人間誰しも、何かしらの「理想」を持っているものですよね。
ある人は「お金持ちになること」を理想として日々働いているかもしれませんし、ある人は「体脂肪率5%」を理想として筋トレに励んでいるかもしれません。
このように、ひとくちに「理想」といってもその内容はさまざま。果たして、英語では全部同じ表現で良いのでしょうか。
ということで、今回のテーマは「理想」です。理想を表す個々の表現と、それぞれの違いについて深掘りしていきます。
これを読めば、ニュアンスに合わせた「理想」を英語で表現できるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「理想」は英語で何て言う?
日本語の「理想」に相当する言葉は、“ideal”、”dream”、”perfect” の3種類です。
どれも非常にポジティブで似た意味を表しますが、それぞれに若干ニュアンスが異なります。1つずつ詳しく確認していきましょう。
理想①:ideal
“ideal” が表すのは、「頭に思い描く理想」のこと。発音記号は「ɑɪdíːəl」、カタカナだと「アイディール」となります。
ideal は “idea(考え)” と同じ語源を持っていて、考えと同じく頭の中(心の中)に思い描かれている理想の姿を表します。具体的な形は無いながらも、考え同様に具体的かつ力強く思い描くイメージです。
ideal は単体で「理想」という意味で使うだけでなく、”ideal 〇〇” と、他の名詞を修飾して「理想的な〇〇」の意味でも使われます。
Sleeping from the morning to the next morning, it’s my ideal.
訳)朝から次の日の朝まで寝ること、それが私の理想です。
Is that your ideal way of life or ideal way to die?
訳)それは理想的な生き方なの?それとも理想的な死に方なの?
理想②:perfect
“perfect” が表すのは、「欠点の無い完璧な理想」のこと。発音記号は「pˈɚːfɪkt」、カタカナだと「パーフェクト」です。
perfect は「完璧」という意味で有名な通り、非の打ちどころのない理想を表します。上述の ideal との違いは、ideal が主観的なのに対して、perfect は客観的だという点。
たとえば、理想的な恋人がいたとして、その人の好きなところを具体的に列挙できたら perfect、「なんだかわからないけど全部好き!」という感覚なら ideal といった違いです。
とはいえ、実際の使用シーンではそこまで厳密に区別されないので、ideal = perfect と捉えてしまって問題ありません。
ideal が名詞でも形容詞でも使えた一方、perfect は形容詞としてのみ使われます。
His work is so quickly and accurate, isn’t it?
訳)彼の仕事はとても迅速で正確ですよね。
Yeah. It’s the perfect working style.
訳)ええ、理想の働き方ですね。
理想③:dream
“dream” が表すのは、「夢に見るような理想」のこと。発音記号は「dríːm」、カタカナだと「ドリーム」ですね。
dream は「夢」という意味で有名ですが、文脈によっては「理想」という意味合いでも使われます。
dream は ideal に比べると、空想的な理想を表します。そのため、ときには非現実的な「夢物語」に聞こえる可能性もあります。また、perfect に比べると主観的で、細部が曖昧なイメージがあります。
使い方は ideal と同様、dream 単体で「理想」という名詞として、他の名詞を修飾して「理想的な〇〇」という形容詞としての2通りで使えます。
It’s my dream to live with 101 dogs.
訳)101匹の犬と一緒に暮らすのが私の夢です。
「理想の自分」「理想と現実の違い」などは英語で何て言う?
ideal、perfect、dream という3種類の理想の違いがわかったところで、今度は「理想の自分」など、理想を使った表現の具体的な表し方を確認していきましょう。
「理想の自分」in English
「理想の自分」は、英語だと “one’s ideal self” と言うことが多いです。自分自身を表す oneself の間に ideal を差し入れます。具体的には、「理想の私自身」なら “my ideal self”、「理想のあなた自身」なら “your ideal self” という形です。
理想の自分というと、頭の中に具体的に想像されていることが多いので、やはり ideal が自然ですね。ただ、具体的なチェック項目があるような理想なら perfect でも可能ですし、漠然と思い描いているだけなら dream も良いでしょう。
「絶対にこの言い方」という唯一の正解があるわけではないので、ある程度自由に考えてOKです。
I started going to the gym to be my ideal self.
訳)理想の自分になりたくて、ジムに通い始めました。
「理想を実現する」in English
「理想を実現する」は、英語だと “realize one’s ideal(dream)” と言うことが多いです。
realize は「real-(現実)-ize(化する)」というのが原義なので、頭の中にある ideal や dreamを現実に再現するようなイメージです。
ただし、perfect は名詞ではないので、このような表現はできません。
Only a handful of people can realize their ideals.
訳)理想を実現できるのは、ほんの一握りの人だけです。
「理想と現実の違い」in English
「理想と現実の違い」は、英語だと “difference between ideals and reality” と言うことが多いです。
“difference between A and B” は「AとBの違い」という意味の決まり文句。理想が ideals と複数形になっているのは、複数人の理想の集積だから。もちろん、自分だけの理想なら my ideal などと単数形でも問題ありません。
また、dream を使って “difference between dream and reality” と表現してもOKです。
There is always a difference between ideals and reality. It’s hard, but at the same time, it’s joyful.
訳)理想と現実には違いがあるもの。それは辛いけれど、同時に楽しくもある。
まとめ
今回は、「理想」を表す英語表現について詳しく確認してきました。
頭に明確に思い描く理想は ideal、客観的な理想は perfect、そして夢に描く理想は dream という違いがあります。
それぞれ明確に住み分けがされているわけではないものの、ニュアンスの違いを知っていると、英語表現に幅が出てくるはずです。
今回ご紹介したことを参考に、いろいろな理想を表現していきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!