日本がオリンピックに出場するハンドボール競技について、英語で知りたい方もいるでしょう。スポーツ競技には日常会話とはまた違った独特の単語や用語があります。そこで、ハンドボールに役立つ英語表現をご紹介します。ハンドボールの日本語でのカタカナと本来の英語での表現の違いについても解説しているので参考にして下さいね。
ハンドボールは英語でどう表現する?
ハンドボールを英語でいうと”handball”となります。日本語でハンドとボールは、手(hand)と球(ball)の2語に分けることができるため、そのまま英語表現に当てはめると”handball”です。まさにカタカナ読み「ハンドボール」を英語の “handball”に戻したものだと分かります。イギリスではハンドボールを授業でよく行っており、表現は英語言語がベースのため、そのまま日本語での言い回しや表現は英語と共通しているのです。ハンドボールの指導や競技中のプレイの説明は、専用の用語を理解して使わないと相手にうまく伝わりません。特にハンドボール競技者にとっては、当たり前のフレーズが多くあり、監督やコーチはそれを前提に選手にアドバイスを行います。
ハンドボールの歴史
ハンドボールが最初にプレーされたのは19世紀末のことで、スカンジナビアとドイツではフィールドハンドボールがスポーツとして認知されつつありました。1910年、G.Wallströmがこのスポーツをスウェーデンに紹介しました。
そのスポーツは、1966年に「インドアハンドボール」が「フィールドハンドボール」に取って代わり始めるまで行われていました、
Aさん
In 1966, indoor handball began to replace field handball.
訳)1966年、インドアハンドボールがフィールドハンドボールに取って代わり始めました。
I am convinced that handball was originally played outdoors.
訳)ハンドボールが元々は野外で行われていたというのは、納得できるよ。
ハンドボールのルールの概要
次に、ハンドボールのルールの概要について解説します。
ハンドボールは、7人ずつの2チームがボールを相手のゴールに投げ入れて点数を競う種目ですが、ルールを詳しく見ていきましょう。
コート
現代版のハンドボールは、40メートル×20メートルの屋内コートで、ゴールの中の大きさは高さ2m×幅3mです。
ゴールの横にゴールラインが引かれています。自分のチームのゴールラインかボールが外に出た際、最後にボールを触ったのが敵の選手なら、味方のキーパースロー、味方の選手なら敵のコーナースロー、味方のキーパーなら味方のキーパースローで、再開します。
ゴールに一番近い半円部分がゴールエリアで、そこには基本的にゴールキーパーしか入ることができません(足を着かずに空中のプレーであれば、ゴールキーパー以外も入れます)。
ゴールエリアにキーパー以外の守備側選手が入ると、攻撃側のペナルティースロー(7mスロー)になります。攻撃側の選手がボールを持って中に入ると、守備側のゴールスローになります。
ゴールキーパーはボールを持っていても、ゴールエリア内であれば制限なく歩くことができ、脚を使って相手のシュートを防ぐことができます。
Aさん
Handball and basketball are similar in that players use their hands to score points against each other.
訳)ハンドボールとバスケットボールは、選手が手を使って点を獲り合う点が似ています。
However, handball has a goalkeeper who defends at a 3-meter wide goal, whereas basketball has a small goal ring and no keeper.
訳)でも、ハンドボールはゴールキーパーが幅3mのゴールで防御するのに対して、バスケットボールは小さいゴールリングを持っていて、キーパーがいません。
人数と制限時間
1チームの人数は、コートプレーヤー6人とゴールキーパー1人の合計7人で構成されます。
選手交代は、審判に申告する必要はなく、プレー中に何度でも自由に交代できます。
もしコート上に8人以上に選手が入るなど不正交代があった場合は、2分間の退場となります。
プレイ時間は前半・後半の各30分で、休憩は10分です。後半が終了した時点で、ゴールの多いチームが勝利となります。
ボールの移動
ボールをパスとドリブルでつないで、相手チームのゴールまで運びます。
選手はドリブルをせずに3歩まで歩くことができ、最大3秒間ボールを保持することができます。
ボールを3秒を超えて保持すると、反則となります。
空中でボールをつかんだ場合、地面に着地したときを0歩として歩数を数えます。両足で着地した場合、着地後に踏み出した足が1歩目になります。
ペナルティ
警告(イエローカード): 危険な反則、またはスポーツマンシップに反する行為と審判が判断した場合に出されます。
退場:退場に相当するプレー、または警告を2回受けた場合に、選手退場となります。退場となった選手は2分後に再出場できます。警告がチームで累積3枚を超えると、その選手が初めての警告に相当するプレーであっても退場となります。
失格(レッドカード):3回目の退場を受けた場合。失格処分を受けた選手はその試合は再出場できなくなります。2分後に、失格した選手とは別の選手を復帰させることができます。
Aさん
Handball is a contact sport in which attackers and defenders can make body contact with an opponent.
訳)ハンドボールは、攻撃側も守備側も相手とボディコンタクトができるコンタクトスポーツです。
Offensive strategies are even encouraged, as passive play is illegal.
訳)受動的なプレーは違法なので、攻撃的な戦略が奨励されています。
Tactics, teamwork, and flexibility are required in handball, as all players alternate between attack and defense.
訳)ハンドボールでは選手全員が攻撃と守備を交互に行うので、戦術、チームワーク、柔軟性が求められます。
ハンドボール競技で使われる用具やプレイの用語・例文
ハンドボール競技に使われる代表的な用具が「ハンドボールのゴール」です。英語で表現すると”Handball goal”とそのままの読みで、発音を英語にするだけです。ゴールの次に必要なのがコートです。こちらも英語でそのまま “Handball court”と表現します。今度は競技中のプレーヤに関わる用語について英語でどのように表現するのでしょうか。
まず、ハンドボールといえば「シュート」です。シュートにはさまざまな種類があり、打つポジションやステップの仕方で呼び方が異なります。ただのシュートは英語で “shoot”という動詞です。シュートの種類では「ロングシュート」「クロースシュート」「ポストシュート」「サイドシュート」などがあります。
例えば、「ロングシュート」は英語で “a long shot” や “a long-distance shot”, “long shoot”です。少し近づいたところから打つ場合は「ミドルシュート」( “middle-range shot”)、6mラインの内側に飛び込んで打つのは「クロースシュート」( “close shoot”)の表現を使います。
他にもポジションごとに代わるシュート名として、次のものが代表的です。
・「サイドシュート」(”side shoot”)
・「プロンジョンシュート (ムササビシュート)」(”Prongeon shoot” (flying squirrel shoot))
・「ポストシュート」(”post shoot”)
さらに、シュートの中でも特殊なものも英語で表します。
・「スピンシュート」( “spin shoot” )
・「バックシュート」( “back shoot” )
・「スカイプレイ」( “sky play” )
オリンピックの試合では、各選手のさまざまなシュートが行われます。ここでの例文として、監督が「ロングシュートで点を取る」ことを指示する場合、英語で “score off a long shot” と使います。”score off” が点を取るという意味なので、どのシュート家は当てはめるシュートの種類(名称)を入れ替えれば応用が利きます。
シュートと来て、次に不可欠なのが「パス」( “pass” )です。ハンドボールには投げ方が横向きで独特な並行を意味する「ラテラルパス」というものがあり、”lateral pass” と英語で表現します。
【ハンドボールにおけるパスの表現例】
・「アンダーパス」(”underpass”)
・「サイドスローパス」(”sidearm pass”)
・「ショルダーパス」(”shoulder pass”)
・「バウンドパス」(”bound pass”)
He failed the pass.
訳)彼はパスを失敗した。
She failed the bound pass.
訳)彼女はバウンドパスに失敗した。
シュートやパスの基本的な英語表現がわかったところで、今度は、ルールの英語表現です。ハンドボールの基本的なルールでは、特に3つ「オーバーステップ」「オーバータイム」「ダブルドリブル」が挙げられます。それぞれを英語で表現すると “overstep”, “overtime”, “double dribble”となります。ただし、基本的にルールの表現はジェスチャーと笛で行われるため、ルールの名称が試合で直接聞かれることはありません。ちなみに、「反則を取られる」は英語で “give away a foul”と表現します。
コート上の表現・例文
ハンドボールの試合をするには、コートの中にラインを引いて、その中で競技を行うように整える必要があります。選手はそれらのラインを意識したプレイを行います。線・ライン(「Line」)の種類やそのスペースを表す単語には、以下があります。
【ハンドボールにおける線・ラインの表現例】
・「ゴールエリアライン」(”Goal area line”)
・「ゴールエリア」(”Goal area” )
・「ゴールライン」(”Goal line”)
・「アウターゴールライン」(”Outer goal line”)
・「サイドライン」(”Side line”)
・「センターライン」(”Center line”)
・「フリースローライン」(”Free throw line”)
・「7mライン」(”7m line”)
・「ゴールキーパーライン」(”Goalkeeper line”)
He hit a shot from the 7m line.
訳)彼は7mラインからシュートを打った。
But another player crossed the line later.
訳)でも、その後別の選手がラインクロスしたよ。
ハンドボールではゴールエリアラインを超えてしまうと「ラインクロス」という反則を取られます。これを英語で “cross the line” と表現します。
ハンドボールのコート内にあるラインは、プレイをするときの目安としてあります。具体的には「ゴールエリアライン」は6mラインと呼ばれることもあり、ゴールキーパー以外はそのラインを超えることも踏むこともできません。飛び込んでシュートを打ったときには超えることができますが、ボールを持ったまま着地すると違反を取られる、そんなラインであることをこの用語を使うときには意識する必要があります。つまり、「ゴールエリアライン」はコート内の選手たちのプレイ時に使うのではなく、踏んだり超えたりしたときの反則とセットで使うことが多いのです。また、「サイドライン」はサッカーやラグビーにもある横の線・ラインとして知られており、一般的にサイドラインといって通じるため、ハンドボール以外のスポーツの解説でも使われています。ボールが出たときや選手やボールがサイドに寄ったときにこの「サイドライン」がフレーズの軸となるのです。
オリンピック共通の基本表現
最後にオリンピックで押さえておきたい共通の基本表現を英語で確認しましょう。ハンドボールに出場する選手のことは、”player” や “athlete” といいます。日本語でも使われている表現です。相手チームのことは、”opposing team” や “opponent” と表現します。これらは、ハンドボール以外でも基本的に共通しています。それ以外にもオリンピックで使われる表現例があります。
【オリンピック全般(ハンドボール以外)にも使われる表現例】
「優勝」(”winner”)
「国旗」(”national flag”)
「反則」(”foul”)
「夏季大会」(”Summer Olympic Games”)
「表彰台」(”three-tiered rostrum”)
「がんばれ(応援の意味)」(”Keep it up!”・”Don’t give up” など)
「日本を応援しています。」(”I’m rooting for Japan.”)
上記の表現は、オリンピックの1競技であるハンドボールにも使われる用例です。「優勝国」を”winner”とし、準優勝は少し長い表現で “second-place competitor”となります。このとき壇上に登るため、「表彰台」を “three-tiered rostrum” か “victory stand”, “a winners’ podium” などさまざまな表現が存在します。ハンドボール以外にも多くの球技や陸上競技が行われ、同じような言い回しで応援することができるのです。
The country won the podium brilliantly.
訳)その国は見事に表彰台を獲得した。
ハンドボール専用の用語を英語で表現してスポーツ解説できるようにする!
英語でハンドボールを表現するのは、基本的な動き一つをとっても実に多くの単語が使われています。表彰台やルール表現など、オリンピックでさまざまな英語表現にすることもできます。ハンドボールの代表選手を応援するときや試合を見るときに英語表現を意識して聞けばスポーツで会話するときのレパートリーも増えるでしょう。