今回は、「壁」という言葉を含む表現を英語でどう言うのかを見ていきたいと思います!英語学習者なら時々感じる「壁にぶち当たる」こと、そしてその「壁を乗り越える」こと、この2つをメインに見ていきましょう。日本語ではこのように、障害や困難なことを「壁」という風に表現しますが、ここは英語でも一緒なのでしょうか。だとしたら「壁」を表すWallという単語が出てきそうですが、果たしてその答えは?

「壁にぶち当たる」は英語で何と言う?

最初に見ていくのは「壁にぶち当たる」という英語表現です。日本語でよくよくこの表現を見てみると、ただ壁に当たっているだけでなく「ぶち当たっている」のがなんとも困難に直面しているなというイメージになりますね。普通に「壁に当たっちゃって」と言うとただ不注意で本当に壁に当たったようになってしまうので、慣用句とは不思議なものです。この英語表現はいくつかあるので、お気に入りを見つけて暗記してみてくださいね。

hit the wall

日本語の「壁にぶち当たる」に最も近い英語表現はHit the wallでしょう。こちらには「壁」を表すWallという単語が使われていますし、「ぶち当たる」に相当する動詞、Hitもあります。まさに「壁にぶち当たる」ですね!

Hitは、動詞の中でも過去形と過去分詞形が覚えやすいものです。変化がなく、現在形も過去形も過去分詞形も全部Hit。覚えるのは簡単ですが、文中に出て来ると時制が動詞で判断できなくなるので、リーディングやリスニングをする際には文脈から読み取ったり、その他の時を表す表現から推測してみてください。

Aさん
I think I hit the wall…
訳)たぶん私壁にぶち当たったみたい・・・
Bさん
What happened?
訳)何があったの?

reach a plateau

あまり見ないスペルの単語だと覚えにくいかもしれませんが、こちらは熟語で「壁にぶち当たる」という意味です。Plateauとは、学習や作業の進捗が一時的に停滞する状態のことです。精神的な問題や疲労によって起こります。

筋トレをしている人なら、「プラトー効果」という言葉を知っているかもしれませんね。筋トレが停滞して、いわゆるスランプ状態に陥っているような状態のことをそう言います。英語でがそのままPlateau effectと言います。

Reachは「辿り着く」、「到着する」という意味ですから、そのプラトーに到着してしまったという意味になります。

go down a blind alley

Go down a blind alleyは、「行き詰まる」という意味です。もともとBlindは「見えない」、Alleyは「小路」という意味なのですが、この2つが合わさると「袋小路」という意味になります。つまり、直訳すると「袋小路に行く」という意味になりますね。

障害や困難を壁に見立てるのではなく、袋小路を見立てる表現があることも覚えておきましょう。日本語でも、あまり日常会話では使わなくても、行き詰った時に「袋小路だ」と表現することはあります。

Aさん
He goes down a blind alley, so stay him alone.
訳)彼は今壁にぶち当たってるから一人にしておきましょう
Bさん
Is he really Okay?
訳)本当に大丈夫なの?

run into obstacles

こちらは直球で、「障害にぶち当たる」という意味です。Obstacleが「障害」なので、困難を壁や袋小路など、他のものに見立てずに使える表現です。

Run intoは「ぶち当たる」に相当する動詞ですが、ゆっくり歩いているよりは走っていて何かにぶつかることが多いですから、そういう意味でWalkが使われていないなど自分流に理解して暗記しやすくしてみてくださいね。

「壁を乗り越える」は英語で何と言う?

「壁を乗り越える」は英語で何と言う?

では次に、「壁を乗り越える」という英語表現を見ていきましょうか。障害や困難に見立てた壁を乗り越えれば、それを突破したという意味になりますよね。日本語では壁をぶち破ると言っても通じるかもしれませんが、一般的には壁を登って突破するイメージになっていますね。これは英語でどのように表現するのでしょうか。

overcome difficulties

英語で「壁を乗り越える」と言いたい時には、率直に「困難を乗り越える」と言えばOKです。「困難」はDifficultyで、ここでは熟語で複数形が使われていますね。そして「乗り越える」はOvercomeです。わかりやすい熟語ですよね。

ちょっと変わっているのが、Overcomeは受動態で使うと「人をお酒・暑さ・寒さ・体調不良などで弱らせる」という意味になるということ。無理矢理直訳すれば「困難を与えられた」、「困難を乗り越えさせられた」という意味になりますね。

Aさん
I’ll overcome difficulties…!
訳)この壁を乗り越えてみせる!
Bさん
Hang on!
訳)頑張れ!

get over hurdle

Get overは「乗り切る」や「乗り越える」という意味で、Hurdleは「ハードル」です。つまり、「ハードルを乗り越える」という意味ですね。日本語の「壁」が「ハードル」に置き換えられた形です。

実際にこの熟語を使う時に、特定の困難を指して「ハードル」と言いたい時には「that hurdle」と言います。「this」ではなく「that」を使うのが一般的なので、ここは決まり文句なのだと覚えてしまいましょう。

deal with

Deal withは「処理する」、「解決する」という熟語です。こちらは学生時代に覚えたはずですよ?忘れているなら今思い出しておきましょう!

困難に直面しても、なんとかやっていくというニュアンスがあります。よく使う表現なので、たくさんオリジナルの例文を作って口に出して言ってみましょう。

Aさん
I’ll deal with the problem.
訳)この困難を乗り越えてみせる
Bさん
Can I help you?
訳)何か手伝おうか?

まとめ

まとめ

「壁にぶち当たる」と、「壁を乗り越える」という2つの英語表現を見て来ましたね。日本語同様、動詞と名詞で構成されている表現が多く、熟語を覚えなければなりませんでした。この意味をひとつの単語で表すこともできなくはありませんが、ちょっと意味合いがズレてしまうでしょう。「壁にぶち当たる」ならHit the wallが最も日本語的ニュアンスに近くて覚えやすいと思いますし、「壁を乗り越える」ならOvercome difficultiesが一般的な表現になります。この2つの表現を軸として、他の表現もどんどん吸収していってみてください。