英語を勉強している方の中には「将来は海外の大学へ留学したい」という方も少なくないでしょう。
日本語でも「単位」や「卒論」、「専攻」などと大学ならではの表現がありますが、それは英語でも同じこと。
英語圏での大学生活をスムーズに送るために、大学に関連する英単語を今からしっかりマスターしておきましょう。
大学に関する英語表現は国によって異なることもありますが、今回は特にアメリカの「大学教授」の表現をご紹介します。
教授以外のポジションの英語表現もご紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。
アメリカの教授は大きく3種類
日本語では大学教授のことを「先生」と呼ぶこともありますね。
アメリカでは、大学教授のことを「先生」と呼ぶことはなく、そのポジションの違いにより3つの表現があります。
教授:Professor
まず、ご紹介するのが”professor“。まさしく「教授」を意味する英単語です。
ラテン語の「芸術や科学の専門家であると公言する人(professor)」が語源になったといわれています。
ちなみに動詞の”profess”は「公言する」や「明言する」という意味。語源から考えると納得ですね。
“professor”を敬称に用いる際は、”prof.“と省略されることもあります。
訳)わたしの父は大学教授です。
You should visit the professor’s office during his office hours.
訳)教授のオフィスは面会時間の間に訪れるべきです。
She professed to know nothing about it.
訳)彼女はそのことについて何も知らないと公言した。
准教授:Associate Professor
教授の次の地位である准教授の英語表現が”associate professor“。”associate“は「関係づける・関連させる」という動詞の意味がよく知られていますが、そのほかにも「準〜、副〜、次席の」という形容詞の意味もあります。
“associate member(準会員)”などの表現に用いられます。
“associate professor“は頭文字から”AP“や”Assoc. prof.“と省略されることがあります。覚えておいてくださいね。
She was an associate professor at Kyoto University.
訳)彼女は京都大学の准教授だった。
He is an associate professor of history.
訳)彼は歴史学の准教授です。
助教:Assistant Professor
助教は「助手」という意味の”assistant“を使い、”assistant professor“と表現します。
“assistant professor“は”Asst. Prof.“と省略されることがあります。
My sister is an assistant professor at a private university.
訳)わたしの姉は私立大学の助教です。
I worked as an assistant professor for 7 years.
訳)わたしは助教として7年間、働いていた。
ちなみに日本の教授は…
アメリカの大学教授が主に3つに分かれるのに対し、日本は「教授」と「准教授」の2種類。
「准教授」は2007年から使われている名称で過去は「助教授」と呼ばれていました。
「助教授」だと、「教授のサポート」という意味合いが強く、実際は実際の仕事内容は「教授」とさほど変わらないことから、「准教授」と呼ばれるようになりました。
一般的に日本の大学では、「教授」「准教授」の下に「講師」、「助教」が続きます。
大学で使われるほかの役職の英語名もご紹介
大学には教授や准教授以外にもさまざまな人がいます。
主なポジションの英語表現を確認しましょう。
学長 | president |
理事 | executive director |
学部長 | dean |
客員教授 | guest professor |
講師 | lecturer |
助手 | research assistant |
非常勤講師 | part-time lecturer |
名誉教授 | professor emeritus |
これらの英語表現で特に聞き覚えがない”dean“と”professor emeritus“についてご紹介しますね。
学部長:Dean
“dean“は学部長や学生部長を意味する英語です。キリスト教の「首席司祭」や団体に属する「最古参、長老」といった意味もあります。
海外に留学を考えているなら、覚えておきたいのが”dean’s list“ということば。これは、学期ごとに発表される成績優秀者リストのことです。このリストに掲載されたことは履歴書やポートフォリオにも書くことができ、大学生活においても、その後のキャリアにおいても大きなメリットを持ちます。
もし、留学を考えているなら、ぜひ”dean’s list“に挑戦してみましょう。
ちなみに”dean’s list“よりもさらに優秀なのが”president’s list“。この”president“は学長のことで、最優秀とされる学生に与えられるものです。
The new dean is very strict.
訳)新しい学部長はとても厳しい人だ。
She is on the dean’s list.
訳)彼女は成績優秀者のリストに名前が載っている。
名誉教授:Emeritus professor
「名誉」と聞くと”honor“が思い浮かび、「名誉教授」であればついつい”honorary professor“としそうになりませんか?
ところがこの「名誉教授」の「名誉」は”honor”ではありません。
「名誉教授」とは、その大学への業績や貢献度が高い教授が退職後に与えられる称号。
そのため、”honorary professor“が意味するのはまさに現役の「名誉ある教授」のことで、「名誉教授」の意味とはちょっとニュアンスが異なります。
“emeritus“とはラテン語に由来することばで「実権のない名誉職にあること」を表します。そのため、名誉教授は”emeritus professor“。”professor emeritus“と表現することもあります。
ちなみに日本の上皇もこの”emeritus“を使い”His Majesty the Emperor Emeritus“と表現しますよ。
教授 呼びかけるときの表現は?
日本語で教授に呼びかけるときは「○○先生!」と言いますね。
日本語の「先生」は、「大学教授、小中高校の教師、医者、弁護士、政治家」などに使えるある意味とっても便利なことばです。
英語には日本語の「先生」のように汎用性の高い言葉はなく、大学教授に声をかけるときは”Professor +ラストネーム(名字)“となります。
呼びかけるときは基本的に、どの立場の教授かであるかは気にせず、”associate professor”であっても、”assistant professor”であっても、”Professor +ラストネーム(名字)”で構いません。
まとめ
今回は大学の「教授」を中心に「学長」や「学部長」、「非常勤講師」などの表現を確認しました。意識しないと耳に触れることの少ない表現ですが、大学ではごく一般的に使われるフレーズ。英語圏の大学は日本の大学よりも教授との関係が近く対等です。「将来は、海外の大学へ」と思われている方はぜひ覚えて、教授陣との距離を縮めてください。
そして、いつの日か”dean’s list(成績優秀者のリスト)”に名を連ねることを願っています!