2019年に発生したコロナウィルスの世界的大流行を受けて、それまでは日常生活であまりマスクを着けることがなかったアメリカやヨーロッパ諸国でも公共の場ではマスクを着けることが義務化されたり、様々な種類のマスクが登場しました。主にアメリカで使用されている”mask”の使い方と、たくさんあるマスクの種類を英語で紹介します。
アメリカの日常生活の中のマスク
コロナウィルスが猛威を振るうまでは、アメリカでは日常生活でマスクを着けるという習慣がありませんでした。アメリカで街なかをマスクを着けて歩いていると、ちょっと変わった人と見られるか、重大な病気を持っている人に見られることが多かったそうです。
マスクを販売している所も少なく、薬局の角に置いてある所もあれば、マスクを販売していない薬局もあるほどで、日本のようにコンビニでマスクが買えるということはまずありませんでした。「マスク」と言うと、アメリカ人は大工さんが使っているような防塵マスクや塗装用のマスクを思い浮かべる人がほとんどでした。
そんなアメリカ人のマスクの認識を変えることとなったのは、コロナウィルスの世界的大流行でした。コロナウィルスが大流行した2020年、アメリカのレストランなどでは、“No mask no service”という張り紙が多く見られました。この「ノーマスクノーサービス」というのは、「マスクをしない人はサービスを受けられません」という意味です。
空港などでも、“No mask no entry”という看板が立てられ、マスクを着用していなければ施設内に入ることも禁止されるなど、公共の場でのマスク着用が徹底されました。マスクを着用することは”wear mask”と表現され、”Please wear masks”という張り紙や看板もあります。“mask”の複数形は”masks”となり、読み方は「マスクス」です。maskの複数形のsは、濁音の「ズ」ではなく「ス」になります。
広義のマスクFace Covering
マスクやフェイスシールド、バンダナなどで口元を覆ったり、感染を防ぐために顔を覆うことを”Face covering”、発音はfeis kavaringで、フェイスのfeiとカバリングのkaの音が強調されます。複数形は”face coverings”となります。この複数形のsは、濁音の「ズ」です。
アメリカでは、コロナウィルスの感染が拡大し始めた時には店頭やオンラインショップでもマスクが売り切れてしまい、手に入らない時期があったため、マスクではなくバンダナやネックウォーマーなどでとりあえず口元を覆っているだけの人もいました。マスクを含め、広義で口元を覆っているものを指す時には、”face covering”を使うと良いです。
長年マスクを着ける習慣の無かったアメリカ人は、不織布マスクが流通していてもバンダナを口元に巻いてマスク代わりとする人は多いです。また、アメリカ人女性の中では日本人女性と同様、マスクをしていれば顔の大半が隠れるため、入念に化粧をする必要がないことに気づき、マスクが便利であると評価する女性も多いそうです。アメリカ人女性もマスクはファッションの一部と捉え、綺麗な布生地で作ったものや、スパンコールやラメで装飾されたマスク、Tシャツのようにメッセージが書かれたマスクを着ける女性も多いです。アメリカ人男性も応援しているスポーツチームのロゴが入ったマスクを着けていることがあります。
医療用マスク
病気の感染を予防するのに最も機能的に優れているのが医療用マスクで、英語では”surgical mask”や”medical mask”と言われています。“surgical mask”の発音は、”sur juh kl mask”で、surの音が最も強調されます。 “medical mask”の発音は、”me duh kl mask”と発音され、meの音が最も強調されます。surgical maskやmedical maskは基本的には使い捨てマスクとされていて、使い捨てマスクは英語で”disposable mask” 、発音は”dis pow zuh bl mask”となり、powの音が最も強調されます。
アメリカや世界各国で、コロナウィルス感染予防に最も有効と言われた医療用マスクは、“N95 mask”と言われる種類の、カップ型をしたマスクです。発音は、”en nain di faiv mask”で、enの音が最も強調されます。また、医療現場では医療用マスクの着用とともにフェイスシールドも活躍しました。コロナ禍で飛行機に乗る際にもマスクと共にフェイスシールドを装着して搭乗する人もたくさん見受けら、医療現場だけでなく日常生活の中でも使われました。フェイスシールドは英語でも日本語同様、”face shield”と言われます。
マスクのフィルターのことは英語でも同様に、”filter”と表記されます。マスクのフィルターが何枚重ねかを表す時には、”layer”の複数形の”layers”を使って表記されます。3層構造場合は、”3 layers”となります。布製のマスクでも、何枚重ねの布で縫製されているかを表す時には、”layers”を使います。例えば2枚重ね布で縫製されている場合は、”2 layers”と表記されています。また、マスクの耳にかける部分は”ear loop”(発音”ir luup”)、ゴムの素材は”elastic cord”(発音”uh la stuhk kord” laが強調音)と言われています。
maskいろいろ
英語で”Face mask”と言うと、鼻と口をウィルスやホコリから防御するマスクと、化粧水が染み込んだ紙を顔にパックするスキンケアアイテムの「シートマスク」のことを指す場合と2通りの意味があります。スキンケアのためのシートマスクは、他にも”sheet mask”や”facial mask”とも言われますが、”face mask”がよく使われています。スキンケア用のクリーム状のパックや保湿力の高いクリームも”〇〇mask”と表示されて販売されていることが多いです。例えば、泥パックは”Mud mask”、発音は”mad mask”、保湿パックは”Hydration mask”、発音は、”hai drei shn mask”、dreiが強調音となります。
日本語の「お面」も英語では”mask”となります。
使い捨てマスクを表す”disposable mask”に対して、布製で洗って何度も使用できるマスクは”reusable mask”と言われています。発音は、”ree yoo zuh bl mask”で、yooの音が最も強調されます。日本でもマスクの品不足を受けて、布製のマスクやDIYマスクを着ける人が多くなりました。アメリカでも、たくさんのファッションメーカーから布製のマスクが販売され、個人売買のサイトやハンドメイド商品の売買サイトでも手作りDIYマスクがよく販売されていました。アメリカでは、不織布マスクが品薄で全く手に入らないことがあった時期には手作りマスクを道端で売っている光景も珍しくなく、DIYマスクはコロナ渦で大変な人気商品となりました。
アメリカ人女性がマスクを選ぶ時、もちろん素材を見て選ぶ人もいますが、多くのアメリカ人女性はマスクのファッション性やデザインの可愛さでマスクを選ぶ場合が多いようです。そのため、ファッションメーカーや個人売買サイトでは素材は綿であろうがポリエステルであろうが、可愛いマスクであれば売れるという認識の下、様々な素材、デザインのマスクが販売されています。
手作りマスクは、”homemade mask” や”handmade mask”となります。布の素材を表示したい時には、100%綿素材であれば、”made by 100% cotton fabric”と表記できます。洗濯機で洗濯可能であれば”washable”、手洗いで洗濯可能であれば”hand wash”と表示されています。また、アメリカの個人売買サイトで手作りマスクが売られている場合には”no pet /smoke free home”と表示があることがあります。ペットの毛にアレルギーがあったり、タバコの匂いを嫌う人が多いため、ペットを飼っていない家やタバコを吸う人がいない家で作られた物はわざわざこのことを記載してあります。
英語のmaskの種類を覚えよう
たくさんのマスクを紹介してきましたが、基本的に英語の”mask”の意味は日本語で使われているのとほぼ同じ意味です。英語でマスクの種類を表す時には”mask”の前に修飾語を付けるだけです。海外でもマスクの着用は、相手をウィルスの感染から守る重要なものと捉える意識が高まったため、英語での表現の種類を覚えておくと便利に使えると思います。