英文を読んでいると、「あれ?主語がない?」「動詞が抜けてる?」と思うことはありませんか?

実は、それは「省略構文」と呼ばれる英語の表現テクニックの一部です。

英語では、繰り返しを避けたり、自然な流れにするために、一部の語を意図して省略することがよくあります。

この記事では、筆者の私も含む「英語を勉強する人たち」がつまずきやすい「省略構文」について、基本パターン別にわかりやすく解説していきます。

さらに、例文と日本語訳も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

英語を自然に使いこなすためには、省略構文の理解が大変役に立ちます。初めての方も中級者の方も、基礎からしっかり身につけていきましょう。

 繰り返しを避けるための省略

 繰り返しを避けるための省略

まず最初に押さえておきたいのが、繰り返しを避けるための省略表現です。

英語では、同じ単語やフレーズを何度も繰り返すのを避けるため、二度目以降を省略してすっきりした文章を作ります。

繰り返しを避けるための省略表現は、特に話し言葉やカジュアルな文章でよく使われます。

【例文】

Aさん
I like coffee, and my sister (likes) tea.
訳)私はコーヒーが好きで、妹は紅茶が好きです。

※上述の例文では、二度目の likes が省略されています。

Aさん
She wanted to go to the party, but I (wanted to) stay home.
訳)彼女はパーティーに行きたがっていましたが、私は家にいたかったです。

上述の例文のように、文脈が明らかであれば、動詞句(動詞のまとまり)まるごと省略しても違和感なく表現できます。より自然な会話や文章を作るために欠かせないテクニックです。

また、TOEICなどの試験でも、こうした省略表現を見抜くことがスコアアップにつながります。

特にPart5の文法問題で、文構造を見抜くことがスコアアップに直結するので、省略されている句や節を見抜くことが大切になるわけですね。

文脈から判断できる語句の省略

次に、文脈から意味がハッキリわかるとき、省略されるパターンを見ていきましょう。

英語では、「言わなくてもわかる」と判断できる部分は、省略されることが多いです。

特に、助動詞や動詞などが省略されるケースがよくあります。

このタイプの省略は、文章をコンパクトにまとめる効果があり、エッセイやビジネスメールでも頻繁に活用されます。

文字だけで説明してもわかりづらいと思うので、例文を見てみましょう。

【例文】

Aさん
I enjoyed the trip, and so (did) they.
訳)私は旅行を楽しみましたし、彼らもそうでした。
Aさん
If necessary, (you should) call me.
訳)必要なら、私に電話してください。

文脈から判断するタイプの省略は、慣れてしまえばすぐに補えるようになります。

英文を読むときは「何が省略されているか」を意識して読むと理解が深まりますよ。

副詞節の中の「主語+動詞」の省略

時・条件・譲歩を表す副詞節では、主語とbe動詞(または助動詞)を省略することがよくあります。

このパターンは大学受験英語の文法書に出てくるような、少しレベルアップした内容ですが、理解すると英文読解が一気にラクになりますよ。

副詞節の省略は、英語特有の「簡潔さ」を表す特徴の一つです。

【例文】

  • When (you are) driving, be careful.
    運転するときは、注意してください。
  • If (it is) necessary, I will help you.
    必要なら、手伝います。
  • Though (he was) tired, he kept working.
    疲れていたけれど、彼は働き続けた。

主語とbe動詞の省略は「文脈で意味が明らかなとき」のみ行われます。

一般動詞の場合は省略できないので注意しましょう。

この省略が起きると、副詞節がぐっとコンパクトに、自然なリズムで読めるようになります。

副詞節の省略を見抜けると、速読にもつながって英語を読むのがラクになりますよ。

分詞構文における”being”の省略

分詞構文における”being”の省略

分詞構文では、特に”being”が省略されるパターンが多く見られます。

分詞構文とは、主に「理由」「時」「条件」などを表すために使われる表現で、主節(メインの文)とは別に動作や状態を表現します。

このとき、状態を表すbe動詞”being”は、よく省略されます。

分詞構文を使いこなすと、英語の表現力がぐっと広がるため、マスター出来たら英語上級者が使うような。自然で格好いい英語になりますよ。

【例文】

Aさん
(Being) tired, she went to bed early.
訳)疲れていたので、彼女は早く寝ました。
Aさん
(Being) a teacher, he knows a lot about education.
訳)教師なので、彼は教育についてよく知っています。

分詞構文は「省略+接続詞のニュアンス」が一緒に含まれるため、英文をスムーズにしてくれます。

分詞構文全体に慣れると、省略されても自然に意味がつかめるようになりますよ。

命令文の主語”you”の省略

命令文では、主語の”you”を省略するのが基本です。

中学英語で「命令文では主語を省略する!」って習いますからね。

英語では、命令文は「相手に指示するもの」なので、わざわざ主語を明示しなくても誰に向けて言っているか明らかなわけですね。

このルールは、英語圏でのコミュニケーションを理解するうえで重要な感覚でもあるので、押さえておきたいところです。

【例文】

Aさん
(You) Sit down.
訳)座ってください。
Aさん
(You) Don’t open the window.
訳)窓を開けないでください。

【補足】

強調したいときには”You sit down.”と主語をあえて言うこともあります。

しかし、通常は省略されるため、命令文を見たら「youが省略されている」と意識しておきましょう。

「〜の店」「〜の家」などの省略

英語では、人名の所有格に”house”や”shop”などの名詞が続く表現で、名詞自体を省略することがあります。

所有格(hisやher、one’sなど)だけで場所を表すのがポイントです。

「〜の店」「〜の家」などの省略表現は、カジュアルな会話からビジネスシーンまで広く使われている表現ですね。

【例文】

Aさん
I went to Tom’s (house).
訳)トムの家に行きました。
Aさん
Let’s meet at Mike’s (restaurant).
訳)マイクの店で会いましょう。

所有格+省略された名詞は、英語特有の自然なリズムを作るための表現です。

”Tom’s”や”Mike’s”のように聞こえたら、「家」や「お店」を補って理解しましょう。

まとめ

今回紹介した「省略構文」の主なパターンをおさらいしましょう!

  • 繰り返しを避けるために語句を省略
  • 文脈から明らかなら語句を省略
  • 時・条件・譲歩を表す副詞節では「主語+be動詞」を省略
  • 分詞構文では「being」を省略することがある
  • 命令文では主語「you」を省略する
  • 「〜の店」「〜の家」では名詞を省略する

英語では、省略することでリズムがよくなったり、自然な表現になります。

最初は戸惑うかもしれませんが、たくさん例文に触れていくうちに、「ここは省略されてるな」と気づけるようになります。

英文読解や英会話力アップに必ず役立つ知識なので、ぜひこの記事を参考にして、英語の理解をさらに深めていきましょう。

日々の学習の中で、省略構文を見つけたらぜひ「どのパターンか」も意識してみてください。

気づく力がつくと、英語がもっと楽しくなりますよ。

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