製造業のエンジニアや技術職を採用する際、英語面接で確認したいのは、英語を流暢に話せるかどうかだけではありません。技術職の採用では、専門知識をどの程度持っているかに加え、その知識を実際の仕事でどのように使ってきたのかを見ることが大事です。
例えば、技術的な問題が発生したときに、原因をどのように分析したのか。複数の選択肢から、なぜその方法を選んだのか。安全性や品質に問題があると判断したとき、どのような行動を取ったのか。
また、グローバルな環境では、専門知識の異なる相手に対して技術的な内容を説明する力も必要です。専門用語を知っているだけでなく、相手の理解度に合わせて説明し、認識を共有できることが重要になります。
本記事では、英語面接で候補者の専門性を見極めるための質問例やポイントを紹介します。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 専門用語を相手に合わせて説明できるかを確認する:英語の流暢さよりも、技術的な内容を正確に、相手の知識レベルに合わせて説明できるかが重要です。
- 問題解決のプロセスと判断の根拠を聞く:原因の分析や解決策を選んだ理由を具体的に聞くことで、実務での問題解決力を見極められます。
- 安全意識・品質意識も評価項目に含める:問題を見過ごさずに行動した経験や、効率と品質をどう両立させたかを聞き、現場での姿勢を確認します。
専門用語説明力の確認

技術職では、自分が専門的な知識を持っていることと、それを他者に分かりやすく伝えられることは別の能力です。
特にグローバルな職場では、技術者同士であっても専門分野が異なる場合があります。また、営業や企画、経営層など、技術的な知識を持たない相手に説明する場面もあります。
そのため、面接では候補者に専門用語の説明力があるかどうかを見極めなければなりません。
技術的な内容を自分の言葉で説明できるか
例えば、次のように質問します。
Could you explain a technical concept that is important in your current work in simple terms?
現在の仕事で重要な技術的概念について、分かりやすく説明してください。
ここでは、候補者が専門的な技術の内容を面接官にわかりやすく説明できるか、説明しようと努めているかを見ることができます。
面接官は、英語の表現が多少たどたどしくても、技術的な内容が正確か、自分の言葉で説明できているかを見ることがポイントです。
in simple terms=簡単な言葉で(英辞郎)
相手の知識レベルに合わせて説明できるか
技術者同士であれば専門用語を使って説明できますが、実際の仕事では、技術的な知識が異なる相手に説明しなければならない場面もあります。
そこで、次のように聞いてみます。
How would you explain a complex technical issue to someone without an engineering background?
技術的な知識がない人に、複雑な技術上の問題をどのように説明しますか。
この質問では、相手に応じて説明方法を変えられるかを確認します。
例えば、専門用語を避けて具体例を使うのか、まず結論を説明してから詳細を説明するのか、図やデータを使うのかなど、候補者がどのような工夫をするのかを見ます。
特にグローバルな環境では、同じ技術について話していても、相手によって知識や経験が異なります。相手の理解度を考えずに専門用語を使い続けるのではなく、伝え方を調整できる人材かどうかは重要な評価ポイントです。
問題解決プロセスの可視化

技術職の専門性を見極めるうえでは、問題が起きたときにどう考え、どう解決したかを確認することが大事です。
技術的な問題解決プロセスを確認する
Tell us about a technical problem you faced and how you solved it.
これまでに経験した技術的な問題と、それをどのように解決したか教えてください。
何が問題だったのか、最初に何を確認し、どのような原因を想定したのか。さらに、どのような解決策を検討し、なぜその方法を選んだのかまで聞くことで、問題解決のプロセスを具体的に把握できます。
問題解決に至るまでの考え方を確認する
問題解決の過程でどのように考え、判断したのかに焦点を当てます。
How did you decide what to do first when you encountered the problem?
その問題に直面したとき、まず何をすべきか、どのように判断しましたか。
What factors did you consider when choosing the solution?
解決策を選ぶ際、どのような点を考慮しましたか。
これらの質問から、候補者が問題に直面した際に、状況を整理し、優先順位をつけながら対応できるかを確認します。特に、品質やコスト、納期、安全性など、複数の条件を考慮して判断していたかを見ることで、実務での問題解決力をより具体的に見極めることができるでしょう。
安全意識・品質意識の確認

製造業の技術職では、安全や品質に対する意識も重要な評価項目です。
安全・品質上の問題にどう対応したか
そこで、実際の経験を聞きます。
Tell us about a time when you identified a potential safety or quality issue. What did you do?
安全上または品質上の問題につながる可能性のある事象を発見した経験について教えてください。そのとき、どのように対応しましたか。
この質問では、問題を発見したときに、それを見過ごさず適切に行動できるかを確認します。
例えば、上司や関係部署に報告したのか、作業をいったん止めて確認したのか。具体的な対応を聞くことで、安全や品質に対する候補者の姿勢を見極めます。
生産効率と安全・品質をどう両立するか
製造現場では、安全や品質を守ることと、生産効率や納期を高めることが常に両立するとは限りません。
How do you balance production efficiency with safety and quality?
生産効率と安全・品質を、どのように両立させていますか。
ここでは、候補者が安全や品質をどのように位置づけているのかを確認します。
さらに、次のような質問もできます。
Can you give us an example of a situation where you had to choose between efficiency and quality? How did you make your decision?
効率と品質のどちらを優先するか判断する必要があった場面について、具体的な例を教えてください。どのように判断しましたか。
特に製造現場では、一人の判断が製品や設備、従業員の安全に影響することもあります。そのため、問題が起きた際に適切なタイミングで周囲に共有できるかどうかも確認したいポイントです。
make one’s decision=判断する、決断する(英辞郎)
よくある質問
技術職の英語面接では、英語力以外に何を確認すべきですか?
専門知識を実務でどう活かしてきたかを確認することが大切です。具体的には、技術的な内容を説明する力、問題解決のプロセス、安全や品質に対する意識などを、実際の経験をもとに見極めます。
候補者の英語がたどたどしい場合、どう評価すればよいですか?
英語の表現が多少たどたどしくても、技術的な内容が正確か、自分の言葉で説明できているかを重視します。相手の理解度に合わせて伝え方を工夫しているかも評価のポイントです。
安全意識や品質意識は、面接でどのように確認できますか?
安全上や品質上の問題を発見したときに、どのように対応したかという実際の経験を聞きます。報告や作業停止などの具体的な行動や、効率と品質をどう両立させたかを確認することで、候補者の姿勢を見極められます。
まとめ
技術職の英語面接では、英語を流暢に話せるかどうかだけで、候補者の技術力を判断することはできません。専門知識を実務でどう活かしてきたか、技術的な問題にどう向き合い、どのような判断をしてきたかを確認することが大切です。
そのためには、専門用語の知識だけでなく、技術的な内容を相手に合わせて説明する力や、問題の原因を分析して解決策を導き出す力について、具体的な経験を聞くことが有効です。
さらに、製造やエンジニアリングの現場では、安全や品質に対する意識も欠かせません。実際の経験をもとに質問することで、候補者が現場でどのように考え、行動してきたのかをより具体的に見極められます。
英語面接を「英語力を確認する場」にとどめず、技術者としての専門性、問題解決力、判断力、安全・品質への意識まで含めて評価する場として設計することが、採用の精度を高めるポイントでしょう。
