日本語では、色々な場面で「サンプル」というカタカナ英語が使われますね。
何かを買う前にサンプルを参考にして、反対に、買った後に無料のサンプルがもらえて、その結果が調査のサンプルになって…。
このように、サンプルと言うカタカナ英語は多彩な意味で使われますが、本来の英語ではどうなのでしょう。同じ意味なのか、全然違う意味なのか、気になりますね。
ということで、今回のテーマは「サンプル」です。英語の sample という単語の表す意味について深掘りし、似た意味を表す類語についても詳しく解説していきます。
これを読めば、日本語のサンプルと英語の sample について、理解が深まること間違いなし。
それでは、早速始めていきましょう!
「サンプル」は英語で何て言う?
日本語で多彩な使われ方をする「サンプル」は、英語でも “sample” です。発音もカタカナ英語そのままの「サンプル」で充分通じます。
sample の語源を紐解くと、ラテン語で「たくさんの中から取り出されたもの」という意味を表す “exemplum” という語が由来になっているようです。確かに、サンプルは見本にしても試供品にしても、たくさんのものを代表するものというイメージがありますね。
ちなみに、「例」という意味で有名な “example” も、sample と同じく exemplum を語源としています。というより、sample は example を短縮して生まれた単語のようです。言われてみれば、後半のスペルが同じですよね。
「見本、標本、試供品」は全部 sample でOK?
日本語の「サンプル」というカタカナ英語は「見本、標本、試供品」などと色々な意味で使われますが、英語の sample も同じです。カタカナ英語には和製英語が多い中、ここまで使い方が英語に忠実な単語は珍しいですよね。
証拠として、①見本、②標本、③試供品という3つの意味での sample の使用例を見てみましょう(いわば、sample のサンプル!)。
sample(見本)
Can I check a sample of this fabric?
訳)この生地のサンプル(見本)を確認してもいいですか?
sample(標本)
These samples show that Japanese men tend to like cars better than women like.
訳)これらのサンプル(標本)によると、日本人男性は女性に比べて自動車が好きな傾向が強いことがわかります。
sample(試供品)
When I buy cosmetics at the shop, they give me many free samples.
訳)そのお店で化粧品を買うと、たくさんのサンプル(試供品)をくれます。
「試供品」という意味の場合、このように「無料」という点を強調して “free sample” と言うことが多いです。
食品サンプルは英語で?
本物と見紛うばかりに精巧に作られた「食品サンプル」は英語で何と言うのでしょう?
「これはさすがに和製英語なんじゃ…」、そう思った人も多いでしょう。しかし、これも “food sample” で通じます。
というより、実は食品サンプルは日本発祥のものなので、食品サンプルという言葉が英訳されて food sample になったという、通常とは逆の流れを辿っているんです。真の和製英語って感じですね。
ちなみに、food sample 以外の表現としては、”food display” や “fake food” なんて言い方もあります。「偽の食品」とは、なんとも直接的な言い方ですね。
サンプル以外の「見本、標本、試供品」を表す英単語を覚えよう
以上見てきたように、英語の sample は日本語で使うサンプルと同じように、「見本、標本、試供品」の幅広い意味を表せる万能選手です。しかし、万能であるが故に、具体的にどの意味を表すかがわかりにくいというデメリットもあります。
Please give me a sample.
訳)サンプルをください。
たとえば上記のように言われたら、文脈が無いと「見本?標本?それとも試供品?」と混乱してしまいますよね。
ということで、ここからは sample 以外に「見本、標本、試供品」を表す英単語について、詳しく確認していきます。これらを覚えれば、実用的なボキャブラリーが身に付きますよ。
「見本」in English
「見本」を表す表現としては、sample 以外に “display”、”example”、”model” などが挙げられます。
display(ディスプレイ)は特に、「見本として見せるもの」を表します。お店などに陳列されている見本のイメージです。
This shirt will be used as a display in the shop.
訳)このシャツはお店の見本として使われる予定です。
example は広く「例としての見本」を表します。この記事で使われるAさんとBさんの会話などは、典型的な example conversation です。
Our conversation is…
訳)私たちの会話が…
The example!
訳)具体例だ!
model は「真似するための見本」というイメージ。特に役割の手本(模範)というニュアンスで “role model“ と言うことも多いです。
My father is my role model.
訳)父は私の手本となる存在です。
「標本」in English
sample は「標本」を表すと言いましたが、それはあくまで「統計学的な標本」です。動物や植物などに適切な処置を施して長期保存する「標本」の場合は、”specimen(スペシメン)” の方が適切です。
specimen の原義は「見るもの」。標本の他には「検体」という意味に取ることもできます。
My hobby is to collect butterfly specimens.
訳)私の趣味は蝶の標本を集めることです。
「試供品」in Englsih
無料でもらえる「試供品」は、sample 以外に “free gift”、”freebie” と呼ばれることもあります。
gift(ギフト)は「贈り物」という意味。贈り物は本来無料ですが、敢えて free を添えることで手軽にもらえるオマケのようなニュアンスを表します。
freebie(フリービー)は free gift のスラング版。同じ試供品でも、お店の店員さんは free gift、お客さんは freebie と言い分けるイメージです。
This is a free gift.
訳)こちらは試供品です。
I got a freebie!
訳)試供品もらった!
まとめ
今回は「サンプル」をテーマにお話ししてきました。
日本語の「サンプル」と英語の “sample” は、基本的にまったく同じ意味で使うことができます。ただ、「見本、標本、試供品」という具体的な意味を強調したい場合は、それぞれ別の表現に言い換えてあげると、相手も理解しやすくなるのでおすすめです。
今回ご紹介したことを参考に、身の回りにある色々なサンプルについて、英語でもドンドン表現していきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!