風があたたかくなり、雪解けや桜の開花のニュースを聞くと、春の訪れを感じますね。今回は、春にまつわる英語表現を学んでいきましょう。

“spring”の意味と語源

"spring"の意味と語源

英語で「」は”spring“ですね。ですが、”spring“には「」の意味があり、「温泉」は”hot spring“と言いますね。また、「スプリングベッド」のように、「ばね」の意味もあります。一見、あまりつながりがないように感じませんか?改めて”spring“の意味や語源を見てみましょう。

spring“の語源は、古英語”springan” にさかのぼります。”springan“は動詞で「跳躍する、跳ね上がる、飛び跳ねる」の意味でした。そこから勢いよく「飛び出す」、泉などが地面から「湧き出す」の意味になりました。また、誕生、芽吹き、始まりなどの意味を表すようになり、次第に”spring“が「」を意味するようになったと考えられています。昔の人も、植物が芽吹き成長し始める春を「始まりの季節」と捉えていたのですね。

spr“の音は「跳躍」「躍動」など勢いのあるイメージです。”spray“(スプレー)、”sprout“(植物の種が目を出すこと、新芽)、”sprinkle“(まき散らす)、など、よく使う単語の中にも”spr“がたくさんありますね。

「春の訪れ」は”the arrival of spring”

英語で「春の訪れ」と言うときの例文を見てみましょう。

Aさん

The arrival of spring brings great joy to those living in extremely cold countries.

極寒の国に住む人にとって、春の訪れは大きな喜びです。

一般的な「」を表すときは、”spring“に冠詞をつけずに使います。もう一つ、例文を見てみましょう。

Aさん

When hay fever begins, I realize that spring is coming.

花粉症が始まると、春の訪れを実感します。

hay fever“は「花粉症」です。

「春」の言い換えの表現は”springtime”、”a season of blossoms”

「春」の言い換えの表現は"springtime"、"a season of blossoms"

spring“以外の言葉を使って「」を表すこともあります。言い換えの表現をいくつか紹介します。

“springtime”

springtime“は、「春の季節」といった意味で、”spring“とほぼ変わりませんが、より情緒のあるニュアンスになります。春が来てうれしい、といった気持ちを表すのにぴったりです。”spring”と”time”の間にスペースは入れず、”springtime“とひと続きで書いてくださいね。

Aさん

We enjoy a picnic in the springtime. The best part is lunch.

春にはピクニックを楽しみます。いちばんの楽しみはランチです。

“a season of blossoms”

blossom“は「」の意味ですので、”a season of blossoms“は「花の季節」つまり「」のことです。

flower“も「」ですが、”flower“はチューリップやカーネーションなどのように地面から茎が伸び、その先に咲く花を指します。花束にしやすい花と覚えておけばよいでしょう。これに対し、”blossom“は木の枝先に咲く花のことを言います。「」は”cherry blossoms“ですね。

Aさん

Leaves begin to change color in October in the Northern Hemisphere, and in the Southern Hemisphere, it’s the season of blossoms.

北半球では10月に紅葉が始まりますが、南半球では(10月は)花の季節です。

紅葉する」は、”leaves change color“で表します。

“budding season” 

春はさまざまな草木が芽吹く季節ですね。”bud“は名詞だと「つぼみ」ですが、「芽吹く」「つぼみをつける」という動詞の意味もあります。”budding season“と言えば、「芽吹きの季節」、つまり「」のことです。

Aさん

During the budding season, the garden appeared vibrant. It was the season that  she liked the most. 

芽吹きの季節、庭は活気に溢れていた。彼女が最も好きな季節だった。

vibrant“は「活気に満ちた」の意味です。

“vernal”

vernal“は「春に関連した」「春の」という意味です。普段の会話で使うことはあまりありませんが、文学的、詩的な表現で使われます。昼と夜の長さがほぼ等しくなる「春分」は”Spring Equinox“、または、”Vernal Equinox“と言います。 

Aさん

The Vernal Equinox, the first day of spring, is almost always on March 20th in the Northern Hemisphere.

春分の日、春の最初の日は、北半球ではほぼ毎年3月20日です。

“a season of renewal and rebirth”

聖書では、春は再生と生まれ変わりの季節とされています。”a season of renewal and rebirth“と言えば「」を指します。

Aさん

According to the Bible, spring is a season of renewal and rebirth. 

聖書では、春は再生と生まれ変わりの季節とされています。

春夏秋冬の略は最初の3文字+ピリオド、または母音を省く

春夏秋冬の略は最初の3文字+ピリオド、または母音を省く

春、夏、秋、冬の省略形は、最初の数文字+ピリオド”.”の形で、以下のように書きます。

  • 春 spring:Spr.
  • 夏 summer:Sum.
  • 秋 autumn、fall:Aut.Fal.
  • 冬 winter:Win.

春夏秋冬以外でも、「4月」”April“の略が”Apr.“、「日曜日」”Sunday“の略が”Sun.“などのように、同じルールで省略形が作られていますね。

以下のように、母音を省いて子音のみの形にするパターンもあります。

  • 春 spring:SPR
  • 夏 summer:SMRSMMR
  • 秋 autumn、fall:AUTFAL
  • 冬 winter:WTR

「春が来た」の英語フレーズ

最後に、「春が来た」の意味でよく使うフレーズを見てみましょう。

Aさん

“Spring is just around the corner.”

春はすぐそこまで来ているよ。

around the corner“を直訳すると「角を曲がったところだ」ですが、「もうすぐだ」「もう間もなくだ」という意味で使います。待ち望んだ春が、最後の角を曲がってもうすぐやってくる、という感じですね。

Aさん

“Spring has sprung.”

春が来た。

Spring has come.“は、教科書で現在完了形の例文として覚えた人も多いでしょう。動詞”come“の代わりに”spring“を用いた、”Spring has sprung.“のフレーズもよく使います。”sprung“は動詞”spring“の過去完了形です。韻を踏んでいて、こなれた表現ですね。”spring“の「飛び出す」の意味も相まって、ぱっと春になった、というイメージです。

まとめ

春にまつわるいろいろな表現をおさらいしました。”spring”はもともと「跳ね上がる」「飛び出す」の意味があり、そこから始まりの季節である「」を意味するようになりました。「春」spring“を表す表現には、の他に”springtime“、”a season of blossoms“などがあります。いろいろな言い方で春を表現してみてくださいね。