「舌」は人間の体にとって大切な存在です。

味を感じ取ってくれたり、食べ物を食道へ送り込んだり……
さらに、舌は言葉の発音や歯並びにも影響する重要な存在なのです。

また、舌に関連して「猫舌」や「舌を噛む」といった表現が日常会話で使われることがありますよね。

しかし、英語で「舌」を表現するとなると、パッと思い浮かばない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「舌」を表現する英語や発音を解説します。また、舌を使った慣用句なども紹介していきますよ。

慣用句が自然と使えれば表現の幅が広がるので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

「舌」の英語表現や発音

「舌」は英語でtongueと表現します。

tongueはスペルを見ると「トングエ」という発音になりそうですが、カタカナで発音を表現するなら「タァン(グ)」が近い表現でしょう。最後の(グ)の部分はほとんど音を出しません。

tongueの発音記号はtʌ’ŋであり、「ŋ」で「ン」と「グ」が混ざったような一つの音となります。日本語にはない音のため、発音しにくく感じるでしょう。

ただし、発音記号の「ŋ」の部分を上手く表現できるかどうかによって、ネイティブらしい発音か、カタカナ英語かに分かれます。

ネイティブスピーカーに近い発音になるよう、発音を繰り返し練習しましょう。

「tongue」を使った日常英会話フレーズ

「tongue」を使った日常英会話フレーズ

ここでは、tongueにまつわる日常会話のフレーズを紹介していきます。

舌を噛む

食べ物を食べていると、誤って舌を噛んでしまうことがありますよね。
その際、英語では「bite one’s tongue」というフレーズを使います。

なお、「bite one’s tongue」には「舌を噛む」と「言いたいことを我慢する」という2つの意味があります。
「言いたいことを我慢する」は慣用句として使われている表現で、記事の公判で詳しく解説しています。

Aさん
I bit my tongue!
訳)舌を噛んじゃった!

舌を火傷する

「burned one’s tongue」で舌を火傷するという意味になります。burnには「燃える」「焼ける」といった意味があり、burnedはburnの過去形です。

また、イギリス英語ではburnt、アメリカ英語ではburnedになることを覚えておきましょう。

Aさん
I burned my tongue while drinking hot coffee.
訳)私は熱いコーヒーを飲んでいるときに、舌を火傷しました。

舌を出す

子どもがふざけて舌を出したりする際の「舌を出す」という表現は、「stick out one’s tongue at~」というフレーズを使用します。

「棒」「スティック」などの意味があるstickと「出す」という意味のoutを組み合わせているので分かりやすいでしょう。

Aさん
Don’t stick your tongue out.
訳)舌を出すのは辞めなさい。

舌がヒリヒリする

辛いものや刺激のあるものを食べると、舌がヒリヒリしますよね。

その場合は、「ヒリヒリする」という意味の動詞であるtingleを使うようにしましょう。
また、現在進行形にするならtinglingを使いますよ。

Aさん
The soda made my tongue tingle.
訳)ソーダを飲んだら舌がヒリヒリした。

「tongue」を使ったイディオムや慣用句

「tongue」を使ったイディオムや慣用句

ここでは、tongueを使ったイディオムや慣用句を紹介します。

日常会話でよく出てくる表現ですが、単語を直訳しても意味が分からないケースが多いです。
一つのフレーズとして、意味を覚えておきましょう。

下で唇を舐める様子:lick one’s lips

おいしいものを見たり、将来お金持ちになっている様子を想像したりして、舌で唇をなめるシーンがありますよね。
日本語で「舌なめずり」をするという表現がありますが、英語では「lick one’s lips」で同様の意味になります。

「舐める」という意味のlickが使用されており、直訳すると「唇を舐める」となります。
ただし、直接的な意味ではなく、「舌なめずりをする」というニュアンスであることを覚えておきましょう。

言いたいことを我慢する:bite one’s tongue

「bite one’s tongue」は「言いたいことを我慢する」「口をつむぐ」というニュアンスのあるイディオムです。

「噛む」という意味のbiteが使われているため、「唇を噛んで我慢している様子」を想像すると分かりやすいのではないでしょうか。

同じような意味で「hold one’s tongue」という表現もあります。

緊張して言葉が出ない:tongue tied

「結びつける」「縛る」という意味のtieの過去形がtiedです。

「tongue tied」は「恥ずかしくて話せない」「緊張して言葉が出ない」というイディオムになりますよ。

Aさん
I was tongue tied.
訳)私は話せなかった。(緊張して)

「猫舌」は英語で何て言うの?

「猫舌」は英語で何て言うの?

日本語で「熱い食べ物が苦手な様子」を表現するのに「猫舌」という言葉が使われますよね。

英語でcat tongueと表現したいところですが、残念ながら英語で「猫舌」を表現するフレーズはありません。

そのため、「熱いものが食べられない」という意味をシンプルに伝えるようにしましょう。

Aさん
My tongue is really sensitive to heat.
訳)私の舌は熱いものに敏感です。(猫舌です)

また、熱いものが苦手ですと表現する方法もありますよ。

Aさん
I can’t eat and drink hot food.
訳)私は熱い食べものや飲み物が食べられない。(猫舌です)

「牛タン」は英語で何て言うの?

tongueの発音を聞いていると、「牛タン」のタンの部分はtongueの発音から取っていると想像がつくのではないでしょうか。

実際に、焼肉屋さんのメニューで見かける「牛タン」は「牛の舌」→「牛のtongue」→「牛タン」となって名づけられていますよ。

なお、日本人でも発音しやすいよう、tongueは「タァン(グ)」ではなく「タン」になっています。

また、英語で牛タンはbeef tongueと表現するのが一般的です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「舌」は英語でtongueと表現されることが分かりましたね。
しかし、tongueの発音はスペルをそのまま読んでは伝わらないため注意しましょう。

また、tongueにはイディオムや慣用句が複数あります。
単語を直訳するだけでは意味が理解できないものもあるため、慣用句・イディオムとしてフレーズ単位で意味を覚えておきましょう。

なお、「猫舌」を表現するフレーズは英語にないため、「熱いものが苦手」というシンプルな表現で問題ありません。
ぜひ今回の記事を参考に、「舌」にまつわる英語表現を覚えてみてくださいね。