

This one is for pain and should be taken three times a day with meals.
(こちらは痛み止めで、食事と一緒に1日3回服用してください。)

This one is an antibiotic that needs to be taken twice a day until all pills are finished.
(こちらは抗生物質で、すべての錠剤を飲み終わるまで1日2回服用する必要があります。)

次回予約の説明:

You have a follow-up appointment with Dr. Tanaka on May 15th at 2:00 PM.
(5月15日午後2時に田中先生との次回予約があります。)

If you experience any concerning symptoms, please call our hospital’s main number and ask to speak with our department.
(気になる症状がある場合は、当院の代表電話にご連絡の上、当科までご相談ください。)

Aさん
退院時の説明は多くの情報が一度に提供される場面です。患者さんのペースに合わせ、理解度を確認しながら進めましょう。

まとめ

医療現場での英語コミュニケーションは、単なる語学力だけでなく、状況に応じた表現と対応が求められます。この記事で紹介したロールプレイング練習を定期的に行うことで、実際の場面で自信を持って対応できるようになるでしょう。

完璧な英語を話そうとするのではなく、患者さんの気持ちに寄り添い、わかりやすくシンプルなコミュニケーションを心がけることが大切です。

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