「ロンドン留学は良いことも悪いこともあったけど、ひっくるめたら良い体験だった」
このような会話をするときに覚えると便利なのが、overallという表現です。
しかし、どのように使うのか分からないという人もいるのではないでしょうか?
そこで、この記事をお役立てください。英語overallについて意味や使い方を例文とともに紹介します。英会話に使える表現をひとつ増やしましょう。
英語で「全体・総体」
全体や総体を表す英語はいくつかあります。
まず、allやwholeを思い浮かべる人もいるでしょう。そして、本記事で取り上げるoverallもそのひとつです。
all/whole
まず、allとwholeからみていきましょう。英語学習者にとってallは特に親しみがあります。allもwholeも「全部・全体・全て」の意味を持ちますが、違いは何でしょう?改めて説明しようとすると難しいですね。
まず、allはいくつかの要素があってそれらをまとめた全体を指します。一方wholeは物事を1つのまとまりと考えるときに使われます。
例えば、all of peopleであれば様々な人々が集まったグループですし、whole pictureといって「全体像」を考えるというように使われる表現は、まさしく全体を一つとして考えます。
これらの説明でallとwholeの使い分けがクリアになったでしょうか?
overall
さて、ではoverallです。overallにも全体、全部という意味がありますが、allと比較すると、要約的なニュアンスのある表現になります。要約的というのは、まとめて簡単に言う、かいつまんで言うということです。
例えば、冒頭の日本文です。
「ロンドン留学は良いことも悪いこともあったけど、ひっくるめたら良い体験だった」
この文の背景には、ロンドンで本場の英語に触れ学べた、友達に巡り会えたというポジティブな経験、逆にホストファミリーがひどかったといったネガティブな体験などが入り混じった感想が込められている可能性があります。しかし、それらを要約的にかいつまんで言うと「良い体験だった」とまとめているのです。このような場合にoverallが使われることになります。
オーバーオールの英語
さっそく、ここからはオーバーオールについて紹介しましょう。オーバーオールは英語overallからきた言葉です。overallは形容詞・副詞、そして洋服のオーバーオールとして名詞の働きがあります。
ここでは、まず形容詞overallを紹介していきます。
overallで「全部の・全体の」「端から端まで」
形容詞のoverallは「全部の・全体の」「端から端まで」と、あらゆるものをまとめたニュアンスで使われます。
訳)この英語コース全体のレベルは平均だ。
英語のコースにいくつかの要素があるものの、コース全体で考えるときにoverall English courseという表現にしています。
訳)この土地の全長は約10メートルです。
土地の端から端まで=全長ということですね。それをoverall lengthで表しています。
Overall副詞の意味
次のoverallは副詞のほうをみていきます。実際、形容詞のoverallよりも副詞の使い方を覚えたほうが英会話に使えます。
overallで「全体としては」「全体的に見て」
副詞のoverallは「全体としては」「全体的に見て」または「総合的に」という意味があり、要約的なものの見方を表現するのに覚えると便利です。
これを他の日本語にすれば「ひっくるめれば」という言い方もできるでしょう。
そこで、冒頭の日本文を英文にしてみます。
訳)英語を勉強するためにロンドンに滞在していた間には良いことも悪いこともあったけれど、ひっくるめれば私にとって決して忘れられない素晴らしい体験でした。
overallの入る位置を確認してください。ひっくるめれば、あるいは全体的にみて、の日本語のように後半の文頭にきています。
ところで留学に関し、このような体験をした方は多いのではないでしょうか。慣れない土地での生活はメリット・デメリットがありますが、行動を起こしたことに勝るものはありません。留学だけでなく海外旅行にも同じことが言えるでしょう。
続けて、例文をもっとみていきましょう。
訳)とっても緊張したんですが、プレゼンは総合的にうまくいきました。
この例文のように、Overall,を文頭に置くパターンで話し始めることもできます。自分で納得がいくような評価を全体的にまとめる形でしています。
訳)観客が楽しんで観戦した、全体的に素晴らしく激しいフットボールの試合だった。
Overallの類語
ここでは、overallの類語である形容詞totalについて紹介しましょう。
total
「全体の・総合的な」などの意味を持つのがtotalです。
訳)英国の総人口は6,700万人です。
また、totalの副詞であるtotallyについても簡単に触れておきましょう。
訳)まったく同感だ。やりましょう。
何から何まで全体的に相手に同意できるのでtotallyを使用しています。
オーバーオール – 洋服の場合
最後に、名詞のoverallについて紹介します。洋服のオーバーオール、実は歴史のあるファッションスタイルなのです。
オーバーオールの歴史
上下が一体となったオーバーオールは17世紀から親しまれてきました。インドから欧米の国々に布であるダンガリーが渡った際に人気が出ます。ダンガリーと言えば、ワークウェアとして使われていた生地で、作業中の怪我を軽減するように丈夫であるものの、デニムと比較して軽くて着やすいのが特徴です。
オーバーオールは徐々に画家たちによって白色のもの、一般人によって青色のものなどが着られ、現在でも人気が失われていません。日本でも70年代に大流行しました。現在では、その当時のヴィンテージオーバーオールを好んで着る人たちもいます。
さらに、オーバーオールは昔を思い浮かべるファッションではありません。2022年にはジェニファー・ロペスが、2023年夏にはセレナ・ゴメスがビキニのカバーアップとしてオーバーオールを着用しています。予想外の着こなしにオーバーオールが息を新たに吹き返しています。
オーバーオールと呼ばれる理由
では、どうしてoverallと呼ばれるようになったのか紹介しましょう。そもとも実用的な服でありましたが、衣類を買い替える余裕のない労働者にとってシャツやズボンなどの上から着たoverallは洋服を保護する目的でした。全部をカバーするというその目的からoverallとなりました。
ちなみに、オーバーオールはアメリカ英語です。イギリスでは、ダンガリ、またはBib and Brace overallと呼ばれます。
訳)ファッション雑誌を見ると、さまざまなオーバーオールが載っています。
訳)現代でも、オーバーオールはファッションウェアとして、大人だけでなく幼児や子どもたちにも着用されます。
皆さんは、オーバーオールを着たことがありますか?
まとめ
overallは全体、全部という意味がありますが、allと比較すると要約的なニュアンスのある表現になります。また、懐かしいオーバーオールの歴史や現在のトレンドも紹介しました。
本記事、overallでいかがでしたでしょうか?!