「少し」というのは便利な表現ですよね。そのままでは言いにくいことも、「少し」を添えるだけで途端に言いやすくなる、いわば会話のクッション材のような役割をする言葉です。

そんな「少し」が英語でも使えたら会話の幅が広がるはず…。ということで、今回のテーマは「少し」です。

「少し」を表す a few とa little の違い、a を外すことで生まれる意味の違いなどについて、詳しく解説していきます。

また、「ちょっと待って」や「少しずつ」などの関連表現についても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「少し」は英語で何て言う?

「少し」は英語で何て言う?

「少し」を表す英語表現は “a few” と “a little” です。

これらの表す意味は表面上同じですが、実はそれぞれにまったく異なった特徴を持っています。

1つずつ、詳しく確認していきましょう。

a few = 数えられる「少し」

“a few” が表すのは、数えられる名詞(可算名詞)が少しある状態です。few の発音記号は「fjúː」、カタカナだと「フュー」となります。

可算名詞とは具体的な形がある名詞のことで、たとえばリンゴ(apple)や本(book)などが挙げられます。

a few の「少し」は、言い換えると「2~3の数ある」という意味です。そのため、a few が付いた名詞は必ず複数形になります。

Aさん
I have a few books in my bag.
訳)カバンの中に数冊の本が入っています。

a little = 数えられない「少し」

“a little” が表すのは、数えられない名詞(不可算名詞)が少しある状態です。little の発音記号は「líṭl」、カタカナ表記だと「リトル」ですが、より正確には「リトゥ」と聞こえます。

不可算名詞とは具体的な形がない名詞のこと。たとえば水(water)や雪(snow)などが挙げられます。

「水は1本2本と数えられるんじゃないの?」と思う人がいるかもしれませんが、それはあくまでペットボトルなどの容器を数えているだけです。容器に入っていても、こぼしても、蒸発してしまっても、すべて同じ水であり、そこに決まった形はないため数えることはできません。

a little の「少し」は、言い換えると「若干量ある」という状態です。数が増えているわけではないので、a little の後の名詞は単数形のままになります。

Aさん
I have a little time now.
訳)今は少し時間があります。

※time は「回数」という意味では可算名詞ですが、「時間」という意味では不可算名詞です。

なお、a little は形のないものの量を表すことから、名詞だけでなく、形容詞や副詞を強調する際に使うこともできます。

Aさん
It’s a little hot today.
訳)今日は少し暑いです。
Aさん
Speak a little more slowly, please?
訳)もう少しゆっくり話してもらえませんか?

「a」が無いと意味が変わる? few と little の表す意味

「a」が無いと意味が変わる? few と little の表す意味

以上見てきたように、a few も a little も「少し~ある」というポジティブな意味を表します。

しかし、たった1文字の a が無くなった few と little は一転、「ほとんど~ない」というネガティブな意味を表します。a が有るか無いかで意味が180度変わってしまうので、注意が必要です。

それぞれ詳しく確認していきましょう。

a few と few の意味の違い

a few が「少し(の数)~ある」という肯定的な意味を表す一方、few は「(数が)ほとんど~ない」という否定的な意味を表します。

たとえば、箱の中にリンゴが2~3個ある状態を想像してみてください。

「リンゴが1つ以上欲しいな」と思っている人にとっては、その光景は「リンゴが2~3個ある」と肯定的に映るでしょう。

Aさん
There are a few apples in the box.
訳)箱の中にリンゴが少しあります。

しかし、「リンゴが10個くらい欲しいな」と思っている人にとっては、同じ光景が「リンゴが2~3個しかない」と否定的に映ります。

Aさん
There are few apples in the box.
訳)箱の中にリンゴはほとんどありません。

とはいえ、いずれの場合も「リンゴが2~3個ある」という事実は変わりません。そのため、a few と few いずれの場合も、後ろに来る名詞は必ず複数形になります。

a little と little の意味の違い

a little が「少し(の量)~ある」という肯定的な意味を表す一方、little は「(量が)ほとんど~ない」という否定的な意味を表します。

たとえば、コップの中に少しだけ水が入っている状態を想像してください。

「一滴でもいいから水が飲みたい」と思っている人にとって、その光景は「水が少し入っている」とポジティブなものに映ります。

Aさん
There is a little water in the glass.
訳)コップの中には水が少し入っています。

その一方、「水をたくさん飲みたい」と思っている人にとっては、同じ光景が「水がほとんどない」とネガティブなものに映るはずです。

Aさん
There is little water in the glass.
訳)コップの中には水がほとんど入っていません。

a little と little いずれの場合も、表すのは不可算名詞の量なので、後ろに来る名詞は単数形になります。

a few(a little)と few(little)が表すのは「同じ事実の見方の違い」

以上のように、a few(a little)と few(little)で、表す事実が変わるわけではありません。同じ事実の見方の違いを表すに過ぎません。

同じ「少し」という状態を見て、「少しだけある」とポジティブに捉えるか、「少ししかない」とネガティブに捉えるかは、人によって、そして時と場合によって異なります。状況に応じて適した方を使い分けていきましょう。

ここまでのことを一旦まとめると、以下表のようになります。

数えられる名詞

(可算名詞)

a few 少し~ある
few ほとんど~ない
数えられない名詞

(不可算名詞)

a little 少し~ある
little ほとんど~ない

「ちょっと待って」や「少しずつ」など、その他の「少し」に関する表現

「ちょっと待って」や「少しずつ」など、その他の「少し」に関する表現

日本語訳で「少し(ちょっと)」になるからといって、必ず few と little が使えるわけではありません。

最後に、そのような注意すべき関連表現について確認しておきましょう。

「ちょっと待って」in English

「ちょっと待って」と英語で言いたい場合は、”Wait a moment.” が適切です。

wait は「待つ」という動詞、moment は「一瞬(少しの時間)」という名詞なので、直訳すると「少しの時間待って」となります。そのまんまですね。

wait の代わりに just や give me を使って以下のように言うことも可能です。

Aさん
Just a moment.
訳)ちょっと待って。
Aさん
Give me a moment.
訳)ちょっと待って。

また、moment を minute(分)や second(秒)に言い換えることもできます。ニュアンスに大きな差はありませんが、強いて言えばsecond が最もカジュアルに響きます。

Aさん
Wait a second!
訳)ちょい待ち!

丁寧な印象を付け加えたい場合は、文末に please を添えたり、”Could you ~?” と疑問形で聞くようにしましょう。

Aさん
Just a minute, please.
訳)ちょっと待ってください。
Aさん
Could you wait a moment?
訳)少々お待ちいただけますか?

「少しずつ」in English

「少しずつ」と英語で言いたい場合は、”little by little” という表現が適切です。

little は前述のように「少しの量」を表すので、little by little で「少しまた少し」と徐々に量が増えていく(減っていく)様子を表します。

少しずつの変化は目に見えないため、なかなか数えることができません。そのため、可算名詞の場合であっても few by few と言うことはなく、すべて little by little で表します。

Aさん
It’s getting warmer little by little.
訳)少しずつ暖かくなってきています。

まとめ

今回は「少し」というテーマでお話ししてきました。

「少し」は英語で a few と a little を使って表します。数えられる名詞なら a few、数えられない名詞なら a little を使い、「ほとんど~ない」と否定を表す場合は a を外せばOKです。

今回ご紹介したことを参考に、便利な表現である「少し」を英語でも使いこなしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!