「もっと積極的にいきなさい」「積極的になりなさい」と言われることはよくありますが、具体的にどうすれば積極的になれるかなんて、よく分かりませんよね。
英語では様々な場面で「積極性」に関する単語が使い分けられています。
この記事では、大まかに「積極的な行動」と「積極的な気持ち」に分けて「積極性」を表す英語表現を紹介します。
「積極性」に関する英語表現を学ぶと、「積極性」の様々な側面が見えてきます。
ぜひ、英語でコミュニケーションをとる時だけでなく、「積極的になるにはどうしたらいいか」について考える手がかりとして役立ててもらえればと思います。
「積極的な行動」を表す英語表現
activeとproactive
「積極的な行動」を表す形容詞として、まずおさえておきたいのは「active」です。
「行動的」や「活動的」と訳すイメージがありますが、「能動的」という意味合いで、「積極的に行動すること」を表すこともできます。
「actively」と副詞形で使うことも多いです。
She is actively involved in volunteer work.
訳)彼女は積極的にボランティア活動に参加している
「proactive」も「active」と似たような使い方をしますが、「事前に」という意味の「pro-」という接頭辞がついているため、「実際に何かが起こる前に率先して動く」というニュアンスが加わります。
They are proactively addressing the unsolved issues.
訳)彼らは未解決の問題に積極的に取り組んでいる
「adress」は「住所」という意味の名詞としてよく知られていますが、動詞の「adress」は「問題に対処する、取り組む」という意味があるのでおさえておきましょう。
「積極的な行動」を表すイディオム
「積極的な行動」を表す言い方としては、ほかに「be willing to」や「show initiative」があります。
I’m willing to help you.
訳)喜んでお手伝いします
I wish my son would show more initiative.
訳)息子にはもっと積極的になってほしい
「be willing to」は「喜んでやります」と訳されることが多いですが、「ぐいぐいと自ら進んで関わる」というほど積極的な意味合いの言葉ではありません。
「もし必要なら喜んでやりますよ」というニュアンスで使いましょう。
「show initiative」は「自発的行動を見せる」という意味で「積極的に行動する」という意味になります。
ビジネスや政治の場で「イニシアチブをとる」という表現がよく使われますが、英語でもこの意味で使うこともできます。
あまりよくないニュアンスの「積極的」表現
「積極的な行動」を意味する表現には「aggressive」という言葉もあります。
欲しいものを手に入れたり、成功するために決意して行動することを表しますが、「何が何でも手に入れる」、「強引にやり遂げる」といったネガティブなニュアンスにもなるので、使う時は注意しましょう。
He was strangely aggressive when it came to competition.
訳)競争となると彼は不思議なくらい積極的だった
もちろん、「強い積極性」を示すポジティブな意味合いで使うこともあります。
This company is aggressively hiring workers.
訳)我が社では従業員を積極的に採用しています
「積極的な気持ち」を表す英語表現
「積極的な気持ち・性質」を表す単語
「積極的な気持ち」を表す言葉としてまずおさえておきたいのは、「positive」です。
「肯定的」とも訳されますが、「楽観的で前向きな気持ち」を表す言葉でもあり、そこから「積極的な気持ち」を表すようになったようです。
He’s a positive person.
訳)彼は積極的な人です。
カタカナ語で「ポジティブ」と言う場合も「楽観的で前向きな気持ち」を表しますよね。
「積極的な気持ち」を表す言葉としては、「assertive」もおさえておきましょう。
自分のやりたいことや信じていることについて、自信を持って発言したり、それを行動に移したりすることを表す言葉です。
その場の雰囲気や相手の態度などに左右されず、正しく自己主張するような積極性を表現できます。
例えば学校や幼稚園を受験する際、親御さんがこんな風に主張したりします。
My son is a very assertive child.
訳)息子はとても積極的な子です
また、強い積極性を表す言葉としては、「enthusiasitic(やる気のある)」があります。
The teacher is enthusiastic about addressing the bullying issue.
訳)その教師はいじめ問題に積極的に取り組んでいる
ちなみに、「confident(自信のある)」や「decisive(決断力のある)」も「積極的な姿勢」を表すのによく使われる単語です。
「積極的な気持ち・性質」を表すフレーズ
「積極的な気持ち」を表す表現は、ほかに「go-getter」や「self-starter」、「doer」などがあります。
You are such a go-getter.
訳)あなたはとても積極的ですね
You are such a self starter.
訳)あなたはとても積極的ですね
You are such a doer.
訳)あなたはとても積極的ですね
「go-getter」は、「行く(go)」と「getter(得る人)」がくっついて、「何でも進んでやる人」・「自発的に仕事をする人」という意味合いで、「積極的な人」を表す言葉です。「やり手」「敏腕」「野心家」というニュアンスもあります。
「self-starter」はそのまま「何も言われなくても自ら率先して動く人」という意味合いで、「積極的な人」を表します。
「doer」は「する」という動詞の「do」に「人」を表す「-er」がくっついてできた単語です。「行動を起こす人」という意味合いで、「積極的な人」を表現する言葉です。
まとめ
今回は、「積極的」な状態を表す英語表現を、行動面と気持ちの面に分けて紹介しました。
「言い方がたくさんありすぎて覚えられない!」と感じた方は、まず「active」(積極的な行動)と「positive」(積極的な気持ち) を使い分けられるようにしておきましょう。
また、英語でコミュニケーションをとるためには、ぜひ「assertive」な態度を身に着けてほしいと思います。
日本国内では「周りに合わせる」ことを要求されることが多いですが、国際社会では、場の雰囲気や相手の意見などに左右されずに積極的に自分の意見を主張できると一目置かれます。
また、「assertive」の名詞形として「assertion」という言葉があります。
「正しく自己主張すること」という意味の英単語ですが、日本でも企業や学校で「アサーション・トレーニング」が行われるようになっています。
また、良い夫婦関係を築くためにも「アサーション」が必要だと言われています。
英語でも日本語でも、遠慮せずに自分の意見を正しく理性的に言えるようにしていきましょう。
今回の記事が様々な「積極性」について考えるきっかけになればと思います。