子どものころ、迷子になった経験がある方も多いのではないでしょうか。

その際、迷路に迷い込んだ気持ちになって不安を感じながらも、ドキドキやワクワクを感じた方もいるでしょう。

今回はそんな「迷路」をテーマにした英語を解説します。世界にある巨大迷路も紹介しますので、子どものころのドキドキやワクワクをもう一度経験してみたい方もぜひ最後までご覧ください。

「迷路」が英語で?

「迷路」が英語で?

「迷路」は主に2つの英語表現があります。どちらの単語を使うかによって、ニュアンスが異なるので、違いを確認していきましょう。

maze

mazeは「迷路」「当惑」「困惑」などの意味がある名詞です。

このmazeを使って「迷路」を表現する場合、ゲームやイベント会場にあるような迷路や道に迷いこんだときなどに使うのがポイントです。また、mazeは分かれ道がたくさんあり、行き止まりがあったり、出口が複数あったりして、ゴールまでの道筋が一つでない場合にも使われます。

Aさん
We went into a huge maze.
わたしたちは大きな迷路に入りました。
Aさん
I could not find my way out of the maze.
わたしは迷路から抜け出せなくなりました。
Aさん
She finally found her way out of the confusing maze.
彼女はついにややこしい迷路の外に出ました。

labyrinth

labyrinthも「迷路」の意味を持つ単語ですが、そのほかにも「迷宮」「複雑に入り組んだもの」といった意味があります。

labyrinthは日本語でいう「迷路」よりも「迷宮」に近いニュアンスがあります。古代ギリシャ神話が由来の単語で、推理小説や神話などでよく使われる表現です。

また、mazeとは形も異なり、labyrinthは複雑に入り組んでいるものの、入口と出口が一本道でつながっている形をしています。ただし、スタートからゴールまでの道のりが非常に長く、なかなか抜け出せないニュアンスを含みます。

Aさん
The layout of this building is like a labyrinth.
この建物の構造はまるで迷宮のようです。
Aさん
I have been in this labyrinth for three hours.
わたしはこの迷路に3時間も迷いました。

世界にある巨大迷路

世界にある巨大迷路

子どものころは何気ない道が迷路のように見えて、スリルや楽しさを感じられますが、大人になるとそのような感覚は日常で感じられにくくなりますよね。

しかし、世界にはさまざまな巨大迷路があり、子どものことの経験を思い出させてくれる場所があります。

【ハワイ】Dole Plantation

世界最大の巨大迷路として、ギネスブックに認定されているのが、ハワイにある「Dole Plantation」です。

約14,000本のトロピカル植物で構成された迷路となっており、8か所のチェックポイントを回ってゴールを目指します。チェックポイントを回って早くゴールした最初の5人は迷路の入り口に名前を書いてもらえたり、記念品をもらえたりするので、楽しい仕組みがたくさんある迷路といえるでしょう。

【イギリス】glendurgan-garden

「glendurgan-garden」は、ナショナルトラストという歴史的建造物や自然を保護する団体が所有する私有地にあります。

迷路は巨大な緑の生垣でできており、周囲の見えない中ゴールを目指すワクワクを体験できます。

【オーストラリア】ash Com Maze

オーストラリア最大の迷路として有名なのが「ash Com Maze」です。

1,000本以上のヒノキが使われているのが特徴で、分かれ道がたくさんあって迷いやすい迷路となっています。

【アメリカ】ash Com Maze

アメリカ国立建築博物館の中にある「ash Com Maze」は、構造が特徴的な迷路です。

中央部分の高さが低くなっており、周囲が高くなっている構造なので、迷路の中央に近づくにつれて周囲がきれいに見渡せるようになっているのです。

また、室内に迷路が設置されていることも特徴といえるでしょう。

迷路に関連する英語表現

迷路に関連する英語表現

ここでは、迷路に関連する英語表現を解説します。

路頭に迷う

「路頭に迷う」という慣用句は、以下のような意味です。

【路頭に迷う】
生活の道をなくし、住む家もなく、ひどく困る。「会社が倒産して―・う」
出典:デジタル大辞泉(小学館)

つまり、「路頭に迷う」は生活の手段を失い、困った状態を表現する慣用句なのです。物理的に迷路に入り込んでいるわけではありませんが、英語ではどのように表現するのでしょうか。

英語のイディオムで「be turned adrift」という表現があり、こちらを使うと同様のニュアンスを表現できます。

adriftは形容詞・副詞で「目的を失っている」「(船などが)さまよっている」といった意味を持ち、turnは日本語の「ターン」と同じく「向きや状態を変える」という意味を持っています。

そのため、「be turned adrift」は「行き場を失わせてさまようこと」という意味になるので、「路頭に迷う」を表現できるのです。

Aさん
He has been turned adrift.
彼は路頭に迷っています。

紆余曲折

「紆余曲折」も実際に迷路に入るわけではありませんが、曲がりくねること、複雑な状態を表現できる四字熟語ですね。

【紆余曲折】
道や川などが曲がりくねること。また、種々込み入っていて複雑なこと。事情が込み入っていて解決に手間どること。▽「紆余」は道などがくねり曲がるさま。「曲折」は折れ曲がること。転じて、込み入った事情。
出典:三省堂 新明解四字熟語辞典

そんな「紆余曲折」を英語で表現する場合、「many twists and turns」となります。

twistは「よる」「曲げる」などの意味があり、turnは「向きや状態を変える」という意味があります。そのため、「many twists and turns」は直訳すると「何度も曲がって向きや状態を変える」となり、「紆余曲折」を同じニュアンスを表現できるのです。

Aさん
There were a lot of twists and turns.
たくさんの紆余曲折がありました。

「迷う」は英語で?

「迷う」は英語で?

海外は全く知らない土地である分、意図せず道に迷ってしまうことも少なくありません。もし迷子になったら、「迷子になっている」と伝えるにはどのように表現するのか知っておくと安心です。

Aさん
Excuse me. Can I ask you something?
すいません、少しお伺いしてもよろしいでしょうか。

いきなり迷子であることを伝えると驚かれるので、このフレーズを使って相手に声をかけましょう。

Aさん
I’m lost.
すいません、道に迷っています。
Aさん
I got lost.
すいません、道に迷いました。

「be lost」は道に迷った状態を表現でき、「get lost」は道に迷う行為そのものを指します。

Aさん
I lost my way.
道に迷いました。

こちらの表現は、「lost my way:道を失った」となり、迷子である状況と、どうしたらよいのかわからないというニュアンスが伝わります。

このように道に迷っていることを伝えられると、現在地を教えてもらえたり、目的地を伝えると道のりを教えてもらえたりします。まずは迷子であることを伝える英語を覚えておくことをおすすめします。

まとめ

今回は「迷路」に関する英語表現について解説しました。

「迷路」は英語で、mazeまたはlabyrinthといいますが、どちらの単語を使うかによってニュアンスが変わるので、状況に応じて単語を選びましょう。

また、「路頭に迷う」「紆余曲折」などの英語表現も使えると、会話の幅がぐっと広がります。

ぜひ今回の記事を参考に、「迷路」の英語を会話で活用してみてくださいね。