今回のテーマは「スカート」です。スカートを英語で何と言うかはもちろん、スカートがいつから存在するのか、なぜ女性が履くイメージが強いのかなどについても、詳しく解説していきます。

また、記事の後半では「ミニスカート」や「フレアスカート」など、具体的なスカートの名前についても触れています。これらを英語で何と言えばよいか気になっていた方は、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「スカート」は英語で何て言う?

「スカート」は英語でも “skirt” と言います。発音記号は「skˈɚːt」で、カタカナで表記すると「スカートゥ」が近いですが、カタカナ英語そのままに「スカート」と言っても充分通じるでしょう。

スカートは腰より下を覆う筒状の衣服のことで、日本語のスカートも英語の skirt も、基本的にはまったく同じものを指しています。

Aさん
I love skirts, and I have around 100 of them.
訳)私はスカートが大好きで、100着くらい持っています。

skirt の語源は?

skirt の語源は古く、中期英語の “skyrte” という単語が由来とされています。綴りこそ若干違いますが、おそらく発音は現代の skirt とほぼ一緒だったのではないでしょうか。

ちなみにこの skyrte を更に掘ると、「切る」を意味する “sker-“ という語根に行き着きますが、これは shirt(シャツ)や short(短い)と同じ語源だといわれています。長いものを切るから短くなるというイメージでしょう。

若い女性がスカートを短くしたがるのは、もしかしたら語源に理由があるのかもしれませんね…。

Aさん
The reason I feel like shortening my skirts is because the word “skirt” shares the same origin as “short”…
訳)私がスカートを短くしたくなるのは、スカートの語源がショート(短い)と共通しているせいなんだ…。
Bさん
What are you talking about?
訳)何言ってんの?

 

昔は男性もスカートを履いていた?

現代では、スカートは女性が履くものだという固定観念がありますが、もともとは男女関係なく履いていたものということをご存知でしょうか。

スカートの起源は一説によると、古代エジプトの頃にあった「ロインクロス(loincloth)」という衣服だといわれています。

ロインクロスは現代のように洗練された形はしておらず、ただ腰に布を巻き付けたような形状でした。loin は「腰」、cloth は「布」という意味なので、loincloth でそのまま「腰布」という意味になります。よくアニメなどで、原始時代の人々が腰布を巻き付けている描写がありますが、あのようなイメージでしょう。

Aさん
Look, the primitive humans in this book are wearing skirts! It’s fashionable, isn’t it?
訳)見て、この本に載ってる原始人スカート履いてる!おしゃれじゃない?
Bさん
Indeed, depending on how you look at it, it could be seen as cutting-edge fashion!
訳)確かに、見方によっては最先端ファッションに見えるかも!

 

男性がスカートを履くのが当たり前になるかも?

そこから時代が下り、中世の頃にズボン(trousers, pants)が生まれ、それを機に「男性=ズボン」「女性=スカート」という住み分けが定着したといわれています。

しかし、現代では女性がズボンを履くのはもはや当たり前であり、男性がファッションとしてスカートを履くことも増えてきました。

ジェンダーフリーが進むことで、今後スカートの持つイメージは大きく変わっていくかもしれませんね。

Aさん
Hey, the skirt you’re wearing looks really fashionable.
訳)ねえ、君の履いてるスカートはとってもおしゃれだね。
Bさん
Thank you. Your pants look great too.
訳)ありがとう。君のズボンも素敵だよ。

 

「スカートを履く」「スカートを脱ぐ」は英語で何て言う?

「スカートを履く」「スカートを脱ぐ」は英語で何て言う?

ここからは、具体的にスカートを履いたり脱いだりすることを英語でどう表現するのか、詳しく確認していきましょう。

「スカートを履く」in English

「スカートを履く」は英語で “put on a skirt” と言います。

put on はスカートに限らず、洋服全般を着る動作を表します。そのため、put on a shirt なら「シャツを着る」、put on glasses なら「眼鏡をかける」、そして put on a skirt なら「スカートを履く」と、日本語に訳した際は動詞が異なる点に注意しましょう。

また、「スカートを履いている」という状態を表す際は “wear a skirt” となります。動作か状態かによって使い分けないと、以下のやり取りのような誤解が生まれかねないので要注意です。

Aさん
That woman over there is putting on a lovely skirt.
訳)あそこの女性が素敵なスカートを履こうとしてるよ。※「履いてるよ(wear)」と言ってるつもり
Bさん
What?! In public!
訳)そんな!? 公衆の面前なのに!

 

Aさん
Huh?
訳)はあ?

「スカートを脱ぐ」in English

「スカートを脱ぐ」は英語で “take off a skirt” と言います。take off は put on の対義語として、洋服全般の脱ぐ動作に使えます。

なぜ「脱ぐ」が take off なのかというと、「手に取って(take)身体から離す(off)から」です。

take off は他に、飛行機が「離陸する」という意味でも使われますが、どちらも off の離れるイメージが効いていますね。

Aさん
When the airplane took off, I took off my skirt at the same time.
訳)飛行機が離陸すると同時に、私はスカートを脱いだ。
Bさん
You really love puns, don’t you?
訳)君って本当にダジャレが好きだよね。

 

「ミニスカート」などの「○○スカート」を英語で言ってみよう

「ミニスカート」などの「○○スカート」を英語で言ってみよう

最後に、ミニスカートやタイトスカートなどの「○○スカート」を英語で何と表現するか、1つひとつ詳しく確認していきましょう。

「ミニスカート」in English

「ミニスカート」は英語でも “miniskirt” と言います。

ミニスカートとは、丈が膝より上に来る非常に短いスカートのこと。1960年代に人気モデルが履いたことで世界的な流行となりましたが、現在でも若い女性を中心に人気があります。

ちなみに、mini と small はどちらも「小さい」を表しますが、small が他のものと比べた「相対的な小ささ」である一方、mini は「絶対的な小ささ」を表します。たしかに、ミニスカートは誰の目から見ても小さい(短い)ですよね。

「タイトスカート」in English

スーツスタイルなどでよく使われる「タイトスカート」は、英語だと “pencil skirt(ペンシルスカート)” と言うのが一般的です。pencil はご存知の通り「鉛筆」の意味ですが、そこから「鉛筆のように細いスカート」という意味で pencil skirt と呼ばれています。

日本のタイトスカートは「きつい、締める」を意味する tight から来ていますが、日本以外では通じない和製英語なので注意しましょう。

「プリーツスカート」in English

山折りと谷折りの「ひだ」が交互に入った「プリーツスカート」は、英語では “pleated skirt(プリ―テッドスカート)” と言います。

ここで使われている pleat は「ひだ」という名詞のほか「ひだを付ける」という動詞でも使われます。日本式のプリーツスカートが「たくさんのひだ(pleats)があるスカート」という意味なのに対し、英語式の pleated skirt は「ひだが付けられた(pleated)スカート」という意味になっています。

日本式のプリーツスカートという呼び方は海外では伝わらない可能性が高いので、くれぐれも注意しましょう。

「フレアスカート」in English

裾が末広がりになっている形状の「フレアスカート」は、英語でもそのまま “flare skirt” と言います。

flare と聞くと「炎」の意味を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、動詞だと「(朝顔状に)広がる」という意味もあるんです。flare skirt の場合は、裾が外側に広がる様が朝顔のように見えることから、このように名付けられたのでしょう。

また、flare skirt には別名として “A-line skirt” という表現もあります。末広がりになった形状がアルファベットのAに見えることから、このように呼ばれ始めました。

「ジャンパースカート」in English

ベストとスカートが一体になったような形状の「ジャンパースカート」は、英語だと “jumper dress”、あるいは単に “jumper” と言います。

先述のように、スカートは本来「腰より下を覆う筒状の衣服」を表すので、肩紐まで付いているジャンパースカートはその範疇に含まれません。そのため、英語ではドレスの一種として jumper dress と呼ばれます。

なお、jumper はイギリス英語だとプルオーバーのセーターを、アメリカ英語だとジャンパースカートを表します。その原義はどちらも「ジャンプする(jump)人(-er)」ですが、着るときの動きが名前の由来かもしれませんね。

Aさん
Hup!
訳)よいしょ!
Bさん
The way you put on a jumper dress makes you look like a little kid jumping around.
訳)君がジャンパースカートを着る様子は、ちびっ子がジャンプしているみたいに見えるね。

 

Aさん
Just as the name “jumper” suggests!
訳)「ジャンパー」って名前の通りだね!

まとめ

今回は「スカート」をテーマにお話ししてきました。

スカートは英語でも “skirt” です。今でこそ女性服というイメージの強いスカートですが、歴史的には男女関係なく着られてきた伝統的な洋服です。今後ジェンダーフリーが進むことで、男性がスカートを履くのが当たり前になる世界がやってくるかもしれませんね。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!