子どもたちが日々の英語活動の中で身につけた力を、保護者の前で自然に表現できるようにするには、短くて覚えやすく、かつ「自分の成長」を実感できるスピーチが効果的です。
「できるようになったこと」を主語にするスピーチが一番伝わる
子どもが自信を持って言える言葉のポイントは、次の3つです。
- 短く
- 意味がわかりやすく
- 具体的
特に効果的なのが「I can ~」を中心にした構成です。
例
I can jump. 私は跳べるよ。
I can write my name. 私は自分の名前が書けます。
I can count to ten. 私は10まで数えることができます。
「自分でできるようになったこと」を言うことで、保護者も子どもの成長を視覚的・聴覚的に実感できます。
年齢に合わせたスピーチ構成

3~4歳
一文スピーチ+簡単な動作
例:
I can jump.
私は跳べます。(その場でジャンプ)
4~5歳
二文構成でシンプルな自己紹介を追加
例:
My name is Hana. I can draw a cat.
私の名前はハナです。猫を描くことができます。
5~6歳
三文構成で「好きなこと」や「感想」をプラス
例:
My name is Kaito. I can ride a bike. I like riding fast.
私の名前はカイトです。自転車に乗れます。速く走るのが好きです。
スピーチ練習の工夫

1.まずは絵カードや写真で「自分」を見える化
自分の得意なこと、日常の姿を写真に撮り、そこからスピーチ内容を決めていくとイメージしやすくなります。
2.ジェスチャーをセットで覚える
英語と動きがセットになると記憶に残りやすく、保護者にも成長が伝わります。
3.「友だちとペア練習」で緊張をほぐす
互いのスピーチを聞き合うことで、自信が育ちます。
参観日にそのまま使えるスピーチスクリプト
短いスピーチ(3~4歳向け)
Teacher: “Everyone, show your families what you can do. Let’s start.”
「 皆さん、ご家族に自分の実力を見せてあげましょう。さあ、始めましょう。」Child: “My name is ___.”
「私の名前は___です。」Child: “I can jump.”
「私は跳べます。」(動作)Child: “Thank you.”
「ありがとう。」
成長が見えるスピーチ(4~5歳向け)
Teacher: “Next is ___. Please show us your special skill.”
「次は___です。あなたの特技を見せてください。」Child: “My name is ___.”
「私の名前は___です。」Child: “I can draw a dog.”
「犬を描けるよ。」Child: “I like dogs.”
「私は犬が好きです。」Child: “Thank you for listening.”
「お聞きいただきありがとうございました。」
自信を持って話すスピーチ(5~6歳向け)
Teacher: “Now, let’s listen to ___’s speech.”
「さあ、___さんのスピーチを聞きましょう。」Child: “Hello, everyone.”
「みなさん、こんにちは。」Child: “My name is ___.”
「私の名前は___です。」Child: “I can ride a bike. I practiced a lot.”
「自転車に乗れます。たくさん練習しました。」Child: “I feel happy when I can ride fast.”
「自転車で速く走れると嬉しいです。」Child: “Thank you.”
「ありがとう。」
クラス全体でできる発表アイデア
1.「I can parade」
一人ずつ前に出て、短いスピーチと動作をセットで披露。
テンポよく進むので、保護者も飽きずに楽しめます。
2.「みんなの成長アルバム」英語スライドショー
子どもが練習している様子や日々の活動の写真を背景に、録音した「I can ~」音声を流す方法。
当日はライブスピーチと組み合わせても効果的です。
3.フィナーレは全員で
“We can do many things!”
のコールで締めると、達成感が生まれます。
保護者に伝わる英語フレーズ掲示
参観日当日、壁に「Today’s English」コーナーを作るのもおすすめです。
- I can do it.
私ならできる。 - Look what I can do.
見てよ、僕にできること。 - I tried my best.
私は最善を尽くしました。 - Great job.
よくやったね。 - You did it.
やったね!
応援フレーズが見えることで、家庭での言語サポートにもつながります。
恥ずかしがり屋の子どもへのアプローチ
まずは「声に出さない準備」からスタートする
恥ずかしがり屋の子にとって、人前で話すのは大きな負担です。
いきなり声を出すのではなく、次のステップを踏むと安心できます。
ステップ例
- 写真や絵カードを見せながら口パクで練習
- 先生の声と一緒に言う(声が混ざるので安心)
- 少人数での練習(仲の良い友だちと)
- 最後に一人で言ってみる
「いきなり単独発表」ではなく「段階的に慣れる」ことが大切です。
話す内容を“本人が自信のあること”にする
恥ずかしがり屋の子は、普段から得意としていることなら意外と話しやすいものです。
- I can build blocks.
私はブロックを作ることができます。 - I can help my friends.
私は友達を助けることができます。 - I can clean up fast.
私は素早く片付けられます。
運動系でなくても、思いやりや生活面のスキルでも十分立派なスピーチになります。
「動作つき」にすることで、言葉より動きに意識が向き、緊張が軽くなる
例えば
- I can jump.
私は跳べます。 - I can draw.
私は絵が描けます。 - I can kick a ball.
私はボールを蹴ることができます。
などは、動きがメインになるため、声が小さくても「できた感」が伝わります。
“小さな成功体験”を積ませる
練習中に、先生ができるだけ具体的にほめます。
- You said it clearly.
あなたははっきりと言えました。 - Good try.
よくやったね。 - I like your gesture.
あなたのジェスチャーが好きです。
恥ずかしがり屋の子には、この小さな成功が大きな安心を生みます。
参観日当日は「サポートつき発表」にする
1.先生が隣に立つ
先生が隣で一緒に言う、あるいは子どもの言葉を“エコー”のように後から繰り返すと安心できます。
2.ペア発表
仲の良い友だちと一緒に発表し、
I can jump. Ready? Go.
跳べるよ。準備はいい? 行くよ。
のように二人同時で言う方法も効果的です。
3.グループ発表からスタート
個別発表が難しい場合は
- グループで同じフレーズを言う
- 全員の後に「一言だけ」発言する
といった形でも、十分成長が伝わります。
保護者向けの配慮メッセージを事前に入れておく
参観日プリントやお知らせに、次のような文を入れると、保護者の理解が深まり、子どもが安心します。
- Some children may feel shy in front of many people.
多くの人々の前では、恥ずかしがる子供もいます。 - We will support them gently so that they can express themselves in their own way.
私たちは彼らを優しく支え、彼らが自分なりの方法で自分を表現できるようにします。
これにより、保護者の期待値が調整され、子どもが自分のペースで発表できる雰囲気を作れます。
恥ずかしがり屋の子のための「安心スピーチ例」
(先生が横でそっとサポートする前提)
Teacher: “It’s okay. Let’s say it together.
「大丈夫。一緒に言いましょう。」Child: “My name is ___.”
私の名前は___です。Teacher(小声で): “You can do it.”
「君ならできるよ。」Child: “I can draw.”
「私は絵が描けます。」(ジェスチャーまたは絵を見せる)Teacher: “Great job.”
「よくやったね。」Child: “Thank you.”
「ありがとう。」
このように、補助つきでも、英語での自己表現ができれば、それは大きな成長です。
まとめ
「Look what I can do! 」という言葉は、子どもが自分の成長を実感し、自信を持って発表するための最強のフレーズです。
短いスピーチでも、そこに込められているのは毎日の練習や努力の積み重ね。
参観日が、子どもにとって自信を深める特別な時間になるよう、英語でのミニスピーチ作りをぜひ楽しんでください。
