海外でホテルに滞在したりアパートを借りたりする時に欠かせないのが、「天井」にまつわる表現です。例えば、アパートで天井から雨漏りした時、大家さんに何と言えばいいか分からなかったら困りますよね。
他にも、日本には「天井知らず」など「天井」を使った様々な表現がありますが、英語で説明しようとすると、なかなか難しいと思います。
今回は、海外旅行や海外生活で役に立つ「天井」にまつわる表現を紹介します。
天井は英語で何ていう?発音にも注意!
「天井」は英語で「ceiling」といいます。
ただ、日常英会話では「The ceiling」というように、「the」をつけて表現するのが一般的です。
なぜ「the」をつけるかというと、天井について話す時は大抵の場合、特定の天井について話すことになるからです。
中学英語で、「Open the door.」といった表現でも「door」に「the」がついているのは、「開けてほしい特定のドアについて話しているから」と習ったことを覚えている方もいるかもしれません。
「ceiling」について話す時も、基本的に「The」をつけて話すクセを身に着けておきましょう。
発音にも注意
「ceiling」は、スペリングから発音を連想しづらい単語ですが、発音記号で表記すると[síːliŋ](スィーリング)となります。
発音に気を付けないと、話の内容が通じにくくなる場合があります。
まず語頭の音は、日本語の「シ」ではなく「スィ」に近い発音をするよう心がけましょう。
また、日本語の「リ」や、リに限らず、ラ行全般の音は、英語話者に「R」の発音として聞こえてしまうことが多いので、はっきり「L」の音で発音すると会話がスムーズです。
そして、通じやすさにあまり影響はありませんが、発音にこだわる人は、語尾の発音が[ŋɡ]ではなく、[ŋ]であることもおさえておきましょう。
天井に関する英語表現
「ceiling light(シーリングライト)」は日本人にもなじみ深い表現かと思います。
天井に取り付ける照明器具のことを「ceiling light」と言いますが、照明の種類として「天井照明」と言いたい時は「ceiling lighting」と表現します。
ちなみに「間接照明」は「indirect lighting」や「indirect illumination」と表現します。
「天井扇」についても、日本でも「シーリングファン(ceiling fan)」という表現が広く知られるようになったかと思います。
「天井壁紙」は「Ceiling Wallpaper」といいます。また、「wallpaper」を動詞として使い、「天井に壁紙を張る」ことを「to wallpaper the ceiling」と言うこともできます。
There are several tips to know before you wallpaper the ceiling.
訳)天井壁紙を張る前に、知っておくべきアドバイスがいくつかあります
また、家事の合間にソーシャルゲームを楽しんでいる人なら、「ガチャ天井」という言葉にも興味があるのでは。
「ガチャ天井」とは、ガチャを一定数利用すると、必ずキャラクターを入手できるシステムのことで、さすがに英語で表現する時に「ceiling」は使いません。
「20連ガチャを回した後キャラ入手確定」などと言いたいなら、「Guaranteed gacha after 20 rolls」などと表現すると良いでしょう。
「ceiling」以外を使う表現
日本語で「天井」という単語が含まれている言葉の中には、英語では「ceiling」を使わない表現もあります。
一般的に「天井裏」は「attic」と和訳します。
また、日本人にはなかなかピンとこない考え方ですが、日常英会話で「天井裏」について話す時は、「rafters(屋根を支える梁)」を使うことが多いです。
I think there’s a mouse in the rafters.
訳)天井裏にネズミがいるようだ
また、日本人は「雨漏り」について話す時、「天井から雨漏りしている」と言いますが、英語では「a leak in one’s roof」や、「leakage from one’s roof」というように、「屋根から雨漏りしている」という表現を使います。
「leak」は「漏れ」という名詞と「漏れる」という動詞を意味しますが、動詞「leak」を使っても「雨漏り」を表現できます。
I realized my roof was leaking.
訳)雨漏りに気づいた
「leakage(漏れ)」はあまりなじみのない英単語かもしれませんが、発音に注意したい単語です。「リーケイジ」ではなく、 [líːkidʒ](リーキッジ)と発音します。
おまけの表現
「天井桟敷(てんじょうさじき)」という言葉に聞き覚えはあるでしょうか。「天井桟敷の人々」という有名な映画もあります。
「天井桟敷」とは、劇場で天井に近い場所にある観客席のことをいいます。
舞台から遠いため最も安い席なのですが、必ずしも安っぽいイメージの言葉ではなく、常連客が集う席ともいえます。
「天井桟敷」は英語で「ceiling pier」といいます。
「天井知らず」は英語で何ていう?
日本語の「天井知らず」は「とどまることを知らない」という意味ですが、英語でも「天井(ceiling)」には「上限」という意味合いがあります。
特に金融用語では「ceiling price(取引相場)」や「hit the ceiling(価格・売り上げなどが天井知らずの状態になる)」というように、「ceiling」が使われることがあります。
期待を込めた「天井知らず」の表現
日常英会話で「天井知らず」な状態を表現したい時は、「skyrocketing」という形容詞を使います。
「skyrocketing」は、「(価格などが)急騰[高騰]している」、「とどまるところを知らない」、「うなぎ上り」という状態を表す英単語です。
Customer’s expectations are skyrocketing.
訳)顧客からの期待は高まるばかりだ
また、「The sky is the limit.」という慣用句もあります。「空が限界点」という意味が転じて「天井知らず」を表すようになった言葉です。
「空が限界点」ということは、事実上「何も制限がない」ことを指すため、「可能性は無限大」という意味になります。ぜひ覚えておきたい慣用句ですね。
「天井」を含むお役立ちフレーズ
「天井が高い」はそのまま「The ceiling is high」と表現します。そして「天井が低い」も「The ceiling is low」と言えばOKです。
天井の高さにまつわる表現には、以下のようなものがあります。
How high is it from the ceiling to the floor?
訳)天井から床までの高さはどれくらいですか?
The ceiling in my living room is low, so I want to remodel the ceiling high.
訳)うちのリビングの天井が低いから、天井を高くリフォームしたい
他にも、こんな表現を覚えておくと便利でしょう。
I’m looking for a hook to hang from the ceiling.
訳)天井から吊るすフックを探しています
I’m looking for a projector to install on the ceiling.
訳)天井に着けるプロジェクターを探しています
電気機器を取り付ける場合は、「install」と「on」を使います。「on」は「上」と和訳するイメージがあるかもしれませんが、机だけでなく、壁や天井に「くっついている」状態もすべて「on」と表現します。
ちなみに、こんな表現もあります。
There’s a big cockroach on the ceiling!
訳)天井に大きなゴキブリがいる!
日本人なら思わずイヤな気分になってしまう表現かもしれませんが、ゴキブリは世界的にはあまり嫌われている虫ではないようです。
まとめ
この記事では、海外旅行や海外生活で役に立つ「天井」に関する表現と、「天井」に関するフレーズについて紹介しました。
日本語の慣用句を英語で説明するのはなかなか難しいですが、自分で日本語の慣用句の意味をよく理解した上で、かみ砕いて説明できる英語力を身に着けたいですね。
英語を学習するあなたの可能性は「天井知らず」だと思います。限りなく広がる世界を目指して英語学習を続けていきましょう。