私は服が好きで、傍から見れば見分けが付かないような、似たデザインの服を集めてしまう癖があります。それらの違いはずばりシルエットで、着てみるとまったく印象が変わるので、ついつい数が増えてしまいます。
さて、そんなわけで今回のテーマは「シルエット」です。カタカナ英語としてすっかり定着しているシルエットは、英語でもそのまま使えるのかどうか、そもそもどんな綴りなのかなど、詳しく確認していきます。
普段の会話でシルエットをよく使う方にとっては、非常に有益な内容となっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「シルエット」は英語で何て言う?
「シルエット」は英語でもそのまま “silhouette” と言います。ただし、そのままといっても発音が難しいので注意しましょう。
silhouette の発音記号は【ˌsɪluːˈet】で、カタカナ表記すると「スィルエト」という感じになります。なお、silhouette の綴りと発音がこんなに難しいのは、これがフランス語由来の言葉だからです。
文字だけでは表現が難しい独特の発音なので、ぜひ一度実際の音声を確認してみてください。
silhouette の意味は?
日本ではシルエットとカタカナ英語で定着していますが、本来の silhouette の意味は「影」です。
影といっても、私たちが普段目にする普通の影ではなく、人や物の形がしっかり現れた影を表します。日本語の語感では「影絵」や「影法師」が近いです。
また、推理マンガなどで、正体不明の犯人が真っ黒に描かれることがありますが、あのイメージを想像してもらえるとわかりやすいでしょう。
In manga, the culprit is depicted as a pitch-black silhouette, but that’s something that can’t be replicated in dramas and such.
訳)漫画では犯人が真っ黒なシルエットで描かれるけど、あれってドラマとかだと再現できないよね。
Absolutely. It’s a unique storytelling technique specific to manga.
訳)確かに。漫画ならではの表現技法だよね。
silhouette の由来は?
silhouette は、18世紀に実在した人物「エティエンヌ・ド・シルエット(Etienne de Silhouette)」の名前を由来としています。
彼は当時フランスの政治家として、倹約のために肖像画を黒一色で描くという驚きの倹約政策を実施しました。そのことがフランス国民に大きな衝撃を与え、「黒一色の影=シルエット」と呼ばれるようになったようです。
It’s somewhat of a dream to have my name live on as a word.
訳)自分の名前が単語として残るって、なんだか憧れる。
Hmm, but having your name associated with being stingy, that’s a bit embarrassing as the reason for it to endure…
訳)うーん、でもケチだったことを理由に名前が残るってのは、ちょっと恥ずかしいかな…。
「服のシルエット」は英語で何て言う?
おしゃれな人は服の形を指してシルエットと言いますが、これは英語でも同様です。「服のシルエット」を英訳すると “a silhouette of clothing” となります。
silhouette は先述の通り「影」が本来の意味ですが、そこから人や物の「輪郭」も表すようになりました。そのため、色や柄などは一旦置いて服を形だけで語る際は、日本でも英語でもシルエットが使われるのです。
This jacket has a wide chest and a short length, creating a box silhouette, making it versatile to mix and match with various bottoms.
訳)このジャケットは身幅が広くて丈が短いボックスシルエットなので、ボトムスを問わずに着まわしやすいですよ。
I’m sorry, but I have no idea what you’re talking about.
訳)すみませんが、何を言っているのかさっぱりです。
シルエット以外の「影」を表す英語表現
英語には silhouette の他にも、”shadow”、”shade” という2つの「影」を表す言葉が存在します。
ここでは、これらの意味が silhouette とどう違うのか、詳しく確認していきましょう。
影①:shadow
“shadow” は、物体が光を遮ることによって生まれる「影」を表します。発音記号は【ˈʃædoʊ】、カタカナ表記すると「シャドウ」です。
最も身近でわかりやすい shadow の例は、屋外にいるときにある「自分の影」です。普段ほとんど意識しないで暮らしていますが、私たちの身の回りは、人にしろ物にしろ、基本的に shadow がいつも付いて回っています。
silhouette と shadow の違いは、影が本体の輪郭を写し取っているかどうかです。自分の影が四肢のある人型をしていれば silhouette ですが、ただの棒状になっていたり、変に歪んでいたりすれば shadow と判断されます。
日常的にある影は、大半が人や物の一部を切り取ったものなので、99%は shadow だと考えてよいでしょう。
Is it possible for a shadow that falls on the ground to be seen like a silhouette?
訳)地面に落ちた影がシルエットみたいに見えることってあるかな?
Well, the possibility might not be zero, but I’ve never had such an experience before.
訳)うーん、可能性は0じゃないかもだけど、今までそんな経験はないな。
影②:shade
“shade” は、光を遮ることによって生まれる暗い領域を表します。発音記号は【ʃeɪd】で、カタカナだと「シェイド」です。
光を遮る点で shade と shadow は共通していますが、shade ではその形はほとんど意識されません。たとえば、炎天下で外を歩いていると、無意識に軒下や木の下にある暗い領域を選んで歩きますよね。あの部分が shade です。日本語の感覚では、「影」より「陰」の方が近いですね。
形に着目した場合は shadow あるいは silhouette、暗いことに着目した場合は shade になると考えればよいでしょう。
Once you step into the shade, every shadow and silhouette disappears.
訳)ひとたび日陰に入れば、あらゆる影もシルエットも消滅する。
Yeah, that’s right.
訳)うん、そうだね。
まとめ
今回は「シルエット」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
シルエットは英語でもそのまま “silhouette” ですが、綴りと発音が独特なので注意しましょう。また、silhouette の基本的な意味は「影」であり、そこから人や物の「輪郭」、服の「形」などの意味に派生して使われます。
silhouette と同様に「影」を表す英単語に “shadow” と “shade” がありますが、それぞれにイメージが異なっているので、場面に応じて使い分ける必要があります。
今回ご紹介したことを参考に、日本語でも英語でも、シルエット(silhouette)を積極的に使いこなしていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!