「ことわざ」は日常会話やビジネスシーンなど、幅広い場面で使いますよね。
「私の職場、出身も性格も全然違う人ばかりなんだよ。」
「十人十色ってやつだね。」
「意中の子に早く告白しちゃいたいなあ〜」
「落ち着きなよ。ローマは一日にして成らずだぞ。」
このように、言いたいことをひと言で表すことができ、教養のある返しができるようになりますよね。
この記事では、そんな教養のある返しを英語ではなんと言うのかを紹介していきます。
英語のことわざを覚えるメリットと、英会話で使えることわざが身に付くので、ぜひ最後まで読んでください。
「ことわざ」を英語で言うと?
「ことわざ」を英語で言うには、主に以下の表現を使います。
- Saying
- Proverb
ProverbもSayingも「ことわざ」を表す英語表現です。
同じ意味で使われ、違いはほとんどありませんが、若干のニュアンスの違いがあります。
Proverbはことわざの意味以外にも「教訓・格言」などのアドバイスに繋がるような有名な言葉やセリフも含まれています。
Sayingはというと、Proverbのような「教訓・格言」に加え、世間一般的に多くの人が信じている共通認識のような言葉も入ります。
Saying ことわざ・格言・言い習わし
I wanna be rich!
訳)お金持ちになりたーい!
I guess everybody wants to be rich but you know, the old saying that to earn more than enough money, you’ll be in trouble with money as well.
訳)みんなそう思うもんだよね。でもほら昔からよく言うだろ、必要以上にお金を持ちすぎるとお金で苦労するってさ。
So what about this, let’s think this way you have enough money to not get in any trouble.
訳)こう考えたらどう?トラブルにならないくらいの十分なお金はある!
Is that way of thinking positive? It sounds like I don’t have much money…
訳)それってポジティブな意味? 逆にも受け取れるんだけど…
There is also a saying you just don’t realize you are actually already happy!
訳)ほら、よくいうじゃん、気づいてないだけで実は今が一番幸せだって!
Who said that?
訳)それって誰が言ったの?
My grandma!
訳)ぼくのおばあちゃん!
これらのように、ことわざや格言ではないけれど、広く知られていて多くの人がそうだろうと認識している「言い習わし」のようなことばはProverbではなくSayingにあたります。
Proverb ことわざ・格言
Hay, can you drop me off at Jenny’s house?
訳)ねえねえ、ジェニーんちまで乗っけてくんない?
Sure. But I need to stop by Emily to give this book back to her.
訳)いいよ。でもその前にちょっと本返しにエミリーのとこ寄ってもいい?
Emily? She is also coming to Jenny’s house.
訳)エミリー?だったら今日ジェニーんちに来る予定になってるけど。
That is good timing, but she lives a bit far isn’t she?
Then what about We stop by Emily first and drop the book off and pick her up then go to Jenny.
訳)それはタイミングよかった。あれ、でもエミリーからだとジェニーの家ってちょっと遠くない?
じゃあさ、先にエミリーの家に行って本を返した後そのままエミリーを乗せてジェニーの家まで送るよ。
That is a great idea. You can return the book to her and she doesn’t have to spend so much time getting Jenny.
Hey, there is a proverb something like this situation…
It’s a common one. What was that? I forgot…
訳)それ最高。本も返せるし、エミリーも時間かけなくて済むしね。
ねえ、そういえばこういった状況に使えることわざなかったっけ?
ほら有名なやつ…思い出せない。
A Proverb?
Well… I don’t remember either.
訳)え、ことわざ?…
なんだっけ?
「”ことわざ”って英語でなんて言うんだっけ……?」と思ったときは、ProverbかSayingのどちらかが出て来ればOKです。
上記例文の「Proverb」を「Saying」に置き換えても「ことわざ」の意味として成立するので、どちらを使っても特に問題はありません。
ただ、先にも述べたよう、言い習わしのように「多くの人が言っているよく聞く言葉」に関しては「Saying」を使うと頭に入れておきましょう。
ちなみに、例文の中でAさんが言いたかったことわざは…そう「一石二鳥」ですよね!
一石二鳥は英語で「Kill two birds by one stone」ひとつの石で2匹の鳥をしとめることを意味します。って日本語と同じじゃん!と思ったあなた。
ことわざだからといってそれが必ずしも難しい言い回しになるとは限りません。むしろこの「一石二鳥」のように、日本語の言い回しや意味合いが似ているもの、むしろ英語のほうが簡単なものもたくさんあります。
英語でことわざ…なんか難しそう…とそんなハードルを上げず肩の力を抜いて、日本語とはまた違った英語表現の仕方を楽しみながら覚えていきましょう!
「ことわざ」を英語で言うメリット
英会話をする際に、英語でことわざ表現を使うことで以下のメリットがあります。
意思疎通がスムーズになる
英語でも日本語でもそうですが、その情景や場面をひとことで言い表すことことわざは、コミュニケーションの円滑油ともなります。ことわざを使うことで、相手との「共通認識」に訴えられるので、意思の疎通がスムーズになることが期待できます。
人は、自分の予測する返答や期待している言葉が返ってきた時に、相手に親近感を覚えます。
「ことわざ」という共通認識の中から相手とマインドが合致したとき、それが無意識であったとしても会話の方向性の確認にも役立ちます。
教養を示すことが出来る
日本語でも目の前の状況をことわざのひと言で表すことが出来たら「物をよく知った知的な印象」を与えることが出来ますよね?
それは英語でも一緒です。
英会話の中で、しかもことわざを使い、ひと言で的確に状況を言い表すことが出来たら、就活、仕事、人間関係…あなた自身の教養の高さをアピールすることにも繋がります。
日本語と英語の表現の違いが身につく
英語のことわざを使うことで、日本語と英語の表現の違いが身につきます。
英語のことわざには、日本のことわざと同じ意味を表す表現がたくさんあります。
しかし、同じ意味を表すことわざでも、日本語と英語とでは表現の方法が大きく異なるものも。
これには文化的背景が大きく影響していて、知れば知るほど言語を通して「文化の違い」にも気づくことができます。
そして両者の表現方法を知ることで、日本語と英語との表現の違いを体感し、より深く身につけることを期待できます。
日本のことわざを英語で表す 一覧
まずは日本語のことわざと同じ意味を持つ英語のことわざを紹介します。
日本語の表現と、英語の表現の差にも注目してみましょう。
二兎を追うものは一兎も得ず
If you ran after two hares, you will catch neither
うさぎというとrabbitの方が一般的に知られていますが、「hare」も「うさぎ」を指します。ただ、一般的にペットや家畜としてかわいくぴょんぴょん跳ねまわるうさぎのイメージよりも、サイズももっと大きく走る速さもすばやい「野うさぎ」の方を連想させます。
発音記号héər
髪の毛の「ヘア」の発音に似てますが、「hare」の「a」を強調するイメージで、カタカナだと「ヘェア」の発音がより近いです。練習してみてくださいね。
いずれにしても、英語圏でも同じ動物「うさぎ」を使ったことわざは覚えやすいですね。
千里の道も一歩から
A journey of a thousand miles begins with a single step
少し長く感じますか?(笑)
英語には漢字がないので日本語と比べると、どうしても長くて覚えづらいと感じてしまう人もいるかもしれません。
しかしここで注目してほしいのは、文の長さそのものよりも、そこに使われている日本語と英語の表現の違いです。
日本語では単に「長い道のり」として表現される「千里」ですが、英語では「旅」を意味する「journey」が使われています。
「千里の道」と聞くと、どこまでも続く終わりの見えない長い道のりといった印象が強いですが、「旅」と聞くと、「ゴールがありいつかはそこにたどり着く」そしてそのための一歩。
いかがでしょう。こんな風に解釈してみるとなんだかロマンがあって、日本語で使うのとはまた違う、素敵なことわざに感じませんか?
とはいえ、やっぱり普段言い慣れない単語が並んだことわざに少し抵抗を感じる人は、文をいくつかに区切って覚える方法が効果的です。
- A journey of a thousand miles
1000マイルの旅 - begins with a single step
一歩から始まる
このように意味を繋げやすい箇所で区切って繰り返し練習していくと、次の言葉が自然を口をついて出てくるようになります。
I’ve been interested in opening a business but you know there are a lot of processes like office stuff and more. That makes me hesitate.
訳)前から企業に興味があるけど、手続きとか面倒だし、そこまでの知識もないから実際に行動を起こす気になれなくて…。
I see. I’ve heard many paperwork needs to submit.
訳)そうだね、役所手続きとかすごく大変って聞くしね。
But… there is a saying a journey of thousand miles with a single step.
訳)でも「千里の道も一歩から」って言うじゃん。
So I think you’ll see a goal when you moved on. why don’t you give it try!
訳)少しずつ動いていくうちにきっと目標に近づいて行くと思うから、思い切ってやっちゃえば!
Right… yeah, you are right! things don’t change when I’m seated.
訳)そうだよね、確かに!立ち上がらない限りは何も変わらないもんね。
I feel like I’ll give it a try!
訳)やってみようかな!
備えあれば患(うれ)いなし
・Hope for the best prepare for the worst
・Better safe than sorry
ふたつ挙げましたが、どちらも日本語の「備えあれば患いなし」の同義となることわざです。
・Hope for the best prepare for the worst
「最善を望み、最悪に備える」と訳せますね。best(最善)とworst(最悪)が一緒に使われていて使いやすいです。
・Better safe than sorry
ここでの「sorry」は謝罪の「I’m sorry」の意味ではなく、残念に思う、つまり「後悔」の意味となります。
後悔するよりも安心な方がいい、安全に備えるに越したことはないということですね!
「塵も積もれば山となる」「千里の道も一歩から」などのように日本語のことわざとにそのまま当てはまるような表現ではありませんが、どちらも短くシンプルで覚えやすい上に、広く浸透しているので、その時の気分や状況に応じて使い分けるといいでしょう。
鉄は熱いうちに打て
・Strike while the iron is hot
好機を逃すな、早いうちに対処する方が賢明である、といった表現で使われるのがこのことわざ。
ひとつ気を付けたいのが、日本語には、経験や学びは若いうちにどんどんしたほうがいいという意味合いも含まれています。しかし英語圏で若さや経験値に関する表現としては使いません。
A relationship between us and SKY company is doing good.
訳)我が社とスカイ社の関係性は良好だ。
Let’s keep going threw with this project goes strike while the iron is hot.
訳)この調子で企画を成功させよう。鉄は熱いうちに打て、だろ。
塵も積もれば山となる
- Many a little makes a mickle
「mickle」という日常ではあまり聞きなれない単語が出てきました。これは「多量、たくさんのもの」を意味し、現代では「古風」とされる英単語です。日常の英会話に出てくる機会はそうありませんが、意味を理解していればすっと腹落ち。
つまり、たくさんの小さなことは大きなものとなる、というまさに日本語の「塵も積もれば山となる」に値します。
英語でもシンプルで覚えやすいことわざのひとつです。
十人十色
- So many men, so many minds
「たくさんの人がいるだけ、たくさんの考えがある」と訳せます。
英語では「Minds」と表現しているところを、日本語では「Color (色)」と表現しているのが、日本人らしい感性が感じられます。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
- Better to ask the way than go astray
直訳すると「道に迷うよりも、道を尋ねた方が良い」になります。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と同じ意味合いですが、全然違う表現方法になるのが面白いですね。
早起きは三文の徳
- The early bird catches the worm
wormはミミズ。日本ではお金で得をすると喩えられていますが、英語では鳥が餌にありつくことができるという喩えで、早起きするとなにかしらいいことがあると表現されています。
My mother told me that she saw you at the park in the early morning was that you?
訳)お母さんが早朝に公園であなたを見たって言ってたけど、今朝公園行った?
Oh yeah probably. I was there this morning.
訳)うん、今朝行ったよ。それ多分ぼくかもね
Really? But it’s Sunday. What time did you wake up?
訳)そうなの? でも今日日曜じゃん。何時に起きたの?
Same as weekdays around 7. “The early bird catches the worm”, right?
訳)平日と同じ感じで7時くらいかな、早起きは三文の徳っていうじゃん?
郷に入っては郷に従え
- When in Rome do as the Romans do
英語ではローマを使って表現していますね。直訳では「ローマにいるときはローマ人のように振る舞え」になります。
The last workplace was quite easy with breaking time but this company is strict. I know it is probably good to be but it doesn’t really make me take a break.
訳)前にいた会社ではちょっとくらい休憩の時間がずれても何も言われなかったけど、新しい会社、時間の管理にすごくうるさくて…。いいことなんだろうけど、なんだか気が休まないんだよね。
Might take time to be used in a new environment and I’m sure it’s not easy.
訳)新しい環境に慣れるのって時間もかかるだろうし、大変だよね。
But also… When in Rome do as the Romans do.
訳)でも郷に入っては郷に従えって言うしね。
ローマは一日にしてならず
- Rome wasn’t built in a day
誰もが一度は聞いたことのあるこのことわざ。ローマ帝国は700年もの年月を経て築かれた国。時間をかけないと成果がでない事側に対して、焦ったり結果を急いだりしている人に投げかけたいことわざです。
Hey, Ben asked for another research again. This is the third time and I am sick and tired.
訳)ねえ、ベンからまたリサーチ頼まれたんだけど、これで3回めよ。もううんざり。
I know Lisa. But you know how important this study is. Rome wasn’t built in a day.
訳)わかるよリサ。でもこの研究がどれほど大事か知ってるだろ。ローマは一日にして成らずだよ。
虎穴に入らずんば虎子を得ず
- No pain, no gain
直訳すると「痛みなくして得るものなし」。大きな何かを得るには時には犠牲が必要な時も。
こちらのことわざの場合は日本語よりも英語の方が短くて言い回しが簡単です。
My boss gave me a planning task for a cross-industry exchange event for next month, but I’m not socialized. It’s not easy to communicate with new people. I don’t think this is for me.
訳)来月の異業種交流の企画を任されたんだけど、私実は人見知りでなかなか新しい人間関係を広げられないんだよね…。この企画向いてないと思うんだ。
Well, it’s hard when you do things which not in your field. You might know there is a common saying “no pain no gain“.
訳)自分の得意分野じゃないとこで任された仕事って難しいよね。でもほら「虎穴に入らずんば虎子を得ず」っていうじゃない。
Always scary to do things you’ve never done before. there are many difficulties. but in the end, you might gain something bigger than you had!
訳)何か新しいことをする時って怖いし壁にぶつかるけど、その分得るものはきっと大きいと思うよ!
終わり良ければすべてよし
- All is well that ends well
こちらのことわざはイギリスから来たもので、シェイクスピアの作品名が由来とされています。
How was the party?
訳)飲み会どうだった?
It was actually something.
訳)それがあんまりよくなかったんだよね。
What’s wrong?
訳)何があったの?
Helen and Maya had fought but somehow it got calmed back down. Then went just like nothing happened.
訳)ヘレンとマヤがケンカに発展したんだけど、なんだかんだで落ち着いて最後は何事もなかったかのようだった。
Really? Well, I’m glad it didn’t become bigger.
That’s exactly “all is well that ends well”.
訳)ほんと?まあでもそれ以上大きくならなくてよかったね。
終わりよければすべてよしとは正にこのことだね。
文化の違いが反映された表現
覆水盆に返らず
- It is no use crying over spilled milk.
覆水盆に返らず。
直訳すると「こぼれた牛乳を泣き喚いても仕方がない」になります。
一度しでかしたことは元には戻らないという意味で使われます。日本語では水と表現されていますが、英語では「Milk」とされているあたりに日常的な文化の違いが感じられます。
藪をつついて蛇を出す
・Let sleep in dogs lie
「触らぬ神に祟りなし」にも似た表現で、余計なことをして事を悪化させるよりはそっとそのままにしておこう、といった意味で使われます。
日本語では蛇が使われていますが、英語では犬となっていますね。
国によって恐れられているものが違うとことわざの表現も変わってきます。
天気に関することわざ
ことわざではなくても天気の話題はそこまで面識のない人とでも自然と会話に入りやすいトピックのひとつ。
以下の記事にはそんな「天気」に関することわざについてです。
是非立ち寄ってみてください。
まとめ
この記事では、英語のことわざについて以下の点からお伝えしました。
- 英語でことわざを話すメリットは、コミュニケーションの手助けと教養のアピール
- 「ことわざ」は英語でProverbもしくはSaying
- 長いと感じることわざは区切って練習しながら覚える
- 日本語でのことわざと英語のことわざ、それぞれ直訳的に表現できるものもたくさんある
- 意味は同じでも、文化的背景から英語圏特有の表現がある
ことわざと聞くとなんだか難しい単語がたくさん並んで伝わらないんじゃないかとハードルが上がりがちですが、中にはむしろ英語の方が覚えやすく簡単なものもいくつかありました。
今回紹介したことわざは比較的なじみがあり使いやすいものをピックアップしました。
その他ことわざに関する以下の記事も是非読んでみてください。
日常会話にさらっと取り入れて、一つ上の英会話コミュ力を身につけましょう!