英語の勉強を進めていると、”It is, however, ~”や”She is a hard worker, no doubt.”のような文に出会うことがあります。

こうした表現は「挿入構文」と呼ばれ、英語らしい自然な表現を身につけるためにとても重要です。

この記事では、挿入構文とは何か、どんな場面で使われるのかをわかりやすく解説します。

日本語訳のついた例文もたくさん紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

挿入構文とは?

挿入構文とは?

挿入構文とは、主文の流れとは直接関係のない語句や節を、文の途中に挟み込む表現方法です。

文章に挿入する目的は主に次の3つです。

  • 話し手の意見や態度を示す
  • 文の流れを自然にする
  • 補足情報を加える

挿入部分はあくまで「おまけ」なので、取り除いても文の骨組みは成立するのが特徴です。

また、挿入構文は読み手に対して親しみやすさや自然さを伝える効果もあり、英語の文章をより生き生きとしたものにするために役に立つ技術です。

挿入構文は特に、英語らしい「間」を作るテクニックとして非常に重宝します。

挿入構文を使いこなせるようになると、文章全体に余裕が生まれ、読者に安心感を与えることができますよ。

挿入構文に使われる表現パターン

挿入構文に使われる表現はさまざまですが、代表的なものを整理してみましょう。

  1. 副詞・副詞句
  2. 主語+動詞(短い節)
  3. 慣用表現

順番に見ていきましょう。

1. 副詞・副詞句

まずは副詞や副詞句を挿入して、話し手の気持ちや状況を添えるパターンです。

例文を見てみましょう。

【例文】

  • It is, however, difficult to solve the problem.
    それは、しかしながら、問題を解決するのは難しい。
  • She will, in fact, come to the party.
    彼女は、実のところ、パーティーに来る予定です。
  • He has, fortunately, recovered from his illness.
    幸いにも、彼は病気から回復しました。
  • The meeting was, surprisingly, very productive.
    その会議は、驚いたことに、とても生産的でした。

下線部が挿入された副詞句ですね。

副詞はもともと、英文の骨格となる構文とは別に動詞や形容詞を修飾する言葉ですから、気持ちや状況を入れ込んで表現するのも納得ですね。

2. 主語+動詞(短い節)

短い節(主語+動詞)を挿入して、自分の意見や感想を伝えるパターンもよく使われます。

例文を見てみましょう。

【例文】

  • This book, I think, is very useful.
    この本は、私が思うに、とても役立ちます。
  • He is, I am sure, a trustworthy person.
    彼は、私が確信している通り、信頼できる人です。
  • You should, I believe, try harder.
    私が思うに、あなたはもっと努力すべきです。
  • The result, I must admit, was disappointing.
    正直に言えば、その結果はがっかりでした。

下線の部分が挿入した節(主語+動詞)ですね。

「私が思うに」「私が確信している通り」という感じで、自分の意見、感想を入れ込んでいるのがわかります。

3. 慣用表現

慣用表現(決まったフレーズ)として、よく使われる挿入表現もあります。

例文を見てみましょう。

【例文】

  • She is a hard worker, no doubt.
    疑いなく、彼女は努力家です。
  • He will succeed, without question.
    間違いなく、彼は成功するでしょう。
  • They are, as you know, very talented musicians.
    ご存じの通り、彼らはとても才能のある音楽家です。
  • We must, needless to say, be careful.
    言うまでもなく、私たちは注意しなければなりません。

決まり切った表現なので、「こういう言い方をするんだなー」と覚えておくのが良いでしょう。

挿入構文を使うときのポイント

挿入構文を使うときのポイント

挿入構文を使う時には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

  1. コンマで挟む
  2. 挿入構文を除いても文が成り立つか確認
  3. フォーマルな文でよく使われる

順番に見ていきましょう。

1. コンマで挟む

挿入部分を使う時は、基本的にコンマ(,)で前後を挟むのが好ましいです。

コンマで挿入構文を挟むことで、「ここは本筋じゃないよ」というサインを読み手に送ることができます。

※ただし、very fortunately(非常に幸運にも)のような短い副詞なら、コンマを省略することもあります。文章のリズムに合わせて、使い分けられるようになると、さらに自然な英語に近づきますよ。

2. 挿入部分を除いても文が成り立つか確認

練習として、挿入部分を消してみて、文の基本構造が崩れていないかを確認しましょう。これで挿入構文の感覚が自然と身につきます。

【例】

He is, I am sure, a good teacher.

挿入部分を消すと:He is a good teacher.

挿入表現が文章に自然になじむ感覚を身につけるように、挿入構文を除いても英文の基本構造が崩れないか確認しましょう。

3. フォーマルな文でよく使われる

特にエッセイ、ビジネス文書、ニュース記事など、少し堅い文章では挿入構文が多用されます。

特に英検上位級の長文読解でよく見る表現ですね。

カジュアルな会話では、挿入せずにストレートに話すことも多いです。

しかし、上級者同士の英会話では、あえて挿入表現を入れて会話を豊かにすることもあります。例えば、議論中に「I think」や「as you know」を挟むことで、相手に対する配慮や自信の度合いを伝えることができるわけですね。

よく使われる挿入表現まとめ

ここで、よく出てくる&使える挿入表現をリストにしておきます。

  • I think(私が思うに)
  • I believe(私は信じますが)
  • I am sure(私は確信していますが)
  • no doubt(疑いなく)
  • in fact(実は)
  • however(しかしながら)
  • unfortunately(不運にも)
  • as you know(ご存じの通り)
  • I suppose(多分ですが)
  • needless to say(言うまでもなく)
  • strictly speaking(厳密に言えば)
  • frankly speaking(率直に言えば)

これらの挿入表現を自由に組み合わせられると、英語らしい自然な文が作れるようになります。

特に、エッセイやスピーチを書く際には大きな武器になりますよ。

覚えるときは、単語単位ではなく「挿入表現として丸ごとセットで覚える」のがポイントです。

まとめ

この記事では、挿入構文について以下の点からお伝えしました。

  • 挿入構文とは、文の流れに「補足」や「意見」を加えるテクニック
  • 副詞、短い節、慣用表現が使われる
  • 基本はコンマで挟み、取り除いても文が成立するかチェック
  • フォーマルな文でよく登場するが、会話でも使われることがある
  • よく使う表現(I think, no doubt, in factなど)を覚えておくと便利!
  • エッセイやスピーチでは特に効果的に使われる
  • 会話に自然な「間」や「ニュアンス」を加えるためにも役立つ

この記事でお伝えした内容が、あなたの英語の表現力をより豊かにできれば幸いです。

【関連記事】