グローバル化の進展に伴い、生徒の英語力を伸ばすために、全国の自治体で独自の英語教育が行われています。それぞれの自治体が実際にどのような取り組みを行っているのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、大阪府を例にして、大阪府が独自に行っている英語教育の取り組みについて具体的に解説します。また、大阪府で子どもの英語力を伸ばしたいと考えている方におすすめの英会話教室についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ICT機器を活用した大阪府の英語教育
大阪府では、こどもたちの英語力を伸ばすために、ICT機器を活用した「STEPS in OSAKA」と「BASE in OSAKA」という独自の取り組みを行っています。
ここからは、大阪府が取り組んでいる「STEPS in OSAKA」と「BASE in OSAKA」について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
「STEPS in OSAKA」とは
「STEPS in OSAKA」とは、生徒ひとりひとりに配布されたICT機器を使用することで利用できる学習ツールのことです。ICT機器を使用して各生徒が自分で問題を解いて解答を確認したり、音声を吹き込んで録音した音声を再生したりできます。
「STEPS in OSAKA」では、生徒が自分の学習到達度を測るための指標として作成された「CAN-DOリスト」と呼ばれる一覧表を確認して、自分にあった内容を選択して学習を進めるようになっています。
「CAN-DOリスト」とは、聞くこと(listening)、読むこと(reading)、話すこと(speaking)、書くこと(writing)という4つの技能と、話すこと(speaking)に発表(presentation)を加えた5つの領域の能力を総合的に向上させるために作成された一覧表です。
「CAN-DOリスト」では、日本の英語教育での利用を目的に構築された「CEFR-J」という指標に準拠した1〜10の10段階のレベルと、レベルごとの具体的な到達目標が5つの領域ごとにそれぞれわかりやすく設定されているため、生徒は「CAN-DOリスト」を確認することで、自分の英語学習の到達度が把握できるようになっています。
英語学習は、生徒ごとに学習到達度が異なるため、画一的な英語教育だけだと、生徒それぞれの英語力を最大限に伸ばすことは難しいでしょう。「STEPS in OSAKA」を利用すれば、各生徒は自身の学習到達度に応じて、自分にあった最適な英語教育を受けることができるといえます。
「BASE in OSAKA」とは
「BASE in OSAKA」とは、AIを活用した英語学習のためのWebアプリであり、英語の発音やスピーキングを練習できるようになっています。
「BASE in OSAKA」では、音読した英語の音声を、発音速度や流暢さなどの観点からAIが自動で採点してくれるので、生徒はAIによるフィードバックを受けながら、英語の発音やスピーキングの練習ができます。
また、「BASE in OSAKA」は単に英語の発音やスピーキングの練習ができるだけでなく、英語検定の面接練習ができるなど、豊富なコンテンツが用意されているという特徴があります。
さらに、「BASE in OSAKA」には、小学校向けと中学校および高校向けの2種類のWebアプリが用意されており、利用する生徒ごとに適切な学習内容が選択できるようになっています。とくに、中学校および高校向けのアプリについては、府立高校のリスニングの入試問題や、大学入学共通テストのリスニングの問題が解けるようになっています。
大阪府の英語学力検査問題改革
ここまでは、大阪府がICT機器を活用して取り組んでいる「STEPS in OSAKA」と「BASE in OSAKA」について詳しく解説してきましたが、大阪府の英語教育に対する取り組みはこれだけではありません。
大阪府では、府の教育委員会が中心となり、従来から行われていた英語教育を「実践的に使える」英語教育へと転換させるため重要な、読むこと、聞くこと、書くこと、話すことという4つの技能をバランスよく学習できるよう、さまざまな取り組みをしています。その取り組みのひとつが、平成29年度から行われている府立高等学校の英語学力検査問題改革です。
英語学力検査問題改革とは、府立高等学校の入試問題を4つの技能を重点的に試す内容に変更することです。入試問題を4つの技能を中心に問う内容に変えることで、中学校の時点から生徒に4つの技能をバランスよく学習してもらうことを目的としています。
英語学力検査問題改革によって、府立高等学校の英語の入試問題は従来の入試問題と比較して大きく変わりました。ここからは、英語学力検査問題改革によって、従来の入試問題から大きく変更された点について、それぞれ解説します。
配点割合の変更
1つ目が、入試問題の配点割合の変更です。
従来の入試問題だと、全体の配点に占めるリスニングの割合が約20パーセント、ライティングが約8パーセントと低かったものを、リスニングの割合を約33パーセント、ライティングの割合を約20パーセント、両者を合わせて全体の50パーセント以上を占めるように変更しました。
配点割合を大きくすることは、従来よりリスニングとライティングをより重点的に学習させることにつながるといえます。
問題内容の高度化
変更の2つ目が、問題内容の高度化です。
まず、ライティングについては、従来のような日本語文を英語文へ機械的に訳すような内容から、生徒自身の考えをまとめて英語で表現する内容に変更されました。
また、ライティングとリスニングの配点割合が大きくなった反面、リーディングの配点割合が小さくなったことで、生徒のリーディングに対する学習意欲の低下を防ぐため、リーディングの問題内容を従来より高度なものにしています。具体的には、英文の文量を大きく増加させて生徒が1分間に読む必要がある文字数を増やすことで、よりスムーズな英文の読解力が求められるようになっています。
さらに、従来は問題文を日本語で記載していたところ、指示文を含めてすべての問題文を英語にすることで、より高度なリーディング能力が必要になったといえます。
大阪でこどもの英語力をさらに伸ばすには
大阪府ではさまざまな英語教育の取り組みを行っていることはこれまで見てきたとおりですが、大阪府で子育てされている方のなかには、こどもの英語力をさらに伸ばしてあげたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
こどもの英語力を伸ばす方法はさまざまです。たとえば、既に英語力が高く、より実践的な英語やネイティブな英語を学ばせたい場合は、国内留学や海外留学がおすすめといえるでしょう。
また、こどもに英語の基本を学ばせたい、年齢や習熟度に応じた英語教育を受けさせたいという場合には、こどもの英語力にあった学習コースが選択可能な英会話教室がおすすめといえます。
Kimini英会話では、「CEFR-J」に準拠した学習到達度のレベルが設定されており、レベルごとに最適なコースを選択できるようになっているのが特徴です。また、幼児向けから高校生向けまで、年齢に応じた4つのコースが準備されており、こどもの年齢にあった適切な英語学習ができることも魅力のひとつです。
大阪でこどもの英語力を伸ばしたい場合には、複数の学習方法を比較検討して、こどもにとって最適な方法を選択するのが良いでしょう。
まとめ
今回は、大阪府の英語教育の取り組みについて解説しました。
大阪府では、CT機器を活用した英語教育や、府立高等学校の入試問題の英語学力検査問題改革など、生徒が実践的に活用できる高い英語力を身につけられるように、さまざまな独自の取り組みを行っているといえます。
また、記事の最後では、大阪府でこどもの英語力を伸ばしたい方におすすめの英会話教室についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。