英語を勉強していると、「直接話法」や「間接話法」という言葉に出会うことがあります。
特に大学受験英語の勉強で、文法書や文法の問題集で必ず取り上げられる項目ですね。
直接話法と間接話法は、「誰かの言葉をどうやって伝えるか」を正しく理解して使うために用いられる文法要素です。
この記事では、直接話法と間接話法の違いを、例文を交えてわかりやすく解説します。
直接話法とは?

直接話法は、誰かが言った内容をそのまま伝える方法です。
誰かの言葉を直接的に表し、引用符("")を使うのが特徴です。
【例文】
訳)ケンは「今日は疲れた」と言った。
この例文では、ケンが言った内容を引用符でそのまま伝えているのが分かりますね。
間接話法とは?
間接話法は、誰かが言った内容をまとめて伝える方法です。
引用符を使わず、言い方や時制を自然な形に変えます。
【例文】
訳)ケンはその日疲れていたと言った。
間接話法の例文では、言った内容をそのままではなく、時間表現や時制を変えて伝えています。
上述した直接話法の例文と比べて、主語の表現と動詞の時制などが変わっていることがわかりますよね。
直接話法と間接話法の主な違い
直接話法と間接話法には、主に以下のような違いがあります。
- 引用符を使うかどうか
- 時補が変わるかどうか
- 人称や時間表現も変わる
これらの違いを抜け落なく理解しましょう。
間接話法で起こる時制の変化
直接話法から間接話法へ変更する際、言葉の時制も以下のように変わります。
【例】
- am/is → was
- are → were
- have/has → had
- will → would
- can → could
現在形から、過去形に変わっているわけですね。
【例文】
- 直接話法:She says, “I have finished my homework.”
彼女が言うには「家庭実習を終えた」そうです。 - 間接話法:She said that she had finished her homework.
彼女は家庭実習を終えたと言いました。
この例文では、直接話法では現在完了形が使われていますが、間接話法にすると過去完了形に変わっていることがわかりますね。
直接話法で使われる現在進行形(is doing)は、間接話法にすると過去進行形(was doing)に変わります。
【例文】
- He said, “I am studying English.”
彼は「英語を勉強している」と言った。 - He said that he was studying English.
彼は英語を勉強していたと言いました。
また、未来形(will)は、wouldに変わります。
【例文】
- She said, “I will call you tomorrow.”
彼女は「明日電話するね」と言った。 - She said that she would call me the next day.
彼女は次の日に電話すると言った。
なお過去形の場合、通常そのままにすることもありますが、文脈によっては過去完了に変える場合もあります。
【例文】
- He said, “I bought a new car.”
彼は「新しい車を買った」と言った。 - He said that he had bought a new car.
彼は新しい車を買ったと言った。
人称・場所・時間表現の変化
間接話法にすると、人称や場所、時間の表現も変わります。
【例】
- I → he/she
- we → they
- today → that day
- tomorrow → the next day
- here → there
例文を見てみましょう。
【例文】
- Tom said, “I will go tomorrow.”
トムは「明日行くよ」と言った。 - Tom said that he would go the next day.
トムは次の日に行くと言った。
この例文を比較すると、時間表現や動詞の形がどのように変わっているかがよく分かりますね。
直接話法・間接話法の使い方(場面別)

ここまで直接話法と間接話法の「形の違い」をお伝えしてきましたね。
本項では、使う場面ごとの直接話法と間接話法の使い分けをお伝えしていきます。
学校の授業で
先生が生徒に「先生が何と言ったか」を質問するときは、間接話法を使います。
訳)先生は私たちが何を学んだか尋ねた。
ニュース記事で
ニュース記事では、直接話法と間接話法の両方がよく使われます。
【直接話法の例】
訳)大統領は「新しい政策を実施します」と言いました。
【間接話法の例】
訳)大統領は新しい政策を実施すると述べました。
ストーリーや小説で
登場人物のセリフは直接話法で、その後の説明や要約には間接話法が使われます。
【直接話法の例】
訳)「信じられない」と彼女は言った。
【間接話法の例】
訳)彼女は信じられないと言った。
ビジネスシーンで
上司の指示やお客様の依頼を正確に伝えるために、間接話法は欠かせませんね。
訳)彼は金曜日までにレポートを提出するように言いました。
命令文・依頼文・提案文の間接話法
命令文や依頼文を間接話法にするときは、to不定詞を使います。
【例文】
- “Study harder,” he said. → He told me to study harder.
- “Please help me,” she said. → She asked me to help her.
また、提案文の場合は、that節を使うこともあります。
【例文】
- “Let’s start the meeting,” he suggested. → He suggested that we start the meeting.
疑問文の間接話法
疑問文を間接話法にする場合は、語順が通常の文と同じになります。
Yes/No疑問文の場合
ifまたはwhetherを使います。
【例文】
- “Are you ready?” she asked. → She asked if I was ready.
Wh疑問文の場合
wh語(what, when, whereなど)をそのまま使います。
【例文】
- “Where do you live?” he asked. → He asked where I lived.
まとめ
この記事では、英語の直接話法と間接話法について、以下の点からお伝えしました。
- 直接話法:そのまま伝える
- 間接話法:まとめて伝える
- 時制や人称の変化に注意
- 疑問文・命令文の変化も押さえる
直接話法と間接話法の違いを理解すると、英語で伝える力がグッと高まります。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。
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