南フランスのプロヴァンス地方にたたずむ街・アルル。ここには、古代ローマ帝国の栄光と、中世キリスト教世界を伝える壮大な遺跡が数多く残されています。紀元前2世紀から続く長い歴史を誇り、かつてはローマ皇帝コンスタンティヌス1世も愛した都市。そして中世には、巡礼の出発点としてヨーロッパ中から信者が集う場所でもありました。
この記事では、世界遺産として登録された「アルル、ローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」の魅力を英語を交えながらご紹介します。
アルル、ローマ遺跡とロマネスク様式建造物群とは?

世界遺産に登録されたのは、古代ローマ時代の遺跡7件と、中世のロマネスク建築であるサン=トロフィーム教会。
その正式名称は英語で “Arles, Roman and Romanesque Monuments” と表記されます。
アルルってどんな町?
アルルは南フランス・プロヴァンス地方にある町で、実はフランス国内で最大の面積を持つコミューン(基礎自治体)です。
住民は Arlésiens(アルレジャン) と呼ばれますが、音楽や文学の題材としても登場し、特にフィンセント・ファン・ゴッホの名画「アルルの女(L’Arlésienne)」で世界的に知られています。
また、太陽の光にあふれた街並みは画家たちを魅了し、ゴッホはアルルで200点以上もの作品を残しました。
アルルの歴史
アルルの歴史は非常に古く、紀元前6世紀にギリシア人によって Theline という名で築かれました。紀元前535年にはケルト系のサルウィ族に支配され、街の名前は「アレラーテ(Arelate/湖、潟の近くという意味)」と呼ばれるようになります。
紀元前2世紀にローマの支配下に入ると、ローヌ川の河口に位置することから、ローマ帝国の商業都市として繁栄を極めました。
4世紀には皇帝コンスタンティヌス1世の時代に最盛期を迎え、キリスト教の拠点都市ともなり、宗教建築が数多く築かれます。
その後、9世紀には「アルル王国」の中心地となり、さらに中世にはサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路の出発点としても栄えました。
世界遺産としての価値

アルル、ローマ遺跡とロマネスク様式建造物群は、1981年にユネスコ世界遺産として登録されました。2006年に現在の正式名称に改称されています。
さらに、アルルの郊外にある アリスカンのサン=トノラ教会跡 は、別の世界遺産「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の一部としても登録され、二重の価値を持つ場所になっています。
ユネスコは、この遺産群を「古代から繁栄した交易都市で、文化・文明が接触し、交流が行われた」、「ローマの古代都市を中世のヨーロッパ都市へと適応させた都市である」として高く評価しています。
UNESCO World Heritage Convention:The Loire Valley between Sully-sur-Loire and Chalonnes
覚えておきたい英語
アルルを旅するときに役立つ英単語をピックアップしました。
monument(記念建造物)
Arles has many Roman monuments.
アルルには多くのローマ時代の建造物があります。
amphitheater(円形闘技場)
The amphitheater in Arles could hold 20,000 people.
アルルの円形闘技場は2万人を収容できました。
pilgrimage(巡礼)
Arles was an important starting point for the pilgrimage to Santiago.
アルルはサンティアゴ巡礼の重要な出発点でした。
Romanesque(ロマネスク様式の)
The Romanesque sculptures of Saint-Trophime are breathtaking.
サン=トロフィーム教会のロマネスク彫刻は息をのむ美しさです。
heritage(遺産)
UNESCO protects cultural heritage sites around the world.
ユネスコは世界の文化遺産を保護しています。
旅先で使える英会話フレーズ
旅行中、アルルの遺跡を見学すれば、観光客の人たちと感動を共有したくなるでしょう。そんな時に使える英語フレーズです。
訳)わぁ、この円形闘技場って大きいね!ここに2万人が座っていたなんて想像できる?
訳)信じられないよ!まるで古代ローマにタイムスリップしたみたいだ。
訳)教会の彫刻を見て。すごく細かいね。
訳)そうだね、このロマネスク様式は本当に見事だ。
訳)この浴場、とても保存状態がいいわ!当時の人たちはきっとリラックスするのが大好きだったのね
訳)本当だね、ローマ時代に日常生活がどれだけ大切だったか分かるよね。
おすすめ見どころ

アルルには古代ローマや中世の建造物が数多く残っています。円形闘技場や古代劇場、教会など、歴史を身近に感じられるスポットを巡りましょう。
円形闘技場
1世紀末に建造されたアンフィテアトルム(円形劇場)。最大で約2万人を収容でき、剣闘士の試合や娯楽の舞台として使われました。現在も闘牛やコンサートが開かれ、アルル市民の誇りとして生き続けています。
古代劇場
紀元前1世紀に建てられた劇場跡。中世には要塞や採石場として転用されましたが、19世紀に復元されました。ここから発掘された「アルルのヴィーナス」はルーヴル美術館に所蔵されています。
コンスタンティヌスの公衆浴場
4世紀に造られた大浴場跡。カルダリウム(温浴室)やテピダリウム(中温浴室)、サウナ室が残り、当時の生活文化を伝えています。
サン=トロフィーム教会
11~12世紀にかけて建てられたロマネスク様式の教会。入口ポルタイユ(正面玄関)の「最後の審判」の彫刻や、精緻な回廊装飾が必見です。中世巡礼者たちの祈りを今に伝える神聖な場所です。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう!
アルルは、古代ローマの遺跡と中世の教会が共存する街です。
円形闘技場や劇場に立てば当時の人々の息づかいを感じ、サン=トロフィーム教会では信仰と芸術の力に触れることができます。こうした体験を英語で表現すれば、旅の思い出が心に深く刻まれ、世界の人々とも共有できるでしょう。世界遺産の魅力を、ぜひ自分の言葉で語ってみてください。
