今回のテーマは「気に入る」です。

日常生活の中で、何かが気に入るシチュエーションは多いですが、英語ではどのように表現すればよいのでしょうか。

この記事では、英語で「気に入る」を表す定番の言い方から、ニュアンスに応じた言い換え表現に至るまで、詳しく解説していきます。

これを読めば、英語でも色々な「気に入る」を自由に表現できるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「気に入る」は英語で何て言う?

「気に入る」という意味で最も幅広く使われるのは “like” です。

like と聞くと多くの方が「好き」という訳語を思い浮かべるでしょう。確かに、以下の例文のような場合、like は「好き」という状態を表しています。

Aさん
I like sports.
訳)私はスポーツが好きです。

しかし、日本語でも「好き」と「好む」が同じ「好」の字で共通して使えるように、英語の like も「好き」という状態だけでなく、「好む(気に入る)」という動作の意味でも使えるんです。

Aさん
I hope you will like this.
訳)これ、気に入ってくれるといいんだけど。
Bさん
What, a gift? Wow, such a cool tie! I really like it. Thank you!
訳)何、プレゼント? うわ、かっこいいネクタイだ!気に入ったよ、ありがとう!

 

like 以外の「気に入る」を表す英語表現

like 以外の「気に入る」を表す英語表現

「気に入る」の意味で最も多く使われるのは like ですが、それ以外にも類似した表現として、以下の7種類が挙げられます。

  • be fond of
  • enjoy
  • have a liking for
  • be pleased with
  • take a fancy to
  • be in one’s good books
  • dig

それぞれに意味のニュアンスが異なるので、以下で1つずつ詳しく確認していきましょう。

be fond of

“be fond of” は、like と同様に「好き」と「気に入る」それぞれの意味で使える表現です。

like が一時的な好みを表すのに対して、be fond of は継続的な好みを表します。そういう意味では、日本語の「気に入っている」のニュアンスにより近いのは be fond of と言えるでしょう。

ただし、継続的な好みを表すことから、will be fond of などと、未来形で be fond of を使うのは不自然です。基本的には現在形で使い、「気に入っている」という状態を表します。

Aさん
My sister is fond of gardening on the balcony.
訳)私の姉はバルコニーで園芸をするのが気に入っています。

enjoy

“enjoy” は「楽しむ」という意味ですが、文脈によっては「気に入る」に近いニュアンスになることがあります。

たとえば、子どもが気に入っているおもちゃで楽しんでいる(遊んでいる)場合、「気に入る」と「楽しむ」は不可分ですよね。

また、強いて like と enjoy の違いを挙げると、like は主観的であり、enjoy は客観的という点に違いがあります。仏頂面でも本人が気に入っていれば like、明らかに顔がほころんでいれば enjoy というイメージです。

Aさん
My nephew has been enjoying imitating dogs lately.
訳)私の甥は、最近犬のモノマネが気に入っています。

have a liking for

“have a liking for” は、ある特定の物事に対して、特別な関心を抱いていることを表す表現です。like とほとんど同じ意味ではありますが、より狭い範囲への強い関心を強調する際に使われます。

たとえば、「自動車が好き」であれば “I like cars” ですが、特に「ビンテージ自動車が気に入っている」と言いたい場合は “I have a liking for vintage cars” とすると、よりニュアンスが伝わりやすいでしょう。

Aさん
I have a liking for vintage cars and often attend classic car shows.
訳)私はビンテージ自動車が気に入っているので、よくクラシックカーショーに参加します。

be pleased with

“be pleased with” は、状況や出来事に対して、強い喜びや、高い満足感を得ていることを表す表現です。ビジネス英語でもよく使われます。

ここで使われている pleased は、「喜ばせる」という意味を表す please の過去分詞形であり、be とセットで受動態になっています。つまり、be pleased with を直訳すると「~に喜ばされる」という意味になります。

たとえば「プロジェクトの結果が気に入っている」という意味を表したい場合、like を使うと「結果が好き」という少し不自然なニュアンスになります。しかし、be pleased with を使えば、「結果に喜ばされる、満足させられる」というニュアンスになるので、自然な印象で使えます。

Aさん
The boss seems to be pleased with the results of the project.
訳)上司は、そのプロジェクトの結果が気に入ったようです。

take a fancy to

“take a fancy to” は、何かを瞬間的に、あるいは突発的に気に入ることを表す表現です。

ここで使われている fancy という単語は、もともと「空想、想像」を意味していましたが、そこから脳内にある「好み」を表すようになりました。つまり、take a fancy to ○○の形で「脳内の好みとピッタリ合う○○を取る」という意味になります。日本語の感覚だと「ビビッと来る」に近いでしょう。

Aさん
I took a fancy to a pig figurine I found at the flea market, so I decided to display it in my room.
訳)フリーマーケットで見付けた豚の置物がなんだか気に入ったので、部屋に飾ることにしました。

be in one’s good books

“be in one’s good books” は、ある人の好意を受けている状態を表す表現です。

ここまでに挙げたものが能動的な「気に入る」を表したのに対し、be in one’s good books は、受動的に「気に入られる」ことを表します。日本語の「気に入る」は、能動と受動どちらの意味でも使われるので、文脈によっては be in one’s good books が便利なシーンもあるでしょう。

ちなみに、ここで使われる good books は「良いものが書かれている帳簿」といった意味です。頭の中にお気に入りのブックマークリストがあり、そこに書き加えられるイメージになります。

Aさん
The newcomer is doing well at work, so he is in the boss’s good books.
訳)その新人は仕事をよくこなすので、上司に気に入られています。

dig

“dig” は、何かが気に入って夢中になっている様子を表すスラング表現です。

dig のもともとの意味は「掘る」ですが、好き過ぎて色々と調べたい(掘りたい)という感覚になることから、このようなスラングが生まれたのだと考えられます。

とはいえ、dig はだいぶカジュアルな響きの表現なので、ビジネスシーンやフォーマルな会話では使用しないようにしましょう。

Aさん
I really dig his new song.
訳)私は彼の新曲がめちゃくちゃ気に入っています。

「お気に入りの」は英語で何て言う?

「お気に入りの」は英語で何て言う?

ここまで「気に入る」という動詞の意味を確認してきましたが、「お気に入りの」と形容詞として使う場合は “favorite” が適しています。発音記号は【féɪv(ə)rət】、カタカナだと「フェイバリット」です。

favorite は、数あるお気に入りの中でも、最も気に入っているものに付けるべき形容詞です。そのため、強調しようと思って the most favorite などとしてしまうと、「最も最もお気に入り」という冗長な言い方になってしまうので注意しましょう。

Aさん
This is my favorite book.
訳)これは私のお気に入りの本です。

また、よりスラング的に「お気に入りの」を表す場合は “my kind of”“my go-to” が使われることもあります。

Aさん
This is my kind of song.
訳)これが私のお気に入りの曲です。
Aさん
This is my go-to store.
訳)これが私のお気に入りのお店です。

まとめ

今回は「気に入る」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

英語で「気に入る」を表したい場合、最も汎用性が高いのは “like” です。日本人は「好き」という訳語に引っ張られがちですが、実際は「好き」と同じくらい「気に入る」の意味でも使われているので、どんどん活用していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!