論文や本、表や地図などを見ていると「凡例」という言葉に出くわすことがありますね。
この「凡例」の意味をきちんとわかっているという人はあまり多くはないはず。
そこで今回は「凡例」の意味やよく使われるシーン、「凡例」の英語表現などについて解説します。
さらに「凡例」が使われることの多い「図」や「表」の英語表現もご紹介します。
「凡例」って一体どんな意味?
「凡例」とは、「辞書などの本のはじめに、その本の使い方や約束ごとなどをまとめて箇条書きにしたもの」。
また辞書だけではなく、地図や図表などの使われている記号の説明や解説の表のことも「凡例」と呼びます。
さて、この「凡例」、なんと読むかわかりますか?
「凡」を使う言葉として思い浮かぶのは「平凡」や「凡人」など。「特に優れたところがない」といったイメージを持つ方が多いでしょう。
「凡例」も「平凡」や「凡人」に引っ張られてついつい「ぼんれい」と読んでしまいがちですが、「凡例」は「はんれい」と読みます。
「凡」には「ふつうの、ありふれた」という意味だけでなく、「すべて、全体」という意味もあります。
「凡例」で使われている「凡」は「すべて、全体の」のほう。
つまり、「凡例」で「本全体を通じてのルール」という意味を持ちます。
「凡例」は英語でなんと言う?
本の使い方や注意点などを意味する「凡例」。英語ではどのように表現するのでしょうか?
「凡例」の英語表現は2つあります。それぞれ確認しましょう。
explanatory note
凡例は英語では「explanatory note」といいます。explanatoryは「説明的な、説明に役立つ」という意味の形容詞。noteには「注釈」や「注解」といった意味があります。
そのため、「explanatory note」にはもちろん凡例の意味も含まれますが、「説明文」や「解註」といった意味も含みます。
He should have read the explanatory note before using that book.
彼はあの本を読む前に凡例を読むべきだった。
legend
もうひとつの凡例を表す英語は「legend」。legendというと「伝説」というイメージが強いので、「凡例」とはかけ離れたように感じるかも知れませんね。
legendの語源はラテン語の「読まれるもの」。そこから転じて、「伝説」や「言い伝え」に意味になりました。そこから同様に「読まれるもの」である「凡例」の意味も持つようになりました。
「legend」は基本的に地図や図表などの「凡例」を指します。そこが「explanatory note」との違いです。
Please refer to the legend for more information.
詳細については凡例を参照してください。
「凡例」と似た意味を持つ「注釈」
「凡例」とよく似た表現に「注釈」があります。
注釈とは、本文中の語句や図表などに補足的に加える説明のこと。
どちらも文章や図表を読みやすくするものですが、ちょっとニュアンスが異なります。
「凡例」は本や図表の「読み方」や「使い方」というイメージですが、「注釈」はどちらかというと「説明」のニュアンスが強め。
そのため、「凡例」は読み方のルール、「注釈」は解説といったイメージで捉えると良いでしょう。
注釈は英語では、「notes」や「comments」、「annotations」などで表現できます。
最も一般的な注釈が「notes」。「comments」は筆者の補足的な説明を記す際によく使われるフレーズです。
また、本文の枠外に記された注釈である「脚注」は「footnote」と呼ばれます。
They are detailed in the footnote below.
詳しくは以下の脚注を参照のこと。
図表の英語表現を確認しよう
「凡例」は「図表」の中でよく使われます。図表を用いたプレゼンテーションはビジネスだけでなく、大学などのアカデミックなシーンでも日常的に必要とされるものです。
そんなときに図表の表現を知っていると有利。ぜひ、ここで図表の英語表現を確認しましょう。
グラフはchart、図はdiagramと表現しますが、一言に図表と言っても、「円グラフ」や「折れ線グラフ」などさまざまな種類があります。もちろん、それぞれに英語表現があり、覚えておくと安心です。よく使われる図表の英語表現をご紹介します。
円グラフ
円グラフは割合を表す際によく用いられるグラフです。物事の構成やその比率が一目見るだけでわかるため、さまざまなシェアを比較するときによく使われます。
円グラフは英語では「pie chart」。円グラフの中で分割されている部分は「section」や「segment」と表現します。
I drew up a pie chart to show these figures.
これらの数値を示すために円グラフを作成しました。
折れ線グラフ
折れ線グラフは連続した推移を示す際に用いられるグラフです。年ごとの増減傾向などが早くしやすく、ビジネスシーンでは売上高や顧客数の推移の説明などでよく使われます。
折れ線グラフは「line graph」といいます。特にグラフ内の線がひとつのものは「single line graph」、複数のものは「multiple line graph」といいます。
線が複数使われるものには様々な形状の線が出てきます。それぞれの英語での表現も確認しておきましょう。
- 二重線:double line
- 実線:Solid line
- 点線: Dotted line
- 細線:thin line
- 中太線:medium line
- 太線:thick line
Please take a look at this line chart.
こちらの折れ線グラフをご覧ください。
棒グラフ
複数のものの比較を表現したいときに用いられるのが棒グラフです。棒グラフは英語では「bar graph」です。棒グラフで割合を示すものは「percentage bar graph」、同じ項目内の要素を上に積み上げるようにして表現された積み重ね棒グラフは「stacked bar graph」といいます。
Graph this information into a pie and bar graph.
この情報を棒グラフと円グラフにしてください。
フローチャート
作業やデータの流れ、処理などのプロセスを各ステップごとに箱で表し図式化するのがフローチャートです。プロセスが目で確認できるので、作業内容の整理や把握に優れています。フローチャートは英語でも「flow chart」です。
You should give PDF flow charts to your colleagues.
フローチャート表を同僚に渡すべきだ。
ここでご紹介した図表とほかにもよく使われる図表の英語表現を表にまとめました。
円グラフ | pie chart |
折れ線グラフ | line chart |
棒グラフ | bar chart |
フローチャート | flow chart |
ヒストグラム | histogram |
レーダーチャート | radar chart |
散布図 | scatter diagram |
ベン図 | venn diagram |
テーブル表 | table |
面グラフ | area chart |
帯グラフ | horizontal bar chart |
まとめ
今回は「凡例」の意味を中心に英語表現や似た意味を持つ「注釈」について、さらには「凡例」がよく使われるさまざまな図表の英語表現をご紹介しました。
わかりやすい資料やサポートの作成には「凡例」が欠かせません。
少し馴染みのない言葉かも知れませんが、今後何かの資料に目を通すときは「凡例」がどのように書いてあるかをチェックしてみてもいいかもしれませんね。
また、図表の英語表現もぜひ覚えておいてくださいね。