”Get back home.”(帰ってきて)や、”I’ll get back to you.”(連絡するね)など、普段の会話でも頻繁に登場する”get back”。
”get”も”back”も中学生で習う基本的な単語なので、”get back”の意味は、なんとなくイメージできるという方は多いのではないでしょうか。
とはいえ、いざ英語で話すとなると「どうやって言えばいいんだっけ?」「語順はこれで合ってる?」など、理解があいまいな部分もありますよね。

今回は、しっかり習得しておきたい英語の句動詞”get back”について、意味と使い方、類義語、スラング表現などを紹介していきます。

”get back”の意味

”get back”の意味

”get back”は、動詞の”get”と、副詞の”back”を組み合わせた句動詞です。
辞書では以下のように定義されており、「家へ帰る」「もとの場所へ戻る」「仕返しをする」「人を送り帰す」「ものを取り戻す」といった意味を表します。

  • get back
    to return to a place after you have been somewhere else
    どこか別の場所に行った後に、その場所に戻ること
  • get someone back
    to do something unpleasant to someone because they have done something unpleasant to you
    誰かが自分に対して不快なことをしたので、その人に対して不快なことをすること
  • get something back
    to be given something again that you had before
    以前持っていたものを再びもらうこと

参考:Cambridge Dictionary

”get back”は、何かしらの行動や言動によって自分のものにする、というのがコアのイメージです。
物理的な場所や状況が元に戻ることを指す場合は、「帰る」や「戻る」となり、失ったものを再び手元に戻すことを指すときは、「取り返す」や「報復する」と訳されます。

”get back”を使った例文

「家へ帰る」「もとへ戻る」「あとで連絡する」「取り戻す」「取り返す」など、いろいろな意味を持つ”get back”を使った例文を紹介します。

帰る・戻る

Aさん
Mary gets back from work in half an hour.
訳)メアリーは、30分で仕事から戻ります。
Aさん
When I got back to the hotel, she had already left.
訳)ホテルに戻ると、彼女はすでに帰っていました。

取り返す・取り戻す

Aさん
He went next door to get his money back.
訳)彼はお金を取り返しに隣の家に向かいました。
Aさん
It was an opportunity for John to get his confidence back.
訳)ジョンにとっては、自信を取り戻すチャンスでした。

”get back”の類義語

”get back”と似たような使い方ができる類義語を3つ紹介します。
どれも「戻る」や「帰る」の意味を持っている英語なので、”get back”と言い換えられる表現として覚えておきましょう。

  • return
    ”return”は、「…に帰る」「…に返す」「元に戻る」「回復する」「復帰する」などの意味を持つ英語です。
    具体的な場所に戻る行為だけでなく、仕事や活動、状態などが元に戻ることも表します。
  • revert
    ”revert”も、「帰る」や「戻る」の意味を持つ英語の一つで、ほかにも、「立ち戻る」「再び考える」「逆戻りする」といった意味を表すときに使われます。
  • retrieve
    ”retrieve”は、「取り戻す」「回収する」「救い出す」「回復する」「挽回する」などの意味を表す英語です。
    失ったものを取り戻すのがコアの意味で、ほかに「埋め合わせる」「つぐなう」「繕う」と訳されることもあります。

”get back to”は「返事する」

”get back to”は「返事する」

”get back”を含む表現で特によく目にするのは、”get back to”ではないでしょうか。
”get back to”は、何かを再び始めたり、誰かに返答したりする意味を持っており、「人に返事をする」「人にあらためて連絡を取る」「人に電話をかけ直す」などと訳されます。

辞書では以下のように定義されています。

  • get back to someone
    to talk to someone again, usually on the phone, in order to give them some information or because you were not able to speak to them before
    誰かと再び話すこと。通常は電話で、情報を伝えるため、または以前話せなかったために
  • get back to something
    to start doing or talking about something again
    何かを再び始めたり話したりすること

参考:Cambridge Dictionary

使用場面の例としては、何かを中断した後で再びそれに取りかかる場合や、電話やメールなどであとで返事をする際によく使われます。

【メール・電話で】

Aさん
I’ll get back to you on that soon.
訳)それについては、またすぐに連絡いたします。
Aさん
I’ll look into those figures and get back to you later.
訳)その数字について調べて、後ほどご連絡いたします。

【オフィス・会議で】

Aさん
I’ll get back to the office as soon as the meeting finishes.
訳)会議が終わったら、すぐにオフィスに戻ります。
Aさん
Let’s get back to what we were talking about.
訳)話を元に戻しましょう。

【同じチームや同僚と】

Aさん
Anyway, I’d better get back to work.
訳)とにかく、そろそろわたしは仕事に戻らないと。
Aさん
If you skip some days, it can be hard to get back to a regular work routine.
訳)何日か仕事を休むと、通常業務に戻るのが難しくなるかもしれないよ。

”get back”を含むスラング表現

最後に、”get back”を含むスラング表現を少しだけ紹介します。
”get one’s butt [ass] back”は、直訳すると「お尻を戻す」で、「戻って来る」を意味するかなりくだけた言い方のスラングです。
「フラフラしていないですぐに戻れ」のような、あまり上品ではないニュアンスが含まれるため、使う相手には注意しましょう。

Aさん
Get your butt [ass] back here!
訳)ここに戻ってこい!

”get back”には「仕返しをする」という意味がありますが、口調を強めて「やり返せ!」や「復讐してやる!」といったスラングのような言い回しで使うこともあります。

Aさん
I’ll get my own back on you for this someday.
訳)いつか仕返ししてやるからな!

まとめ

しっかり習得しておきたい英語の句動詞”get back”について、意味と使い方、類義語を紹介しました。
”get back”は、動詞の”get”と、副詞の”back”を組み合わせた句動詞で、「家へ帰る」「もとの場所へ戻る」といった意味のほか、「仕返しをする」「人を送り帰す」「ものを取り戻す」などの意味も表します。

「返事する」を意味する”get back to”は、ビジネスでの電話やメールだけでなく、日常会話でも頻繁に使われる表現ですので、一緒に覚えておきましょう。

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