この「ことわざ」、「英語」で何と言う?シリーズ、今回は、「好き・大好き」のつく「ことわざ」を英語に翻訳してみました。
人や動物、行動などある対象に心が惹かれ、快さを感じることを「好き」と言います。反対にその対象へ不快を感じることを「嫌い」と言います。好きだと感じるものにはポジティブな感情を得ますが、嫌いだと感じるものにはネガティブな感情を得ます。
食べ物に対して好き嫌いを感じることを「偏食」と言い、必要な栄養素に偏りがある食事の状態を意味します。
そんな「好き」のつく「ことわざ」を英語に訳しました。
1.好きこそ物の上手なれ
「好きこそ物の上手なれ」とは、好きなことは自ら進んで勉強するため、自然と上達することを意味する「ことわざ」です。
英語では
「Who likes not his business, his business likes not him.」
と翻訳することができます。
直訳で「自分の仕事を好きじゃない者は、仕事からも愛されない」という意味です。
古い言い回しのため”not”が動詞の後についていますが、「who does not like his buisiness」と同じ意味で、「自分の仕事を好きではない者」という意味です。
その他、以下のような翻訳もあります。
「What one likes, one will do well.」
直訳で「好きなことは上手にできるだろう」という意味です。
「Do what you love and success will follow.」
直訳で「自分の好きなことをしなさい、そうすれば成功がついてくるだろう」となります。
訳)私は料理が好きだけど、あまり上手じゃないの。
訳)「好きこそ物の上手なれ」ですよ。
2.蓼食う虫もすきずき(たでくうむしもすきずき)
蓼とは辛みのある植物のことです。「蓼食う虫もすきずき」とは、そんな辛みのある蓼を好んで食べる虫がいるように、人の好みも人それぞれという意味の「ことわざ」です。
英語では
「There is no accounting for tastes.」
と翻訳することができます。
直訳すると「人の好みは説明のしようがない」という意味で、「蓼食う虫もすきずき」と同じ意味合いで使用されます。
”account”とは「勘定、計算書、説明」などの意味があり、”account for ~”で「~の説明をする」という動詞になります。
”taste”は「味、味覚、好み」の意味です。
訳)彼は爬虫類を飼っているそうよ。
訳)人それぞれだね。蓼食う虫も好き好きって言うからね。
3.好き添いは離れやすい
「好き添いは離れやすい」とは、正式な結婚式を上げずに結婚した夫婦は別れやすいという意味の「ことわざ」です。
英語では
「A couple who did not have a wedding ceremony is easy to divorce.」
と翻訳することができます。
”divorce”とは動詞で「離婚する」という意味で、直訳すると「結婚式をしなかった夫婦は離婚しやすい」という意味です。
4.下手の横好き
人は本来、下手なことはやめてしまうはずですが、それにもかかわらず好きで続けていることを表します。
「横」という字には、正しくない・道理に合わない、という意味があります。つまり、「横好き」は、道理に合わず好きという意味合いを持ちます。「下手の横好き」は、自分自身や身内を謙遜するときに使う言葉です。
英語では、直訳する表現はありませんが、文章を組み立てて説明することができます。
「She is always at it, and always bad at it.」(彼女はいつもそれをしているが下手である)
「She is crazy about it, but being very bad at it.」(彼女それに夢中だが下手である)
「loving ○○ but being very bad at it.」(○○がとても好きだが下手だ)
といった表現があります。
訳)あなたはギターが上手だと人から聞きましたよ。
訳)下手の横好きなだけですよ。
5.亭主の好きな赤烏帽子
一家の主人の好むものは、たとえ人に笑われようと、家族は従うものであるという意味です。烏帽子は黒塗りが普通ですが、赤烏帽子が好きな風変りな主人の趣味にも従わなければならない昔の家制度を表現しています。
英語で直訳すると、
「Family members should fall into line with the head of the family even if his taste is a little odd like wearing a red eboshi、which is ordinarily black.」
となります。
愛や恋を表すことわざ
愛、恋を表現することわざはいろいろあります。
恋は盲目
恋におちると、理性や常識を失ってしまうという意味です。
英訳では、
「Love is blind.」
となります。
可愛さ余って憎さ100倍
かわいいと思えば思うほど、いちど憎いと思えば憎しみはとても激しいものになるという意味です。
英訳では、
「The greatest hate springs from the greatest love.」(最大の憎悪は、最大の愛から生まれます。)
映画や小説でも描かれている感情ですが、現実でも人にはそのような感情が生まれがちですね。
恋の病に薬なし
恋心を抑える薬はありません。恋の病も失恋の痛みも、時間が経つのを待つ以外治せないということです。
英訳では、
「Nothing can cure love.」(何も愛を治すことはできません。)
となります。
女心と秋の空
変化しやすい秋の空のように、女性の気持ちは移り変わっていくというたとえです。
英訳をすると、以下のようになります。
「A woman’s mind and winter wind change oft.」(女性の心と冬の風はしばしば変わります。)
「Women are as fickle as April weather.」(女は4月の天気のように気まぐれ。)
「oft」は、「しばしば」と言う意味です。
日本語訳は「秋の空」ですが、「冬の風」、「4月の天気」となるのですね。自然に例える風習は同じなのがユニークですね。
「好き」をたとえる慣用句
「好き」をたとえる慣用句に、「目がない」という表現があります。とても好きでのめり込むことや、ものを正しく考えられないほど好きだということを意味します。
「甘いものに目がない」というときの英語は、「I have a sweet tooth.」となります。
訳)私は甘いものに目がありません。毎日、プリンかチョコを食べています。
「好き」をたとえる四字熟語
「好き」を表現する四字熟語に「無我夢中」という表現があります。
英語では、「feverishly」「lost in thought」などに訳すことができます。
訳)私は無我夢中でテニスをしていたので、時間が過ぎることに気づきませんでした。
まとめ
今回は、「好き・嫌い」のつく言葉にまつわる「ことわざ」をまとめてみました。
「好きこそ物の上手なれ」という「ことわざ」があるように、英語の学習も好きになることが一歩目! まずは、簡単な「ことわざ」や「名言」から英語を好きになることで、どんどん英語を知りたいと思えるようになるかもしれません。
今後もさまざまな「ことわざ」や「名言」を翻訳していきますので、お楽しみに!