参観日は、子どもたちの日々の成長を保護者に実感してもらえる大切な機会です。
バイリンガル保育園では、英語での自己紹介や歌、遊びを見てもらうことで、英語活動が生活の中で自然に根付いている様子を伝えることができます。
まずは「見せたい成長」を決める

参観日の目的は、流暢な英語を発表することよりも、子どもが楽しみながら英語で表現する姿を見せることにあります。
以下のような視点で「どの成長を見せたいか」を明確にすると構成が決めやすくなります。
- 名前や年齢など、シンプルな英語を自信を持って言う姿
- 歌やチャンツで体を動かしながら英語を使う様子
- 英語の指示に反応する日常の活動
- 英語でのやり取り(Yes/No、Can I〜?、I like〜など)
目的が固まると、プログラムの流れや時間配分も作りやすくなります。
当日までの準備:子どもも安心、保護者も理解できる仕掛け

1. いつもの英語ルーティンをそのまま持ち込む
子どもが普段やっている活動をそのまま見せると、安心して取り組めます。
例:
- Good morning song
- Weather check
- Attendance check
- Simple greeting game
特別な演出よりも「いつもの英語」が保護者にとって最も価値があります。
2. 子ども向けの“参観日ブックレット”を作る
歌詞や自己紹介文、フォニックスの文字などをまとめた小冊子を前日までに配布すると、家庭でも話題にしやすく、発表への期待も高まります。
3. 保護者向けに簡単な英語の説明プレートを準備
活動中に掲示しておくと理解が深まります。
- “This is our greeting song.” 「これが私たちの挨拶の歌です。」
- “We practice simple questions every day.” 「私たちは毎日、簡単な質問を練習しています。」
- “Children respond to English instructions naturally.” 「子どもたちは英語の指示に自然に反応します。」
文章は短く、視覚的に分かりやすいものがおすすめです。
プログラム構成例:無理なく、自然に、英語を発表

1. 英語で自己紹介
シンプルで成功体験につながる内容が良いでしょう。
- My name is …
- I am … years old.
- I like …
- My favorite color/animal/food is …
緊張して話せなくても、保育士が横からプロンプトすることで安心して参加できます。
2. 歌・チャンツ・リズム遊び
短い歌を2〜3曲選ぶと、テンポよく進みます。
おすすめの構成:
- 体を動かす歌
- 指先を使うチャンツ
- 季節の歌
例:Head, Shoulders, Knees and Toes/If You’re Happy/Open, Shut Them など
3. 英語で遊ぶミニアクティビティ
保護者参加型にすると雰囲気が温かくなります。
- カードタッチゲーム(保護者も一緒にどれがappleか探す)
- アクションゲーム(Jump, Clap, Spin などの動作)
- 色・形探しゲーム(Find something red.)
日常の英語活動をそのまま体験してもらうことで、保育園の英語が「特別なレッスン」ではなく「生活の一部」であると伝わります。
発表を成功させる進行のコツ

1. 子どもの不安を減らすための工夫
- いつもの部屋、いつもの場所で行う
- 前日に“mini rehearsal”で流れだけ確認
- 保育士がそばにいて、言葉を優しくサポートする
英語を完璧に言うことよりも、楽しんで参加できることが大切です。
2. 保護者も英語が分かるようにナレーションを添える
時々、保育士が日本語で説明を入れると安心感が生まれます。
例:
「これは毎朝行っている天気のチェックです。英語で質問をすると、子どもたちはジェスチャーを交えて答えています。」
3. 写真・動画ポイントを事前に伝える
「ここで写真撮影ができます」「この場面だけ動画撮影が可能です」など明示すると、保護者が焦らず楽しめます。
参観日の締めくくり:伝わるメッセージを添える
最後に、保育士から以下のようなメッセージを伝えると、保護者の安心感につながります。
- 英語は毎日の積み重ねで自然に身につくこと
- 子どもは聞いて理解している力が大きいということ
- 今日の発表は普段の姿の一部であること
短いスライドや掲示を添えるとさらに効果的です。
当日の進行台本(スクリプト)例

園やクラスの規模に合わせて調整できる、汎用的な台本です。
日本語と英語をセットで入れているので、そのまま使えます。
1. 開会・ご挨拶
先生(日本語)
「みなさま、本日はお越しいただきありがとうございます。
今日は、子どもたちが普段取り組んでいる英語活動を、保護者の皆さまに見ていただく時間です。どうぞリラックスしてご覧ください。」
Teacher(English)
“Good morning, everyone. Thank you for coming today.
We would like to show you some of our everyday English activities.”
2. 自己紹介タイム
先生(日本語)
「最初は、子どもたちの英語での自己紹介をご覧ください。」
Teacher(English)
“First, the children will introduce themselves in English.”
子どもたちが順番に:
- “My name is ___.”
- “I am ___ years old.”
- “I like ___.”
- “My favorite color / animal / food is ___.”
※ 緊張して言えない子には、先生が横から優しく促す(「What do you like?」など)
先生(日本語)
「みんな、とても上手にできましたね!」
3. 歌・チャンツ
Teacher(English)
“Now, let’s sing some songs together!”
(歌の例)
- “Head, Shoulders, Knees and Toes”
- “If You’re Happy and You Know It”
- “Open, Shut Them”
※動作を大きめにして、保護者の方にも見やすいように指導
保護者参加タイム(ある場合)
Teacher(English)
“Parents, please join us if you like!”
先生(日本語)
「よろしければ、保護者の皆さんも一緒に動いてみてください。」
4. 英語アクティビティ(遊び)
Teacher(English)
“Next, we will play a game in English.”
例:色探しゲーム(Color Hunt)
Teacher:「Find something red!」
(子どもが赤い物を探してタッチ)
例:アクションゲーム(Action Time)
Teacher:「Jump! Clap! Turn around! Touch your toes!」
※この間、保護者に向けてナレーションを入れると効果的:
先生(日本語)
「子どもたちは、普段このように英語の指示を聞いて動いています。歌や遊びを通して自然に理解できるようになっています。」
5. まとめの挨拶
先生(日本語)
「本日は、お子さまの日頃の英語活動をご覧いただきありがとうございました。
英語は遊びや日常生活の中で、少しずつ積み重ねていくことで身に付いていくものです。今日の姿を、お家でもぜひ話題にしてみてください。」
Teacher(English)
“Thank you for joining us today.
We hope you enjoyed watching the children use English naturally in their daily routines.”
6. 写真・ビデオタイム(ある場合)
先生(日本語)
「これから数分間、写真やビデオの撮影をしていただけます。他のお子さまの写り込みにはご配慮ください。」
Teacher(English)
“You may take photos or videos now.
Please be mindful of others’ privacy.”
7. 閉会
先生(日本語)
「以上で、英語活動の参観を終了します。本日はありがとうございました。」
Teacher(English)
“That concludes our session. Thank you very much for coming.”
まとめ
参観日は、子どもたちが英語で表現する喜びを保護者と共有できる貴重な時間です。
特別な発表をする必要はなく、普段の生活に根ざした英語活動こそが、保育園の魅力として伝わります。
保護者にも子どもにも負担のない形で、自然な英語時間をそのまま届けてみてください。
