新型コロナウイルスが収束しつつあり、海外旅行に行くのを検討し始めている方もいるでしょう。
予算や時間の兼ね合いによってさまざまな場所が対象になりますが、東南アジアは比較的気軽に旅行しやすい場所です。
とくにベトナムは、料理がおいしく、物価も安いので人気の観光地です。
ただ、旅行に行くとなると気になるのが、ベトナムの英語事情ではないでしょうか。
カタコトであっても、なんとか英語でコミュニケーションが取れれば安心ですよね。
そこで今回は、ベトナムで英語は通じるのかについて解説していきます。
「ベトナム」を英語で表記すると?
日本からアクセスしやすく、物価も安いため、人気の観光地であるベトナム。
コロナウイルスが落ち着き、海外渡航のハードルが下がったら行ってみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
日本は英語で表記すると「Japan」とシンプルですが、ベトナムを英語で表記するとなると分からない方もいるでしょう。
そもそも、「ベトナム」の正式名称は「ヴィェトナム社会主義共和国」です。
英語表記にすると「Socialist Republic of Vietnam」になります。
「Socialist Republic=社会主義共和国」、「Vietnam=ベトナム」という意味があります。
「Socialist Republic」の部分は省略されるケースも多いですが、正式名称として覚えておきましょう。
「Vietnam」の英語の発音
Vietnamの発音記号は「viètnάːm」であり、カタカナで発音を表現する場合は「ビェトナム」になります。
「ベトナム」とカタカナ読みをしても通じない可能性があるので、正しい発音をチェックしておきましょう。
ベトナムの公用語は何語?
ベトナムに行ってみると分かるのですが、ベトナム人同士の会話で英語を使うことはありません。
ベトナムの公用語はベトナム語であり、看板や商品のパッケージにもベトナム語が使われています。
そもそもベトナムは多民族国家ですが、総人口の87%はキン族が占め、残りの13%は少数民族などで構成されています。
人口の大半を占めるキン族の母語がベトナム語であったことから、公用語がベトナム語になったという背景がありますよ。
ちなみに、現在では少数民族の間でもベトナム語が使われるようになっています。
ベトナム語の歴史
ベトナム語がどのように誕生したのかご存じでしょうか。
ベトナム語は中国語に影響を受けた言語の一つとされています。
日本語の漢字も中国語の影響を受けていますよね。
ベトナム語の原型は漢字を元にした「Chữ Nôm(チュッウ ノム)」が使われており、その後「Chữ Quốc Ngữ(チュッウ クゥオッ ングッウ)」が採用されて現在のベトナム語に至ります。
つまり、ベトナム語のもともとのベースは中国語なのです。
ベトナム語の特徴
ベトナム語は中国語がもとになっていることがわかりましたね。
では、ほかにどのような特徴があるのでしょうか。
まず、ベトナムは発音が非常にむずかしいのが特徴の一つです。
日本語は書いたり読んだりするのがむずかしい言語ですが、母音が「あ・い・う・え・お」の5つしかないので発音は簡単だと言われています。
一方、ベトナムの場合、母音が11個もあるうえ、ひとつひとつの母音に6つの声調があるのです。
日本語で「あ」と言えば一つの発音しかありませんが、声調が6つあると「あ」だけで6パターンの発音があるのです。
そのため、ベトナム語は発音が細かすぎて、聞き取るのも話すのもむずかしい言語なのです。
そのほか、北部と南部で発音が変わったり、人称代名詞が多かったりするのも特徴と言えるでしょう。
人称代名詞とは「わたし」「あなた」といった言葉ですが、ベトナム語の場合、相手との年齢差によって使用する人称代名詞が変わるのです。
ベトナムで英語は通じるの?
ベトナム語の特徴や歴史について解説しました。
ベトナムに行く際、ベトナム語を習得できればいいですが……簡単なことではありませんよね。
では英語は通じるのでしょうか。
ベトナムで英語が使えれば、現地でもスムーズにベトナム人とのコミュニケーションが取れるでしょう。
英語能力ランキング「EF EPI」とは、グローバル教育機関が実施する「EF試験」を受けた成人の、国ごとの英語能力指数を表すランキングのことです。
2018年の「EF EPI」の結果を見てみると、ベトナムは88か国の中で41位に入っており、「標準的」と評価されています。
ちなみに日本は88か国中49位で、「低い」と評価を受けていますよ。
つまり、「EF EPI」のベースに考えると、日本よりも英語は通じやすい環境と言えるのではないでしょうか。
ただし、どの国にも観光客の多いエリアは英語が通じやすい、田舎に行くと英語が通じにくいという傾向があるでしょう。
そこで、エリアごとで、英語が通じるかどうかを解説します。
観光地
ベトナムの観光地と言えば、首都ハノイ、最大の観光都市ホーチミン、リゾート地のダナンでしょう。
ハノイ・ホーチミン・ダナンはベトナムの三大都市と呼ばれており、海外からの観光客が多く訪れるエリアです。
この三都市間の英語事情を比較すると、ほとんど大差がありません。
海外からの観光客が多いエリアのため、さまざまな業種の方が英語を話せる傾向にあります。
ホテルはもちろん、スパやタクシー、スーパー、ショッピングモール、観光地のスタッフなどは英語を話せるでしょう。
ただし、市場や地元の人だけが使うレストランなど、ローカルな場所は英語が通じないケースもあります。
カフェ
観光地はもちろん、郊外のカフェでも意外と英語が通じます。
カフェでアルバイトをしているのは学生であるケースが多く、いまの学生は英語教育を受けてきているので英語を話せるケースが多いのです。
郊外だから英語が使えないかもと不安に感じるかもしれませんが、場所を選べば問題なくコミュニケーションが取れるでしょう。
通じないエリア
ベトナムの三大都市であるハノイ・ホーチミン・ダナンの中にも、英語が通じにくい場所があります。
とくに注意しなければならないのが、ミニホテルでしょう。
旅行費を抑えようと、宿泊費がとても安いホテルや、星が付いていないホテルを予約すると、英語を話せるスタッフが在籍していない可能性があります。
また、マッサージ店やスパも同じです。
受付では英語を話せるスタッフが在籍していますが、施術は英語を話せないスタッフが行うケースも珍しくありません。
施術中にベトナム語で話しかけられ、分からないまま「yes」と答えていると勝手にオプションが追加されることも。
海外ではよくあるケースなので、マッサージ店を利用する際は気を付けましょう。
ベトナムの英語の教育事情
近年、経済成長が止まらないベトナムでは、外資系企業が多くベトナムに進出しています。
経済成長に伴い、英語教育に熱心な家庭が増えており社会現象にもなっているのだとか。
また、英語に限らず、日本語や中国語の教育環境も充実しつつあります。
つまり、ベトナムでは公用語のベトナム語だけでなく、第二言語・第三言語を習得させて世界で活躍できる人材を育成させようとする流れがあるのです。
なお、富裕層の家庭ではインターナショナルスクールに通わせるのが主流になっています。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、ベトナムの英語事情を中心に解説しました。
ベトナムの公用語はベトナム語ですが、観光地を中心に英語を使える場所が増えつつあります。
ただ、海外旅行に行く際は、英語だけで会話しようとするのではなく、現地の挨拶や簡単なお礼だけでも話せるとより観光を楽しめますよ。
ぜひ今回の記事を参考に、ベトナムの英語事情についてチェックしてみてください。