「ギミック効果」や「ギミック広告」など、「ギミック」という言葉を聞いたことはありますか?

「ギミックが効いたゲーム」は、プレーヤーを引きつける面白い仕掛けのことですが、「ギミックが効いた宣伝」は、消費者の購買意欲をかき立てる巧妙な広告を指しています。
このように、使われるシーンによって異なる意味を持つ「ギミック」は、英語”gimmick”に由来したカタカナ言葉です。

「ギミック」は聞いたことがあっても、英単語の”gimmick”はあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、聞き慣れたカタカナ言葉「ギミック」について、意外と知られていない”gimmick”の意味と使い方、類義語を紹介していきます。

「ギミック」とは

「ギミック」とは

「ギミック」とは、英単語”gimmick”を語源とするカタカナ言葉で「手品」や「しかけ」といった意味を持っています。

  • 手品やおもちゃなどのしかけ
  • 映像や音による特殊効果
  • 不正なしかけ、からくり
  • 巧妙に作られた小物や道具
  • 宣伝広告の巧みな策略、戦術
  • 隠された不安材料、落とし穴

上記のような、巧妙に作られた「しかけ」や「からくり」などの総称が「ギミック」です。

ビジネスにおける「ギミック」

「ギミック」は、ビジネス、特に販売やマーケティングの分野で使われることも多い言葉です。
ビジネスにおける「ギミック」は、企業が製品を売るための「宣伝のしかけ」を指します。

製品自体に組み込まれた「しかけ」ではなく、消費者の目を引くため、製品を買ってもらうために用いられる一味違った宣伝手法です。
表からは見えない巧妙なしかけがあり、消費者が驚く魅力的な要素が詰まった広告を「ギミックがある」「ギミックが効いている」と表現します。

「ギミック」と似ているカタカナ言葉

ちょっとした「しかけ」や「からくり」、売るための「宣伝」や「戦略」を表す「ギミック」。
似たような意味を持つ言葉として、「トリック」と「アイディア」が挙げられます。

トリック」… 策略、いたずら、相手を騙そうとするたくらみ、悪意のない冗談など
「アイディア」… 考え、着想、思いつき、想像力、概念、提案、計画、理解など

「トリック」も「アイディア」も英語から由来したカタカナ言葉なので、意味の違いをしっかりと理解して、間違ったまま使わないように注意しましょう。

「ギミック」の使用例

「ギミック」は、以下のようにさまざまな文脈で用いられています。

  • 新しいモデルはギミックがあってかっこいい。
  • 独創的なギミックがプレーヤーを魅了した。
  • 新製品には画期的なギミックが搭載された。
  • 映画の続編で次々と明かされた衝撃のギミック。
  • ギミック広告に、消費者から大きな反響があった。

”gimmick”の意味

「しかけ」や「からくり」、「販売戦略」などを表す「ギミック」は、英単語の”gimmick”に由来しています。

”gimmick”の定義を辞書で確認してみましょう。

  • something that is not serious or of real value that is used to attract people’s attention or interest temporarily, especially to make them buy something
    真剣なものではなく、実際に価値があるわけでもないが、一時的に人々の注意や興味を引き、特に何かを買わせるために使われるもの
  • an unusual and unnecessary feature or action whose purpose is to attract attention or publicity
    注目を集めたり宣伝したりすることを目的に、不必要で変わった行動や特徴のこと

参考:Cambridge Dictionary, Collins dictionary

”gimmick”は、人々の注目を集めるための独特な手法や工夫を意味します。
特に、マーケティングや広告の分野で使われることが多く、販売促進や宣伝のための商業活動に活用される戦略を表しています。

注目を集めるため、消費者に買わせるためだけの、一時的な宣伝効果を狙った手法であることから、時に否定的なニュアンスを含む場合もあります。
製品の価値や品質が欠けていることを示唆し、薄っぺらで中身のない印象を持たれてしまうこともないとは言い切れません。

”gimmick”を使った例文

”gimmick”を使った例文

”gimmick”は、外からはわからないような「しかけ」や「からくり」、または人目を引くためだけの「宣伝広告」や「販売戦略」などといった意味を持っています。
文脈や状況に合った”gimmick”の使い方を例文で確認していきましょう。

「しかけ」「からくり」「特殊効果」

Aさん
It’s a great gimmick and I wish I had thought of it.
訳)素晴らしいしかけなので、わたしがそれを考えていたらと思うと残念です。
Aさん
This movie has only one gimmick though, and after a while it begins to wear thin.
訳)この映画にはしかけが1つしかなく、しばらくすると飽きられ始めます。
Aさん
Heads may wonder whether it is just another gimmick.
訳)頭のいい人は、これは単なるしかけではないかと疑問に思うかもしれません。

「宣伝」「戦略」「策略」

Aさん
The campaign was a publicity gimmick aimed at winning back customers.
訳)このキャンペーンは、顧客を取り戻すことを目的とした宣伝策略でした。
Aさん
They give away free gifts with children’s meals as a sales/marketing gimmick.
訳)彼らは、販売・マーケティング戦略として、子ども向けの食事に無料ギフトを添えています。
Aさん
Don’t waste time dreaming up poster designs or catchy new advertising gimmicks.
訳)ポスターのデザインやキャッチーな新しい宣伝広告に夢をみて、時間を無駄にしてはいけません。

”gimmick”の類義語

最後に、”gimmick”の類義語を紹介します。

注目を集めたり宣伝したりするためのもの

  • stunt(妙技、離れわざ、目を引くための行動)
  • trick(相手を騙そうとするたくらみ、策略、ごまかし)
  • device(装置、考案物、からくり、工夫、方策)

精巧で周到な計画

  • stratagem(軍略、計略、策略、術策)
  • plan(計画、案、図面、平面図、図解)
  • design(設計、図案、計画、目的、陰謀)※複数形

狡猾な悪巧み

  • ploy(相手を出し抜くための策略、手法)
  • trap(わな、計略、策略)
  • fraud(詐欺、欺瞞、詐欺、不正)

宣伝や広告のための手法のほか、巧妙な計画、策略、不正、詐欺行為など、どちらかというとマイナスなイメージを持つ類義語が多く挙げられました。
面白くて人を引きつける”gimmick”ですが、使用する場面や相手によっては、思わぬ誤解を招いてしまうこともあるので注意してくださいね。

まとめ

聞き慣れたカタカナ言葉「ギミック」について、意外と知られていない”gimmick”の意味と使い方、類義語を紹介しました。

「ギミック」の語源である英単語の”gimmick”は、人々の注目を集めるために用いられる独特な手法や技法を意味します。
特に、ビジネスにおいては、企業のマーケティング戦略として販売促進の活動や宣伝広告などを指して使われることが多いです。

”gimmick”は、人を引きつける巧妙で魅力的な「しかけ」や「手法」であると同時に、人を騙すような「策略」や「冗談」でもあります。
誤解やトラブルの元を作らないよう、”gimmick”はプラスとマイナスの両面を持っているということを頭に入れておきましょう。

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