日本には命日やお盆、お彼岸など、お墓参りの時期がありますね。海外でも日本と同じようにお墓参りの時期ってあるんでしょうか。
そもそも「お墓参り」に行く習慣はあるのでしょうか?「お墓参り」や「お墓」は英語では何というのでしょう?
「お墓」にまつわる言葉やフレーズを英語ではどう表現するのかを学んでいきましょう。
墓地を表す単語「grave」と「tomb」の違いは?
辞書では「grave」や「tomb」が「お墓」を表す単語として紹介されています。
この2つは全く同じ意味なのか、意味が違うならばどう使い分ければ良いのでしょうか?
grave
埋葬される穴のことで、一般的な「お墓」を表す単語。日本でいう「お墓」はこちらの単語になります。
tomb
墓石や墓標のことで、埋葬された穴の上に立つ石などでできた建造物を指します。古いお墓のある建造物にもこの単語を使います。
ゲームや映画にもなった「Tomb Raider」の「Tomb」はこちらの単語からきています。
古い王族のお墓などにはお宝が一緒に収められていることがあるので、それを狙った「墓荒らし」のお話ですね。
お宝が収められているかどうかは別にしても、世界の観光地や世界遺産にはお墓がとても多いんです。歴史的価値があるものだからなんでしょうね。
「墓石」は英語では何?
「墓石」は英語で「tomb stone」や「grave stone」といいます。
日本の墓石はたいてい立体的な形で、色は黒やグレーが多いですが、海外の墓石を調べてみると、キリスト教を信仰する国や地域では平面の、十字架の形をした墓石が一般的です。
また、日本の墓石には故人の名前と命日が刻まれているのに対して、海外の墓石にはその人の人となりや実績、その人あてのメッセージを刻む場合もあるそうです。
「お墓参りに行く」って英語で何ていう?
「お墓参りに行く」を英語で表現する場合は「go to visit」や「visit」を使います。
My family and I went to visit our grandfather’s grave every year in mid-August.
訳)私の家族と私は毎年8月の中旬に祖父のお墓参りに行きます
I went to visit my grandmother’s grave yesterday.
訳)私は昨日祖母のお墓参りに行ってきました
She visited her parent’s grave last week.
訳)彼女は先週、彼女の両親のお墓参りに行きました
Last week, I went to visit my grandmother’s grave and placed her favorite flowers on the grave.
訳)先週、祖母のお墓参りに行き、祖母の好きだったお花を墓前に備えました
「お墓参りに行く」について会話形式で確認してみましょう。
When was the last time I visited my grandfather’s grave?
訳)最後におじいちゃんのお墓参りに行ったのはいつだったかな?
Then why don’t we visit his grave this weekend?
訳)じゃあ週末にお墓参りに行かない?
世界のお墓参り事情は?
日本では仏教徒が多いのでお盆やお彼岸などにお墓参りをする人が多いですが、海外では「お墓参りの時期」はあるのでしょうか。
調べてみると、キリスト教徒、プロテスタントと宗派により異なりますが、「死者の日」や「昇天記念日」には集会が行われるようです。
定期的にお墓参りをする習慣はないようですし、お墓参りの時にも日本人と違って故人に祈るのではなく神様に祈ります。
その他「墓地」を表す単語
「墓地」を表す単語もいくつかあります。「graveyard」「cemetery」「churchyard」などがそれにあたりますが、それぞれの違いは「教会」に属しているかどうか、といったものです。
graveyard
小さな教会に関連する埋蔵地。
cemetery
教会に属さない共同墓地のこと。霊園。
churchyard
教会に属する墓地のこと。
ちなみにお寺にある墓地は「temple cemetery」といいます。
そういえば昔の映画に「ペットセメタリー」というホラー作品がありましたね。
あの映画のタイトルは「Pet Semetery」でスペルが違うのですが、これは「Cemetery」のこと。
原作の中で『ペット霊園の入り口には看板があり、子供が書いたのか「Cemetery」の「C」が「S」になっている』という描写をそのままタイトルにしたものだそうです。
「納骨」は英語で何という?
「納骨」って英語で何というのでしょうか?また、海外でも「納骨」をする習慣はあるのでしょうか?
世界の「納骨」にまつわる習慣もあわせて確認してみましょう。
◆place a person’s ashes in a tomb(納骨する)
We placed my grandmother’s ashes in her tomb.
訳)私たちは祖母の遺骨を納骨しました
その他の「お墓」関連ワードを英語で表現してみよう
お墓にまつわるワードというと「葬儀」「お盆」「ご先祖様」「命日」「お供え物」などがありますね。英語ではどう表現するのでしょうか?例文を交えて確認してみましょう。
Funeral(葬儀)
You took yesterday off from work.
訳)昨日は会社をお休みされたんですね。
I attended the funeral of my mentor.
訳)恩師の葬儀に出席していたんです
Obon (festival)(お盆)
What is Obon festival?
訳)お盆ってなあに?
Obon is a very important Buddhist festival in Japan, held in August. It is a time for Buddhists to remember their ancestors.
訳)お盆は日本で8月に行われる仏教のとても重要な行事です。仏教徒がご先祖様をしのぶ時期なんです
ancestor(s)(ご先祖様)
My family and I go to visit our ancestor’s graves every year in mid-August.
訳)うちの家族は毎年8月の中旬に先祖代々のお墓参りに行くんだ。
Why?
訳)どうして?
We Japanese believe that O-bon is the period when the spirits of ancestors come back.
訳)私たち日本人は、「お盆はご先祖様の霊が帰ってくる時期」だと考えているからです
death anniversary(命日)
Yesterday was my grandfather’s death anniversary.
訳)昨日は祖父の命日だったんだ。
It’s already been a year.
訳)もう一年になるんだね。
an offering(お供え物)
Did you visit your ancestor’s grave during Obon?
訳)お盆にお墓参りに行った?
Yes, I cleaned up my family grave and left some offerings.
訳)ええ、きれいに掃除してお供え物を置いてきました
世界の葬儀、埋葬の仕方
世界の葬儀や埋葬の仕方はどのようなものなのでしょうか。
例えばチベットでは「塔葬」「火葬」「天葬」「土葬」「水葬」という5つの埋葬方法があります。
中でも最も名誉とされる「塔葬」はご遺体に塩をかけて乾燥させてから霊塔に安置するというもので、一部の法王などがこの方法で埋葬されるのだそうです。
「天葬」は「鳥葬」ともいわれ、ご遺体を鳥に食べさせる方法です。一見残酷なようですが人を自然に還す方法として昔から信じられているのですね。
また、インドネシアのある部族は誰かが亡くなると、その人の復活を願って一定期間病人として扱い、一緒に暮らす「もがり」という期間があり、3年におよぶこともあるそうですよ。
他にもインドでは火葬後に遺灰をガンジス川に流すなど、世界には様々な葬儀の方法があります。
まとめ
「お墓」や「お墓」にまつわる言葉、フレーズを紹介しました。
お墓の形が国によって違うように、世界にはさまざまな葬儀の方法があることも大変興味深いですね。
共通していることは、方法は違っても故人をしのぶ気持ち、大切に思う気持ちは同じだということ。しばらくお墓参りに行っていないな、という方。是非ご先祖様に元気な顔を見せてあげましょう。きっと喜んでくれますよ。