「欲しい」と英語で表す際、多くの人が “want” を思い浮かべるでしょう。もちろん want で合っているのですが、英語には他にもたくさん「欲しい」を表す表現が存在します。

ということで、今回のテーマは「欲しい」です。この記事では、「欲しい」を表すさまざまな英語表現を、意味やニュアンスの違いに着目しながらご紹介していきます。

これを読めば、気持ちの量やシチュエーションに応じて、さまざまな「欲しい」を英語で表せるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

まずは「欲しい」を表す want の使い方をマスターしよう!

want 以外の「欲しい」「したい」「してほしい」の表現とは?

「欲しい」を表す英語表現で最も一般的なのは “want” で間違いありません。「そんなの知ってるよ」という人も多いでしょうが、want は意外と奥が深い単語です。そのため、その他の表現を理解する前に、まずは want の使い方の全容を確認しておくことが大切です。

want の表す意味は、大きく分けて以下の3種類です。

  • want +目的語:「~が欲しい」
  • want + to do:「~したい」
  • want +人+ to do:「人に~してほしい」

それぞれ個別に確認していきましょう。

want +目的語:「~が欲しい」

「want +目的語」は、何かが欲しいことを表す want の最も基本的な使い方です。”want money(お金が欲しい)” などと物を欲するだけでなく、”want friends(友達が欲しい)” と人を欲する場合にも使えます。

Aさん
I want friends all over the world.
訳)世界中に友達が欲しいです。

また、want の欲しい気持ちを強めたい場合は、”really(本当に)” や “definitely(絶対に)” などを添えると効果的です。

Aさん
I definitely want this bag.
訳)このバッグが絶対に欲しいです。

ただ、want は非常にカジュアルかつ直接的な表現です。そのため、ビジネスシーンやフォーマルな場面で使い過ぎると、相手に子どもっぽい印象を与えてしまいかねません。そのようなシーンで「欲しい」を表現する場合は、後で詳しく説明する “would like” などを織り交ぜるようにしましょう。

また、直接的であるが故、「人が欲しい」という意味で want を使うときは注意が必要です。たとえば、”I want you.” は「あなたが欲しい」という意味ですが、直接的な肉体関係を欲するという意味にも取れるので、間柄によっては誤解を生みかねません。

Aさん
I want you.
訳)あなたが欲しい。
Bさん
I’ll call the police.
訳)警察に通報します。

 

want + to do:「~したい」

「~したい」という意味を表したいときは “want +to do” と言います。

to do はいわゆる不定詞で、これから先に「~すること」を表します。そのため、want to do は直訳すると「~することが欲しい」となり、意訳すると「~したい」という意味になります。

Aさん
I want to go abroad someday.
訳)いつか海外に行きたいです。

また、”Do you want to do?” の形で、文字通り「~したいですか?」という意味のほか、「~してくれない?」とカジュアルに聞く用法もあります。

Aさん
Do you want to open the window?
訳)窓を開けてくれない?
Bさん
No problem.
訳)いいよー。

 

上記の例を文字通りに受け取ると「あなたは窓を開けたいですか?」という妙な意味になってしまうので、ぜひ覚えておきましょう。

want +人+ to do:「人に~してほしい」

人に何かをしてほしい場合は、want と to do の間に人を挟んで “want +人+to do” と表現します。

Aさん
I want John to clean the room.
訳)ジョンにその部屋を掃除してほしいです。

また、”Do you want me to do?” の形で「~しようか?」と相手に提案する言い方になります。”Shall I ~?(~しましょうか?)” と同じような意味ですが、こちらの方がカジュアルな印象になります。

Aさん
Do you want me to cook dinner?
訳)夕食は私が作ろうか?
Bさん
For real? Thanks!
訳)マジ?ありがとう!

 

want 以外の「欲しい」「したい」「してほしい」の表現とは?

want 以外で「欲しい」を表す場合、以下の表現がよく使われます。

  • wanna
  • would like
  • would love
  • I’m craving for
  • I feel like
  • It would be nice

とはいえ、同じ「欲しい」という意味ではあっても、これらの表現はそれぞれに表すニュアンスが異なります。1つずつ詳しく確認していきましょう。

「欲しい」の関連表現①:wanna

“wanna(ワナ)” は、”want a ~ “ と “want to ~” を短縮した表現で、want より更にカジュアルな印象になります。以下のように、基本的には want と同じように使うことができます。

wanna +名詞:「~が欲しい」

Aさん
I wanna hamburger.
訳)ハンバーガーが欲しい。

wanna + to do:「~したい」

Aさん
Do you wanna come with me?
訳)一緒に来たい?

ただし、「人に~してほしい」という意味を wanna で表すことはできません。あくまで「自分が欲しい(したい)」という意味のスラング的表現だと覚えておきましょう。

「欲しい」の関連表現②:would like

“would like” は want を丁寧にした表現。want だと直接的に響くビジネスシーンやフォーマルな場面でも気兼ねなく使うことができます。

would like を直訳すると「好きだろう」という意味になり、「欲しい」という気持ちを遠回しに表現しています。want と同様、「ほしい」「したい」「してほしい」の3用法で使うことができます。

Aさん
I would like this book.
訳)この本をいただきたいです。
Aさん
Would you like to join the meeting?
訳)その会議に参加されますか?
Aさん
I’d like you to make materials.
訳)(あなたに)資料を作成していただきたいです。

「欲しい」の関連表現③:would love

“would love” は would like より強い「欲しい」という気持ちを表します。like(好き)、love(大好き)というイメージそのままの関係です。

would love は would like と同様、フォーマルなシーンで使うことができます。しかし、「欲しい」「してほしい」の意味で使われることは少なく、たいていは “would love to do” の形で「(ぜひ)~したい」の意味で使われます。

Aさん
I would love to attend your seminar.
訳)御社のセミナーにぜひ参加させていただきたいです。

また、短縮した ”I’d love to” の形で「ぜひ!」という肯定の返事としても使えます。

Aさん
Why don’t you come to the party?
訳)パーティーに来る?
Bさん
I’d love to!
訳)ぜひ!

 

「欲しい」の関連表現④:I’m craving for

何かが欲しくて堪らない状態は “I’m craving for” で表すことができます。

“crave” は「切望する」という意味なので、be craving と進行形にすることで、今まさに欲しくて仕方がないという状態を表します。

Aさん
I’m craving for really thick ramen!
訳)こってりしたラーメンが無性に食べたい!

また、欲求が更に加速した場合は “I’m dying for” と言うこともあります。dying は “die(死ぬ)” のing 形なので、「死ぬほど~が欲しい」ということですね。

Aさん
I’m dying for a cigarette.
訳)タバコが吸いたくて死にそうだよ。

「欲しい」の関連表現⑤:I feel like

“I feel like” は、何かが欲しい(したい)気分であることを遠回しに言う表現です。

この like は「好き」という意味の動詞ではなく、「~のような」を意味する前置詞。そのため、feel like を直訳すると「~のような気持ちがする」という意味になります。

like は前置詞なので、後ろには名詞、もしくは動詞の ing 形が来ます。

Aさん
I feel like going out today.
訳)今日はなんだか出かけたい気分だな。

「欲しい」の関連表現⑥:It would be nice

“It would be nice” は、欲しいものやしたいことを「~だといいな」と遠回しに伝える表現です。

would を使う点ではwould like や would love と似ていますが、would be nice はフォーマルなシーンだけでなく、カジュアルな日常会話でも幅広く使うことができます。

Aさん
It would be nice to drive all around Japan.
訳)車で日本一周したいなー。

まとめ

今回は「欲しい」を表す英語表現について確認してきました。

「欲しい」は英語で “want” ですが、そればかり使っていると子どもっぽく思われたり、場面によっては失礼になったりする可能性もあります。

今回ご紹介したように、「欲しい」を表す英語表現は want 以外にもたくさん存在します。欲しい気持ちの強さや使用シーンに応じて、これらの表現を適切に使い分けていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!